王毅外相「グローバル・サウスは時代の主役」団結と開発を呼びかけ video poster
中国の王毅外相は金曜日の演説で、グローバル・サウス諸国に対し、みずからの力を高め、団結し、開発を最優先に進めるよう呼びかけました。世界経済の重心が南へと移りつつある中で、このメッセージは国際秩序の変化を考えるうえで重要な一コマとなっています。
王毅外相「世界を動かす活力は南から」
王毅外相は、中国共産党中央政治局委員も務める立場から、現在の国際情勢について次のように述べました。世界で巻き起こる大きな変化の原動力は南にあり、時代の特徴はグローバル・サウスの力が目に見えて強まっていることだと強調しました。
王毅外相によると、グローバル・サウスは世界全体の経済の4割以上を占め、世界の経済成長への貢献度は8割に達しています。こうした規模と成長力を背景に、グローバル・サウスは国際平和を維持し、世界の発展を牽引し、地球規模の課題に対応する国際的な仕組みを改善する上で、不可欠な存在になりつつあると位置づけました。
国際社会の安定と「より良い世界」の鍵
王毅外相は、グローバル・サウスこそが世界の安定をもたらし、より良い世界を築くための鍵を握っていると指摘しました。そのうえで、国際社会で影響力を発揮するためには、各国・各地域がそれぞれバラバラに動くのではなく、「一つの声」を形づくることが重要だと訴えました。
具体的には、グローバル・サウス諸国が国際舞台で団結し、共通の利益を守るとともに、国際的な枠組みや会議における代表性と発言力を高めていく必要があると強調しました。これは、ルールづくりの場において、より公正で包摂的な枠組みを目指すべきだというメッセージでもあります。
「開発」を国際議題の中心に据えるべきだという主張
王毅外相が特に力を込めたのが、開発を国際アジェンダ(議題)の中心に置くべきだという点です。気候変動やパンデミック、債務問題など、グローバルな課題が山積する中で、経済・社会の開発を後回しにすべきではないという考え方です。
王毅外相は、グローバル・サウスが次のような取り組みを進める必要があると述べました。
- 開発の勢いを育てること
- 開発を自ら進めるための能力を高めること
- それぞれの国や地域が、ともに近代化の道を歩むこと
「開発」を軸に据えることで、対立や分断ではなく、協力と共存を重視する流れをつくろうとする意図が読み取れます。
中国は「グローバル・サウスを心に留める」
演説の締めくくりで王毅外相は、国際情勢がどのように変化しようとも、中国は常にグローバル・サウスを心に留め、その中に自らのルーツを持ち続けると述べました。これは、中国が今後もグローバル・サウスとの関係を重視し続ける姿勢を示した発言だと言えます。
中国外相という肩書きに加え、中国共産党中央政治局委員としての立場から発せられたメッセージであることを踏まえると、この方針は単なる外交スピーチにとどまらず、今後の中国外交の方向性を示すシグナルとして受け止められます。
グローバル・サウスとは何か
近年、ニュースや国際会議で「グローバル・サウス」という言葉を耳にする機会が増えています。一般的には、アジア、アフリカ、中南米など、歴史的に先進国と比べて経済的に発展途上とされてきた国や地域を広く指す用語として使われています。
王毅外相の発言は、これらの国や地域を単なる「支援を受ける側」ではなく、世界経済を支え、国際秩序に影響力を持つ「主役の一角」として位置づけるものでした。特に、世界経済への貢献度が高まっているという点を数字とともに示したことで、その存在感を強調しています。
日本の読者にとっての意味
日本に暮らす私たちにとっても、グローバル・サウスをめぐる議論は他人事ではありません。貿易やサプライチェーン(供給網)、エネルギー、気候変動対策など、多くの分野でグローバル・サウス諸国との関係が日常生活と結びついているからです。
例えば、原材料や食料の供給先、ITやサービスの拠点、観光や留学の行き先など、私たちの選択肢の背景にはグローバル・サウスの動きがあります。その国々がどのような課題に直面し、国際社会でどんな発言力を持とうとしているのかを知ることは、将来の世界のルールやビジネス環境を考えるヒントにもなります。
押さえておきたいポイント
今回の王毅外相の発言から、次のようなポイントが浮かび上がります。
- グローバル・サウスは世界経済の4割超を占め、成長への貢献度は8割に達すると指摘されたこと
- 国際平和や世界の発展、グローバル・ガバナンス(国際的なルールづくり)において「鍵」となる存在と位置づけたこと
- 国際社会で団結し、共通の利益を守りつつ、代表性と発言力を高めるよう呼びかけたこと
- 開発を国際議題の中心に据え、共に近代化の道を歩むべきだと訴えたこと
- 中国は、国際情勢が変化してもグローバル・サウスを重視し続けると明言したこと
グローバル・サウスというキーワードは、今後の国際ニュースを読み解く上で、ますます重要になっていきそうです。日本語で国際ニュースを追う私たちにとっても、南の視点から世界を見ることが、自分たちの立ち位置を問い直すきっかけになるかもしれません。
Reference(s):
Wang Yi: Global South should strengthen, pursue unity and development
cgtn.com








