中国の政府活動報告 香港・マカオの長期安定と台湾海峡の平和を強調
中国、香港・マカオの長期安定と台湾海峡の平和を政府活動報告で強調
中国の李強国務院総理(首相)が北京で開かれた第14期全国人民代表大会(全人代)第3回会議の開幕会合で政府活動報告を行い、香港とマカオの長期的な繁栄と安定、一国二制度の堅持、そして台湾海峡の平和的発展に向けた方針をあらためて打ち出しました。報告書は水曜日に全人代に提出され、2025年の中国本土の政策運営の方向性を示す文書と位置づけられています。
一国二制度を全面的かつ揺るぎなく実行
政府活動報告は、香港とマカオについて、中国本土が一国二制度を「全面的に、忠実に、揺るぎなく」実行する方針を強調しました。ここでいう一国二制度とは、「香港のことは香港の人が治める」「マカオのことはマカオの人が治める」という仕組みのもと、両地域に高度な自治を認める枠組みです。
報告書は、憲法と香港・マカオ両特別行政区の基本法に定められた憲制秩序を維持し、「愛国者が香港とマカオを統治することを確保する」としています。これは、特別行政区の政治や行政を担う中核に、中国全体の発展を支持する人材を位置づける方針をあらためて示したものです。
香港・マカオの経済発展と国際交流を後押し
報告書は同時に、香港・マカオ両特別行政区を次のように支援する姿勢を明確にしました。
- 経済成長を後押しすること
- 住民の生活水準の向上を図ること
- 国際交流と協力を一層深めること
- 国家発展への一体的な参加を促すこと
こうした支援を通じて、香港とマカオが長期的な繁栄と安定を維持できるようにすることが、中央政府の狙いとされています。特に国際金融センターや観光地としての役割が大きい香港・マカオにとって、経済と生活、国際ネットワークを総合的に強化していく方向性が示された形です。
台湾海峡:一つの中国原則と平和的発展
台湾海峡をめぐる方針について、報告書は一つの中国原則と1992年コンセンサスを堅持するとあらためて強調しました。そのうえで、「台湾独立」を目指す分裂活動や外部勢力による干渉に断固として反対し、台湾海峡両岸関係の平和的発展を促進するとしています。
さらに、中国本土は台湾海峡両岸の経済・文化交流と協力を進めるための制度や政策を改善し、両岸の一体的な発展を推進するとしました。その目的として、海峡の両側に暮らす中国人の福祉を高めることが挙げられています。
今回の報告が示す三つのポイント
今回の政府活動報告における香港・マカオ、台湾海峡に関する記述をまとめると、主なポイントは次の三つに整理できます。
- 香港・マカオについて、一国二制度と高度な自治を維持しつつ、憲制秩序の下で愛国者による統治を徹底する方針を再確認したこと。
- 両特別行政区の経済成長や住民生活の改善、国際交流の拡大を支援し、国家全体の発展戦略との一体化を進めるとしたこと。
- 台湾海峡では、一つの中国原則と1992年コンセンサスに基づき、分離独立の動きと外部干渉に反対しつつ、平和的な発展と一体的な発展を進めることで、両岸の人々の福祉向上を図るとしたこと。
日本の読者にとっての意味
香港・マカオはアジアの金融・サービス拠点として、日本企業や日本人にとっても関わりが深い地域です。今回、中央政府が長期的な繁栄と安定を支える方針を重ねて示したことは、同地域の制度や政策の方向性を見極める上で重要なシグナルといえます。
また、台湾海峡をめぐる方針は、東アジアの安全保障や経済のサプライチェーンにも影響しうるテーマです。中国本土が「平和的発展」と「断固たる反対」を同時に掲げている点は、今後の対話や交流のあり方を考えるうえで注視すべきポイントとなります。
2025年のアジア情勢を理解するうえで、今回の政府活動報告が示した香港・マカオ政策と台湾海峡政策は、今後の動きを読み解く基礎情報として押さえておきたい内容だといえるでしょう。
(本記事は、2025年12月8日時点で報じられている政府活動報告の内容に基づいています。)
Reference(s):
cgtn.com








