中国スタートアップのAIエージェント「Manus」、ChatGPT競合として注目
中国のスタートアップ企業Monicaが、新たなAIエージェント「Manus(マヌス)」を発表しました。ChatGPTを手がけるOpenAIのAIアシスタント「Deep Research」を上回る性能をうたうこのサービスは、2025年現在の生成AI競争の新たな一手として注目を集めています。
ロイター通信によると、今週木曜日時点で大きな注目を集めたAIプロダクトの一つが、この「Manus」です。同社はAIアシスタント向けのベンチマーク(性能比較テスト)で、ChatGPTメーカーのOpenAIが開発した「Deep Research」を上回ったと説明しています。
AIエージェント「Manus」とは何か
「Manus」は、従来のチャットボットより一歩進んだ「AIエージェント」と位置づけられています。AIエージェントとは、ユーザーの指示に応じて情報収集や分析、計画作成など複数のタスクを自律的にこなすことを目指したAIのことです。
Monicaのウェブサイトに掲載されているユースケースによると、「Manus」は例えば次のようなことを支援できるとされています。
- 日本への旅行計画を立てる(行き先や日程、移動手段などを整理して提案する)
- 複数の保険商品を比較し、条件やコストを分析する
単なる「質問と回答」にとどまらず、具体的なプランや比較結果をまとめて提示することを想定している点が特徴です。日本の読者にとっても、旅行や保険といった身近なテーマでの活用がイメージしやすいサービスと言えます。
ChatGPTやDeep Researchとの違いはどこにあるか
今回注目を集めているポイントの一つが、Monicaが「Manus」はOpenAIの「Deep Research」を上回ると説明している点です。ロイター通信の報道によれば、これはAIアシスタント向けのベンチマークテストでの結果だとされています。
ベンチマークは、特定のタスクや指標に基づいて複数のAIを比較するための標準テストです。そのため、どのようなテストでどの程度差がついたのかといった詳細は今後の情報開示を待つ必要がありますが、スタートアップがChatGPTメーカーの最新AIと正面から比較し、「上回った」と公表すること自体が、2025年の国際ニュースの中でも象徴的な動きと言えます。
背景には、チャットボットから一歩進んだ「AIエージェント」型のサービスが、次の競争領域になりつつあるという流れがあります。「Manus」の登場は、その方向性を裏づける具体的な事例の一つと見ることもできます。
旅行計画から保険比較まで:身近なユースケース
「Manus」が掲げるユースケースは、専門的な開発業務よりも、日常生活に近いタスクが中心です。
- 日本旅行のプランニング
行きたい都市や日数、予算などを入力すると、観光地や移動手段を含む旅行プランをまとめて提案することが想定されています。 - 保険商品の比較分析
複数の保険の条件や料金を整理し、ユーザーの希望条件に合わせて比較・検討を支援することを目指しています。
こうしたタスクは、これまで人が時間をかけて調べてきた領域です。AIエージェントがある程度まで下調べや整理を担うことで、人は最終判断や細かな調整に集中できるようになる可能性があります。
招待制リリースとXでの反応
「Manus」は、現時点では招待制でのみ利用できる形となっています。一般公開前の段階で、限られたユーザーからフィードバックを集めながら精度や使い勝手を高めていく狙いがあると見られます。
Monicaは、水曜日の夜に「Manus」の動作を紹介する動画をX(旧ツイッター)に投稿しました。この動画は木曜日までに28万回以上再生され、多くのユーザーがコメント欄で招待枠を求めるなど、早くも関心の高さがうかがえます。
招待制でのクローズドなスタートは、新サービスが急激にユーザーを増やす前に、バグや誤動作を抑え、サービス品質を整えるためによく用いられる手法でもあります。「Manus」も同様に、段階的な展開を通じて機能や信頼性を高めていくプロセスにあると考えられます。
私たちの働き方・暮らしに何をもたらすか
日本語ニュースとして見たとき、「Manus」のようなAIエージェントの登場は、単なる海外テック情報にとどまりません。旅行、保険といった生活に近い分野で、AIがどこまで実務を担えるのかを試す具体的なケースでもあります。
こうしたAIエージェントが広がる中で、利用者や企業が意識しておきたいポイントとして、次のような論点が挙げられます。
- ベンチマーク結果だけでなく、実際の業務や生活シーンでの使い勝手をどう評価するか
- 保険など個人情報を含むデータをAIに扱わせる際の安全性や説明責任
- 海外発のAIサービスを利用する際の言語・文化的なギャップへの配慮
- AIエージェントが担う部分と、人が最終判断する部分をどう切り分けるか
2025年は、チャットボットからAIエージェントへの移行が現実味を帯びてくる年になりつつあります。「Manus」をめぐる動きは、その変化を読み解くうえで注目しておきたいトピックの一つと言えそうです。
Reference(s):
cgtn.com








