湖北省武当山で学ぶアメリカ人弟子 ジェイクが見つけた「道徳経」の知恵 video poster
アメリカ人弟子が中国で見つけた「心の軸」
中国中部・湖北省の武当山で武当武術に打ち込むアメリカ人、ジェイク・ピニックさん。約15年にわたる修行のなかで、彼の「心の軸」となっているのが、中国古典「道徳経」です。最近、国際メディアの動画インタビューで、彼は最も好きな一冊としてこの本を挙げ、その教えが自らの武術と日常生活にどう生きているかを語りました。
湖北省・武当山で暮らす「太極拳の弟子」
ジェイクさんは、湖北省十堰市の武当山で武当武術、いわゆる太極拳(タイチー)や内家拳と呼ばれるスタイルを長年学んできました。生まれ育った文化とは異なる土地で暮らしながら、彼は武術を通じて中国哲学にも深く触れてきたといいます。
その生活は、単に「強くなる」ためのトレーニングではなく、呼吸、姿勢、心のあり方まで含めた、より広い意味での修行になっているようです。
15年の修行が導いた一冊「道徳経」
ジェイクさんが選んだ一冊は、老子の著作として知られる「道徳経」。短い章が連なるこの古典は、自然と調和して生きることや、力まず柔らかく在ることの大切さを説く本として世界各地で読み継がれています。
武当武術の修行を重ねるなかで、彼はこの本の言葉を、自分の身体の感覚や日々の鍛錬と結びつけてきたといいます。技の上達だけでなく、物事をどう受け止めるか、自分とどう向き合うかを考える手がかりにもなっているようです。
第16章のメッセージ:静けさと「本来の自分」への回帰
インタビューの中で、ジェイクさんは特に「第16章」に強く共感していると語りました。この章は、心を静かに澄ませ、移り変わる現実のなかで揺れ動きすぎないこと、そして最終的には「根源」や「本来の自分」に立ち返ることの大切さを伝える内容として知られています。
彼は、激しい動きの中にも静けさを保とうとする武当武術の稽古と、このメッセージを重ね合わせています。たとえ日々の生活や世界の状況がめまぐるしく変わっても、自分の内側に静かな場所を見つけ、そこに戻ってくること。その感覚が武術の動きにも、人生の選択にも影響していると感じているようです。
「内なる平和」は遠い概念ではない
「内なる平和」や「根源への回帰」という言葉は、抽象的に聞こえますが、ジェイクさんの語り口からは、それが日常のごく小さな行動とつながっていることがうかがえます。
- 呼吸を整えてから一日の練習を始める
- 感情が大きく揺れたとき、すぐに反応せず一呼吸おく
- できないことや失敗を責めるのではなく、「変化の一場面」として眺める
こうした小さな実践が、「道徳経」第16章のメッセージを日々の暮らしの中で体現する試みになっています。
武当山から届く、2025年の私たちへのヒント
2025年のいま、世界は相変わらず不確実で、ニュースを追うだけでも心がざわつきがちです。そんななか、中国中部の山中で暮らす一人のアメリカ人武術家が、「静けさに立ち返る」古典の一節を支えに日々を送っているという事実は、私たちにも静かな示唆を与えてくれます。
忙しい生活の中で、スマートフォンを置いて一度深呼吸をしてみる。頭の中を占める情報や不安から半歩離れて、「本来の自分はどうありたいのか」をそっと問い直してみる。そのきっかけとして「道徳経」の一節を手に取ってみるのも、一つの選択肢かもしれません。
武当山で修行を続けるジェイクさんの歩みは、国や文化を超えて、「どう生きるか」を静かに考え直すためのヒントを私たちに投げかけています。
Reference(s):
PAGE X: American Tai Chi disciple Jake finds wisdom in 'Tao Te Ching'
cgtn.com








