中国の環境保護とグリーン開発:2024年の成果とカーボン市場の拡大
中国の環境保護とグリーン開発、2024年の成果とは
中国の李強総理は、全国人民代表大会第14期第3回会議の開幕会合で行った政府活動報告の中で、2024年に中国が環境保護とグリーン開発を優先課題として取り組み、主要な成果を上げたと強調しました。本記事では、その発言内容を手がかりに、中国の環境政策の現在地と国際的な意味合いを分かりやすく整理します。
2024年、中国は主要汚染物質の排出を再び削減
李強総理によると、中国は2024年、環境の改善に向けた取り組みを一段と強化し、主要な汚染物質の排出量を再び減少させました。これは、大気や水質などの環境負荷を減らす政策が継続的に進められていることを示しています。
政府活動報告では、中国が引き続きエコプロテクションと呼ばれる環境保護を重視し、経済成長と両立させる形でグリーン開発を追求している姿勢が示されました。
生態系保護プロジェクトと砂漠化対策
2024年には、重要な生態系を保護・修復するための大型プロジェクトが実施されたと報告されています。また、中国各地で砂漠や砂地の面積がさらに減少したとされ、砂漠化対策が前進したことがうかがえます。
生態系の保全や砂漠化の抑制は、地域の暮らしや農業、インフラにも関わる長期的な課題です。こうしたプロジェクトを通じて、自然環境を回復させつつ、将来世代にどのような環境を引き継ぐのかという視点が問われています。
エネルギー転換:非化石電源が発電の約4割に
李強総理は、産業分野での省エネや二酸化炭素排出削減の取り組みを進める一方で、新たなエネルギー源の開発と利用を加速させたと述べました。その結果、非化石燃料による発電が増え、発電量全体のおよそ4割を占めるまでになったとしています。
非化石燃料には、再生可能エネルギーや原子力など、化石燃料に依存しない電源が含まれます。この比率が高まることは、石炭や石油などからの転換を進め、温室効果ガスの排出を抑えるうえで重要です。
世界各国がエネルギー転換と脱炭素を模索する中で、中国の動きは国際的なグリーン開発の流れに影響を与える要素の一つとなっています。
国家自主温室効果ガス排出削減取引市場が始動
報告では、中国が国家自主温室効果ガス排出削減取引市場 National Voluntary Greenhouse Gas Emission Reduction Trading Market を立ち上げたことも紹介されました。これにより、中国国内でのカーボン排出量の取引が一段と活発になったとされています。
温室効果ガスの排出量取引市場とは、排出削減の取り組みを数値化し、市場で売買できるようにする仕組みです。基本的な考え方は次の通りです。
- 排出量を削減した企業やプロジェクトは、削減分をクレジットとして認証してもらう
- クレジットは、削減が難しい企業などに売ることができる
- クレジットの価格が削減の価値を示し、より大きな削減に取り組む動機になる
中国でカーボン取引が活発になっているという報告は、市場メカニズムを活用して温室効果ガス削減を進める方向性が強まっていることを示しています。
なぜ中国のグリーン開発が国際ニュースになるのか
世界経済において大きな存在感を持つ中国が、環境保護とグリーン開発を優先すると明確に打ち出していることは、気候変動対策や経済構造の転換を考えるうえで重要な意味を持ちます。
今回の政府活動報告から、日本や他の国にとって注目すべきポイントを挙げると、例えば次のような点があります。
- 大規模な生態系保護プロジェクトや砂漠化対策は、長期的な視野で地域環境を守る取り組みの一つのモデルになり得る
- 非化石燃料による発電の比率を高める動きは、エネルギー安全保障と環境保全の両立を目指す国々にとって参考になる
- 自主的な温室効果ガス排出削減取引市場の立ち上げは、企業のイノベーションや新たなビジネスの可能性につながる
中国のグリーン開発の方向性を追うことは、単に環境政策を知るだけでなく、国際経済や技術の動き、そしてアジア全体の将来像を考えるヒントにもなります。
これからの注目ポイント
2024年の成果として示された取り組みは、中国が環境保護とグリーン開発を政策の柱として位置づけていることを改めて示しました。今後、国際ニュースとしてウォッチしたい視点として、次のような点が挙げられます。
- 国家自主温室効果ガス排出削減取引市場の規模や参加主体がどのように拡大していくか
- 生態系保護や砂漠化対策などのプロジェクトが、地域社会や産業とどのように連携していくか
- 非化石燃料の電源比率が今後どのペースで高まり、技術開発や投資とどのように結び付いていくか
環境保護とグリーン開発は、気候変動だけでなく、産業構造や雇用、地域の暮らしにも影響するテーマです。中国の動きを丁寧にフォローしながら、日本を含むアジア・世界の中でどのような協力や学び合いが可能なのかを考えていくことが求められています。
Reference(s):
China continues to prioritize eco-protection, pursue green development
cgtn.com








