中国の政治協商会議、記者会見で経済・科学技術・開放戦略を説明
今年3月、中国の最高政治協商機関である中国人民政治協商会議(CPPCC)全国委員会は、第14期全国委員会第3回会議(年次会議)の開幕を翌日に控え、記者会見を開きました。報道官の劉結一(Liu Jieyi)氏は、2024年の活動を振り返りつつ、中国経済や科学技術、対外開放に関する今後の方向性を示しました。<\/p>
この年次会議は、3月10日午前までの日程とされ、中国が建国75周年とCPPCC創設75周年を迎えた2024年の総括と、今後の「中国式現代化」をどう進めるかが大きなテーマとなりました。<\/p>
CPPCCとは何か:政策提言と「合意形成」の場<\/h2>
中国人民政治協商会議(CPPCC)全国委員会は、中国の政治システムの中で、各界の代表が参加し政策提言や意見交換を行う最高レベルの政治協商機関です。法律を決める機関ではありませんが、党と政府の意思決定に対し、助言や提案を行う役割を担っています。<\/p>
劉氏によると、2024年の全国委員会の活動では、中国の現代化路線を支えることを軸に、国家運営に関する提言と社会の幅広いコンセンサスづくりに力が注がれました。委員らは農村や工場、コミュニティなど各地を訪れ、草の根の声を吸い上げて政策オプションとして整理し、党と政府の意思決定に生かしたとしています。<\/p>
2024年の実績:調査・協議・提案がフル稼働<\/h2>
CPPCC全国委員会は、2024年に次のような活動を行ったと説明しました。<\/p>
- 重要課題に関する調査研究プロジェクト:42件<\/li>
- 各分野の協議・審議(コンサルテーション):85件<\/li>
- 委員や各組織から寄せられた提案:5,000件超<\/li>
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これらの活動は、改革の推進や高品質な発展、社会の安定を支えることを目的として実施されました。特に「現場に足を運ぶ」調査が重視され、経済、社会、地域の実情を把握したうえで政策提言につなげたとされています。<\/p>
中国経済への視線:課題認識と「底堅さ」の強調<\/h2>
記者会見では、中国経済の現状と見通しも大きなテーマとなりました。劉氏は、中国の内外の環境が「深く複雑に変化している」と述べ、経済に一定の困難と挑戦があることを認めました。<\/p>
一方で、中国経済の「基礎的な安定」は変わっておらず、多くの優位性と強いレジリエンス(回復力)、大きな潜在力を持つと強調しました。具体例として、<\/p>
- 制度面での優位性<\/li>
- 新しい消費トレンドが次々と生まれる巨大市場<\/li>
- 15年連続で世界首位を維持する製造業規模<\/li>
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などを挙げています。経済問題はCPPCCの最重要テーマの一つとされ、過去1年間にはマクロ経済分析の四半期ごとのシンポジウムや、経済体制改革、デジタル貿易、海洋経済などに関する詳細な調査・協議が行われました。こうした成果が、関連政府部門の政策づくりを支える参考資料になったと説明しています。<\/p>
「新質生産力」と科学技術:イノベーション重視を鮮明に<\/h2>
中国政府が近年掲げるキーワードの一つが「新質生産力」です。これは、科学技術イノベーションと高度な産業構造によって生み出される、新しい質の生産力を指す概念とされています。<\/p>
劉氏は、2024年には科学技術イノベーションと産業イノベーションの融合が深まり、中国の産業システムの現代化が加速したと評価しました。その中で、CPPCCは新質生産力の発展を重要な焦点とし、全国の委員や専門家・学者が理論研究や調査を行い、多数の研究報告をまとめたと述べました。<\/p>
また、データ要素市場(データを資産として活用・取引する仕組み)や人工知能(AI)の応用などをテーマに、集中的な協議が実施されました。さらに、委員である著名な専門家らが、汎用人工知能やナノテクノロジーの最前線、産業化の動向などについて一般向けの講義を行い、新質生産力の発展を支える「科学技術リテラシー」を社会に広げる試みも行われました。<\/p>
対外開放の新たな一歩:医療や通信分野での提案<\/h2>
中国の「さらなる開放」も、CPPCCの重要な議題です。劉氏によると、多くの委員が、対外開放をめぐる具体的な提案を行いました。その一部は、すでに政府の政策に取り入れられたとしています。<\/p>
- 医療分野での外国資本規制の段階的な緩和<\/li>
- 付加価値通信サービス分野での対外開放パイロットの拡大<\/li>
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といった提案が挙げられ、関連部門により具体的な政策措置として実行に移されつつあるとしました。<\/p>
劉氏は、中国が今後もより広い分野で、より高いレベルの対外開放を推進していくと強調しました。制度面での開放を着実に拡大し、対外貿易の構造改革を深め、地域ごとの開放戦略を最適化するとともに、「一帯一路」協力の質を高める仕組みづくりを進める方針が示されています。<\/p>
日本の読者への視点:何に注目すべきか<\/h2>
今回の記者会見の内容からは、次のようなポイントが見えてきます。<\/p>
- 中国経済は課題を抱えつつも、巨大市場と製造業、制度面の強みを背景に「長期的な成長余地」を強調していること<\/li>
- 科学技術と産業の融合による新質生産力の育成が、経済戦略の中核に位置づけられていること<\/li>
- 医療や通信など、サービス分野を含む対外開放が段階的に広がる可能性があること<\/li>
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中国の政策動向は、日本を含むアジアの経済やサプライチェーンにも影響します。CPPCCの議論は、その方向性を読み解く手がかりの一つです。今後、具体的な制度改革や開放措置がどのような形で実行されていくのかを、引き続き注視していく必要がありそうです。<\/p>
Reference(s):
Highlights: China's top political advisory body holds press conference
cgtn.com







