中国、米国との対話に前向きも「威圧は受け入れない」 10%追加関税に懸念
リード:中国「対話には前向きだが威圧は受け入れない」
米国が中国からの輸入品に10%の追加関税を課したことを受け、中国の全国人民代表大会(全人代)の報道官が、米中関係について「対話と協議には前向きだが、威圧や脅しは受け入れない」との立場を明らかにしました。国際ニュースとして注目されるこの発言は、今後の米中関係と世界経済の行方を考えるうえで重要なメッセージです。
何が起きたのか:米国の10%追加関税
今週火曜日、米国は中国から輸入される一部の品目に対し、新たに10%の追加関税を発動しました。これは、既存の関税に上乗せされる一方的な措置で、中国側は強く反発しています。
中国側によると、こうした追加関税は、世界貿易機関(WTO)のルールに反し、国際貿易の秩序を揺るがすものだとしています。
中国側が示した3つのメッセージ
記者会見で、第14期全国人民代表大会第3回会議の報道官である婁勤儉(Lou Qinjian)氏は、米国との関係について次のような点を強調しました。
- 対話と協議には前向き:相互尊重を前提に、対話と協議を通じて双方の懸念を解決する用意があると表明しました。
- 「威圧や脅し」は受け入れない:一方で、圧力や威嚇に屈する形での交渉には応じない姿勢を明確にしました。
- WTOルールの重視:各国間の貿易はWTOのルールに基づくべきであり、紛争もその枠組みの中で解決されるべきだと訴えました。
婁氏は、米国による一方的な関税措置は、WTOルールに反するだけでなく、「世界の産業・サプライチェーンの安全と安定を損なう」と懸念を示しています。
協力か対立か:歴史から見た米中関係
婁氏は、歴史を振り返れば「米国と中国は協力から利益を得て、対立から損失を被ってきた」とも指摘しました。経済、気候変動、安全保障など、多くの分野で二国間協力が国際社会に影響を与えてきたことを踏まえた発言です。
そのうえで、「安定的で健全かつ持続可能な米中関係は、双方の利益にかなうだけでなく、国際社会の期待にも沿う」と述べ、対話を通じた関係安定化の重要性を訴えました。
違いは「前提」ではなく「条件」:中国側のスタンス
米国と中国は、政治体制や経済構造など、多くの点で「国情が異なる」ことを双方とも認めています。婁氏は、違いそのものは避けられないものの、「重要なのは、お互いの核心的利益と重大な関心を尊重し、適切な解決策を見いだすことだ」と説明しました。
つまり、中国側は「違いがあるからこそ、対話が必要だ」という立場を強調していると言えます。
なぜ今回の発言が重要なのか
今回の発言が国際ニュースとして注目される理由は、次のような点にあります。
- 米中は世界経済を代表する二つの大国であり、両国関係の緊張は、他の国々の貿易や投資にも波及しやすいこと
- サプライチェーン(供給網)がグローバルに結びつく中で、一方的な関税や制裁が企業活動に直接影響を及ぼすこと
- WTOルールに基づく多国間主義と、二国間の力関係に依存する一方的な措置とのせめぎ合いが続いていること
中国側は、WTOを中心としたルールに基づく国際貿易体制の維持を強調しつつ、米国に対して「半ばで会おう(meet halfway)」と歩み寄りを呼びかけている形です。
私たちが押さえておきたい視点
今回の米中の動きは、ニュースとして追うだけでなく、次のような問いを私たちに投げかけています。
- 企業や消費者として、米中間の関税や規制の変化が、どのように価格や働き方に影響してくるのか
- 国際ルール(WTOなど)と、各国の国内事情や政治的思惑をどう両立させるべきなのか
- 対立が激しく見える局面でも、どのように対話のチャンネルを維持し、協力の余地を広げていけるのか
米中関係は、一朝一夕に解決する問題ではありません。しかし、今回のように中国側が「対話には前向き」と明確に発信したことは、緊張が高まる中でも、外交的な出口を模索し続ける意思表示とも受け止められます。
今後、米国側がどのように応じるのか、そしてWTOなど国際機関を通じて、新たなルール作りや紛争解決の枠組みがどこまで機能するのかが、2025年以降の国際経済を左右する重要なポイントになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








