Xiangtangshan Caves・Dafo Caveの後光 北斉仏教美術と現代照明
国際ニュースや文化ニュースを日本語でチェックする読者のあいだで、Xiangtangshan Caves の Dafo Cave(大仏窟)に施された独特の後光デザインが静かな注目を集めています。北斉時代(550〜577年)の仏教美術の特徴が凝縮されたモチーフを、現代の照明が鮮やかに浮かび上がらせているからです。
Dafo Cave の後光デザインとは
Dafo Cave の仏像背後には、きわめて印象的な後光のデザインが広がっています。中央にはまぶしいほど明るい光輪が置かれ、その外側を、精巧に連なった真珠の輪が取り囲んでいます。
真珠の輪のまわりには、蓮の花、スイカズラ(honeysuckle)、そして唐草のように巻きつく草の文様が、自然かつ生き生きとしたリズムで混ざり合っています。その間を七匹の火焔龍が飛び交い、炎と雲のパターンをいっそう強調しています。
- 中央の強く輝く光輪
- 外側を取り巻く精巧な真珠の輪
- 蓮華・スイカズラ・巻き草文様の組み合わせ
- 七匹の火焔龍がつくる動きのある構図
これらが一体となることで、後光は単なる背景ではなく、仏像と空間全体を包み込むようなダイナミックな世界として立ち上がってきます。
北斉時代(550〜577年)仏教美術のエッセンス
この後光のデザインは、北斉時代(550〜577年)の仏教美術に典型的なスタイルとされています。複数のモチーフを巧みに重ねながらも、全体として調和した印象を保っている点に、この時代の美意識がよくあらわれています。
宗教的な光の象徴である光輪を中心に、蓮や草花といった自然のモチーフ、さらに火焔龍という想像上の存在が一つの画面で共存しています。信仰の世界を、できるだけ豊かなイメージで表現しようとする当時の人びとの願いが、そのまま視覚的なデザインとして読み取れます。
デジタル世代の目で見ても、この構成はどこか現代のグラフィックデザインやイラストレーションに通じる要素を持っています。細部まで描き込まれた装飾と、強い中心性をもつ構図は、スマートフォンの画面越しでも印象に残りやすいスタイルと言えるでしょう。
現代の照明がひらく、より深い鑑賞体験
こうした複雑な後光文様を、訪れる人びとにどのように見せるか。その鍵を握っているのが、現在の照明デザインです。
Dafo Cave では、後光の中心部と外側の輪、さらに周囲の文様や火焔龍の動きを際立たせるように光が設計されています。明暗のコントラストが強調されることで、観覧者は細部の線や彫りの深さに気づきやすくなり、古代の仏教美術が持つ迫力と繊細さの両方を味わうことができます。
- 明るい中心の光が、視線を自然と仏像へ導く
- 外側の真珠の輪に沿った照明が、円環のリズムを強調する
- 陰影が蓮や植物、火焔龍の立体感を際立たせる
その結果として、訪れる人びとは、従来の静的な鑑賞を超え、光と影の変化のなかで後光の物語性を体感することができます。照明デザインは、視覚的な楽しみを深めるだけでなく、古代の仏教美術に対する理解と没入感を高める役割もになっています。
歴史とテクノロジーが交差する場所として
2025年のいま、私たちはオンラインで多くの情報や画像に触れながら旅先を選び、文化遺産の楽しみ方もアップデートし続けています。Dafo Cave の後光デザインと照明演出は、その変化を象徴する一つのケースと言えるかもしれません。
歴史ある洞窟空間に足を踏み入れたとき、私たちは単に古い彫刻を見るのではなく、光の当たり方や影の揺らぎを通じて、北斉時代の信仰と美意識に触れることになります。そこで得た印象や気づきは、写真や短いコメントとともに SNS で共有され、別の場所にいる誰かの関心や想像力を静かに刺激していきます。
国際ニュースや文化の動きを追いかけるなかで、遠く離れた石窟の一つの後光デザインに目を向けてみることは、過去と現在、そして自分自身のものの見方を見つめ直す小さなきっかけになるかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








