中国UnitreeのヒューマノイドG1、CGTNオフィスを訪問 video poster
2025年、中国のヒューマノイドロボットがどこまで来ているのか――その「いま」を切り取る出来事がありました。中国の国際メディアCGTNのオフィスに、杭州に拠点を置くUnitree Roboticsのヒューマノイドロボット「G1」がやって来て、社員たちを驚かせました。
今回の訪問の様子はVlogとして紹介されており、中国のロボット産業と人工知能(AI)の最前線、そして「新質生産力」と呼ばれる政策キーワードの具体像を垣間見せています。
CGTNオフィスに登場した「G1」ヒューマノイド
G1は、Unitree Roboticsが開発した二足歩行のヒューマノイドロボットです。同社は、中国東部の都市・杭州に本拠を置くロボットメーカーで、今年のCMG春節聯歓晩会(CMG Spring Festival Gala)で披露されたダンスパフォーマンスでも注目を集めました。
その舞台で観客を驚かせたのは、身長約1.8メートル、体重およそ50キログラムのヒューマノイドロボット「H1」モデルでした。一方、今回CGTNのオフィスを訪れた「G1」は、より小型で軽量なモデルです。
H1より小さく軽いG1、そのスペック
公開された情報によると、G1の主な特徴は次のとおりです。
- 身長:約1.3メートル
- 体重:約35キログラム
- 関節の電極(ジョイント):23〜43カ所
身長・体重ともにH1よりコンパクトでありながら、多数の関節を備えることで高い柔軟性を実現しているとされています。この柔軟性が、G1にさまざまな動作を可能にしています。
ダンスも溶接もこなす「汎用性」
G1は、ダンスの振り付けを学習して披露するだけでなく、機械アームを用いた簡単な溶接作業までこなせると説明されています。人の形をしたヒューマノイドロボットが、エンターテインメントと工場の現場という、見た目にはまったく違う二つの世界の仕事をこなせる点が象徴的です。
こうした汎用性は、単なる「見せるロボット」から、「現場で働くロボット」へと役割が広がりつつあることを示しています。
大規模AIモデル「DeepSeek」が開くロボットの未来
Unitree Roboticsのマーケティングマネージャーである金達(Jin Da)氏は、インタビューの中で、中国の大規模AIモデル「DeepSeek」のような技術がロボット産業にもたらす可能性について語っています。
金氏は、大規模モデルの開発がロボットにとって「しっかりした土台」になるとし、計算能力の向上や、さまざまな分野への応用が進むことで、ヒューマノイドロボットの性能と用途が大きく広がると見ています。
ロボットの「身体」とAIモデルの「頭脳」が結びつくことで、動きの精度だけでなく、状況判断や自然なコミュニケーションなど、人間に近い振る舞いが可能になると期待されています。
今年の「両会」をにぎわせたキーワード「新質生産力」
2025年の中国の「両会(Two Sessions)」では、「新質生産力」という概念が大きな話題になりました。これは、技術革新と産業の高度化を一体で進め、新たな競争力を生み出そうとする考え方です。
ヒューマノイドロボットのような先端分野は、この「新質生産力」の象徴的な存在といえます。高度なロボット技術は、製造業の自動化・スマート化を進めるだけでなく、新しいサービス産業やビジネスモデルを生み出す可能性も秘めています。
まずは工場、次に家庭へ――10年以内に「家電」になる?
金氏は、ヒューマノイドロボットの活躍の場について、まずは工場などの大規模な環境から始まり、その後、家庭へと広がっていくとの見通しを示しています。
同氏によれば、こうしたロボットが家庭に入ってくるタイミングは「10年以内、あるいはそれより早いかもしれない」とのことです。掃除や荷物運びなどの家事支援、高齢者の見守り、子どもの学習サポートなど、家庭内での利用シーンは多岐にわたることが想像されます。
また、ヒューマノイドロボットへの注目が高まるほど、そこに人材と企業が集まり、さらなるイノベーションと市場拡大が進む「ポジティブな循環」が生まれると金氏は指摘しています。
オフィスにロボットがいる日常を思い描く
今回のCGTNオフィスでのVlogは、ヒューマノイドロボットが職場に現れたとき、人とロボットの距離感がどう変わるのかを、ささやかに示しているようにも見えます。驚きや物珍しさはやがて薄れ、いつか「そこにいるのが当たり前」の存在になっていくのかもしれません。
工場からオフィス、そして家庭へ。中国のヒューマノイドロボット開発は、AIや大規模モデルの進化とともに、次のステージに向かいつつあります。10年後、自分の身の回りにどんなロボットがいてほしいか――そんな問いを投げかけてくれるニュースと言えそうです。
Reference(s):
Vlog: Giving Unitree's humanoid robot a tour of CGTN's office
cgtn.com








