CPPCC徐氏が語る工業インターネット 製造業デジタル化の新たな可能性 video poster
CPPCC「委員通路」で語られた工業インターネットの可能性
中国人民政治協商会議(CPPCC)第14期全国委員会第3回会議の「委員通路」で、全国委員のXu Xiaolan(シュ・シャオラン)氏が、工業インターネットが製造業にもたらす新たな可能性について語りました。急速に進むデジタル化のなかで、製造業の現場がどこまで変わりうるのかという問いに、一つの答えを示す発言です。
工業インターネットが進める「デジタル化・ネットワーク化・知能化」
Xu氏は質疑応答のなかで、工業インターネットが製造業のデジタル化、ネットワーク化、知能化を大きく前進させてきたと強調しました。これは、工場のあらゆる設備や工程をネットワークにつなぎ、データとして扱うことで、新しい価値を生み出す動きです。
- デジタル化:紙や経験に頼っていた情報をデータとして記録し、可視化すること
- ネットワーク化:工場内外の設備やシステム、企業同士をネットワークで結びつけること
- 知能化:集めたデータをAIなどで分析し、自動最適化や故障予知などに活用すること
こうした変化によって、生産効率の向上だけでなく、エネルギーの節約や品質管理の高度化、新しいビジネスモデルの創出など、製造業のあり方そのものが変わりつつあります。
工業インターネットとは何か
工業インターネットとは、工場の機械やロボット、センサーなどをインターネットにつなぎ、データを集めて活用する仕組みの総称です。一般消費者向けのインターネットが人と情報をつなぐのに対し、工業インターネットは「モノとモノ」「モノと人」「現場と経営」をつなぐことを目指します。
- 現場のセンサーや機械からリアルタイムにデータを収集する
- クラウドや専用ネットワークを通じてデータを蓄積・共有する
- 分析結果を生産ラインの制御や経営判断にフィードバックする
この流れがスムーズに回り始めると、不良品の予兆を早期に検知したり、需要に応じて生産計画を柔軟に変えたりと、これまで難しかった高度な運営が可能になります。
なぜいま製造業のデジタル化が重視されるのか
2025年現在、世界の製造業はサプライチェーンの変化や人手不足、環境対応など、さまざまな課題に直面しています。そのなかで、デジタル技術を活用して生産性と柔軟性を高めることは、多くの国と企業にとって共通のテーマになっています。
Xu氏の発言は、工業インターネットを通じて、製造業の現場レベルから経営レベルまで一体的に変革していく方向性を示したものといえます。単に新しいシステムを入れるだけではなく、データを軸にしたものづくりへの転換を促す内容です。
日本やアジアの読者にとっての意味
中国の製造業は、日本やアジア各国の企業とサプライチェーンを通じて緊密に結びついています。工業インターネットを活用したデジタル化・知能化が進むことで、次のような変化が起きる可能性があります。
- 部品や素材の発注から生産、物流までをまたいだリアルタイムな連携
- 環境負荷の少ない生産方法や省エネ運転の共有
- 設計・開発段階からデジタル上で共同検証する取り組みの拡大
こうした動きは、中国のみならず、周辺の国や地域にとってもビジネス機会や協力の余地を広げる可能性があります。製造業に関わる日本の企業や技術者にとっても、工業インターネットの潮流を踏まえた戦略づくりが重要になりつつあります。
これからの論点:人材・標準・安全
工業インターネットの可能性が広がる一方で、次のような論点も意識されつつあります。
- 人材:現場の経験を持つ人とデジタル技術に強い人材の協働体制づくり
- 標準:異なる企業や設備メーカーの間でデータをやりとりするための共通ルール
- 安全:サイバー攻撃や情報漏えいから生産システムを守る仕組み
Xu氏の発言をきっかけに、工業インターネットをどう社会全体の利益につなげていくかについて、今後も議論が深まっていくとみられます。製造業のデジタル化をめぐる動きは、国境を越えて私たちの生活や仕事のあり方にも静かに影響を与えつつあります。
Reference(s):
cgtn.com








