王毅外相「中ロ友好の歴史的論理は変わらない」 非同盟の関係モデルとは
国際情勢が揺れ動く中で、中国とロシアの関係をどう見るべきか――。中国の王毅国務委員兼外相は、第14期全国人民代表大会(全人代)第3回会議の記者会見で、「中国とロシアの友好の歴史的論理は変わらず、その内部の原動力も損なわれない」と強調しました。
中ロ関係を「動乱の世界における定数」であり、「地政学的なゲームの変数ではない」と位置付けた今回の発言は、2025年の国際ニュースを読むうえで、一つの重要な視点を提示しています。
王毅外相が示した「歴史的論理」とは
王毅外相は、「国際情勢がどう変化しようとも、中国とロシアの友好にある歴史的論理は変わらない」と述べました。この「歴史的論理」とは、両国が長年にわたり築いてきた相互信頼や、近代史における共通の経験を指しているとみられます。
そのうえで、両国関係を支える「内部の原動力」は衰えないとも指摘しました。これは、一時的な情勢や外部からの圧力ではなく、両国の選択と利益の一致が関係発展の基盤になっている、というメッセージといえます。
「非同盟・非対立・第三国を標的にしない」中ロ関係
王毅外相は、中国とロシアが「非同盟・非対立・第三国を標的にしない」という独自の道を見いだしたと述べ、この枠組みを「大国関係の新しいモデルを切り開く先駆的な試み」と位置付けました。
- 非同盟:軍事同盟のように形式的な同盟関係を結ばないこと
- 非対立:互いを敵視したり、対立を先鋭化させたりしないこと
- 第三国を標的にしない:両国の協力を、特定の国や地域を牽制する道具としないと強調すること
王毅外相は、この関係モデルが、隣国同士の関係のあり方としても「良い模範」を示していると強調しました。つまり、中ロ関係は排他的なブロックではなく、周辺や国際社会に対しても安定をもたらす存在だと位置付けていることがうかがえます。
「定数」としての中ロ関係
成熟し、強靭で安定した中国とロシアの関係は、「動乱する世界における定数であり、地政学的ゲームの変数ではない」と王毅外相は述べました。
ここでいう「定数」とは、国際環境が変わっても揺らがない基軸という意味です。一方で「変数」とは、短期的な駆け引きや勢力争いに応じて容易に変化する要素を指します。中ロ関係は後者ではなく、前者を目指すものだと中国側は説明している形です。
世界反ファシズム戦争の記憶と中ロ
王毅外相はさらに、歴史に言及しました。中国とロシアは、それぞれアジアとヨーロッパの主戦場で勇敢に戦い、「世界反ファシズム戦争」の勝利のために多大な犠牲を払い、歴史的な貢献をしたと強調しました。
このように、過去の戦争体験と現在の友好関係を結び付けることで、中国側は中ロ協力を、単なる当面の利害ではなく、歴史的責任や平和維持の文脈の中で位置付けようとしていると見ることができます。
今回の発言から何を読み取るか
今回の王毅外相のメッセージは、少なくとも三つの点を示しているように見えます。
- 国際情勢の変化にかかわらず、中ロ関係の継続性と安定性を強調していること
- 中ロ協力を、軍事同盟ではなく「非同盟・非対立・第三国を標的にしない」関係として打ち出していること
- 世界反ファシズム戦争での共通の記憶を通じて、両国の連帯と役割を強調していること
日本や世界の読者にとっても、中ロ関係についての見方はさまざまです。しかし、中国側がどのような言葉で自らの外交を説明しているのかを知ることは、自分なりの視点を更新するうえで重要だといえるでしょう。今回の発言をどう受け止めるか、読者一人ひとりの考えが問われています。
Reference(s):
Wang Yi: Historical logic of China-Russia friendship will not change
cgtn.com








