米国の追加関税に中国が強く反発 10%関税とフェンタニル問題の影響は
米国が中国からの輸入品に再び10%の追加関税を課す方針を示し、中国商務省が強い不満と断固たる反対の姿勢を表明しました。2025年12月現在の米中関係に新たな緊張が生じています。
米国が再び10%の追加関税
火曜日、米国は中国から輸入される品目に対し、追加で10%の関税を課すと発表しました。これは、中国からの輸入品に対する追加関税を「再び」導入する動きであり、米中貿易をめぐる対立があらためて表面化した形です。
米国側は、この追加関税の理由としてフェンタニル問題を持ち出しています。中国側によれば、米国はフェンタニルをめぐる懸念を口実として対中関税を強化している、という見方です。
中国商務省「強い不満と断固たる反対」
中国商務省の報道官は火曜日の会見で、今回の決定について「強い不満」を表明し、「断固として反対する」と明言しました。また、中国は自国の権利と利益を守るために対抗措置を取る方針も示しています。
- 新たな10%の追加関税に対し、中国側は強く反発している
- 中国は自国の正当な権利・利益を守るため、対抗措置を取ると表明
- 今回の動きは、米中貿易摩擦の再燃として受け止められている
具体的な対抗措置の中身は明らかにされていませんが、中国が何らかの実務的な対応を検討していることは確かだといえます。
中国が強調する「世界でも厳格な反ドラッグ政策」
報道官は、今回の関税問題と並行して、中国の麻薬対策についても言及しました。中国は「世界で最も厳格で、かつ執行が徹底されている反ドラッグ政策を持つ国の一つだ」と強調しています。
さらに中国側は、これまで中国と米国が反ドラッグ分野で「幅広く、かつ深い協力」を行ってきたと説明し、その成果は「顕著なものだ」と評価しました。つまり、中国としては麻薬・ドラッグ対策の分野で責任ある役割を果たしているという立場を示した形です。
フェンタニル問題をめぐる米中の認識ギャップ
一方で、中国側は、米国がフェンタニル問題を対中関税強化の「口実」として利用していると批判しています。報道官によれば、米国はフェンタニルをめぐる問題について繰り返し中国に責任を押しつけ、その延長線上で追加関税を課しているとみられています。
フェンタニルは強力な合成オピオイドであり、乱用や過剰摂取が国際的な問題となっています。中国側は、自国の厳格な規制と米中間の協力を強調する一方で、「責任転嫁」と受け止められる米国の姿勢に強い不満を示しています。
「一方主義といじめの典型」との批判
報道官は今回の米国の措置について、「事実や国際貿易ルール、各方面の声を無視した、一方主義といじめの典型だ」と厳しい言葉で非難しました。
ここでいう「一方主義」とは、自国の判断だけで貿易ルールや追加関税を決める姿勢を指し、「いじめ」という表現には、経済力の差を背景にした圧力行使というニュアンスがにじみます。中国側は、こうした措置が国際貿易の秩序や多国間主義に反すると訴えています。
対抗措置と米中関係の行方
中国商務省は「対抗措置」を取ると明言していますが、その内容は今のところ公表されていません。一般的には、関税の引き上げや、特定分野での協力見直しなど、さまざまな形の対応が考えられます。
2025年12月の時点で、世界経済は依然として不透明感が強い中にあります。米中という二大経済の間で追加関税の応酬が続けば、企業活動やサプライチェーン(供給網)、さらには消費者価格にまで影響が及ぶ可能性があります。
日本を含む第三国・地域の企業にとっても、米中間の関税措置は調達先や販売戦略を見直す要因になり得ます。特に、両国をまたいで部品や素材をやり取りしているメーカーや、グローバル展開するデジタル企業などにとっては、今後の動向を注視する必要がありそうです。
読み手が押さえておきたいポイント
今回のニュースを整理すると、次のようなポイントが見えてきます。
- 米国が中国からの輸入品に再び10%の追加関税を課す方針を示した
- 中国商務省は「強い不満」と「断固たる反対」を表明し、対抗措置を宣言した
- 中国は厳格な反ドラッグ政策と米中間の反ドラッグ協力の成果を強調している
- 米国がフェンタニル問題を関税強化の口実にしていると、中国側は批判している
- 中国側は、今回の措置を「事実と国際貿易ルール、各方面の声を無視した一方主義といじめ」と位置づけている
まとめ:米中対立は「通商」と「安全保障的テーマ」が交差
今回の追加関税をめぐる中国の強い反発は、米中対立が単なる通商問題を超え、反ドラッグや安全保障的なテーマと複雑に絡み合っていることを示しています。
2025年の今、国際ニュースを追う私たちに求められているのは、どちらか一方を単純に善悪で切り分けることではなく、
- 関税という「経済の言語」と
- フェンタニル問題のような「安全保障・社会問題」と
- その背後にある各国の国内事情
がどのように結びついているのかを落ち着いて読み解く視点です。今回の動きが今後の米中関係、そして世界経済にどのような影響をもたらすのか、引き続き注目が必要だと言えるでしょう。
Reference(s):
China firmly opposes U.S. new tariff move, vows countermeasures
cgtn.com








