CPPCC王定華氏、デジタル時代の「教育者精神」と教員の地位向上を強調 video poster
中国人民政治協商会議(CPPCC)の委員であり、北京外国語大学の党委書記を務める王定華(ワン・ディンホワ)氏が、デジタル時代における「教育者精神」と教員の地位向上の重要性を強調しました。本記事では、その発言内容と背景を日本語で整理します。
CPPCC委員・王定華氏が語った主なポイント
王氏は、北京の人民大会堂で金曜日午前に行われた第14期全国委員会第3回会議の第2回共同取材(グループインタビュー)で、メンバーズ・コリドーに立ち、メディアの質問に答えました。中国の教育政策について、次のような方向性を示しました。
- 約1891万人の専任教師からなる質の高い教員隊伍を育成していること
- 教員は高い倫理観と専門性を備えた「教育者精神」を体現すべきだということ
- AIをはじめとするデジタル技術の影響を踏まえ、継続的な専門能力開発が必要であること
- 教員の待遇や政策を改善し、優秀な人材が集まる魅力ある職業にしていくこと
- 教育資源の公平な分配や教員ローテーションを通じて、教育の質の地域格差を縮小すること
「教育者精神」とは何か
王氏が強調した「教育者精神」は、単なる授業スキルだけではなく、人間的な在り方を含む広い概念として語られました。
孔子から現代の教育者までを手本に
王氏は、教師が目指すべきモデルとして、古代の思想家である孔子に加え、陶行知、張桂梅、于漪といった現代中国の教育者の名を挙げました。いずれも、子どもたちの成長に寄り添いながら、地域や社会に大きな影響を与えてきた人物として位置づけられています。
そのうえで、教育は徳育(道徳)、知育(学力)、体育(体力)、美育(芸術)、労働教育(勤労)をバランスよく育てる全人教育であるべきだとし、教師がその中心的な担い手になる必要があると述べました。
AI・デジタル時代に求められる教師像
現在、人工知能(AI)やオンライン学習ツールの普及によって、学びのかたちは大きく変化しています。王氏は、こうした技術の変化が教育にもたらす「変革的な影響」に触れつつ、デジタルネイティブ世代の学生に向き合うための教師像を提示しました。
- AIやデジタル教材を理解し、授業に効果的に取り入れる力
- 情報があふれる環境で、学ぶべき本質を示すナビゲーターとしての役割
- 絶えず学び続ける「プロフェッショナル・ラーナー」としての姿勢
王氏は、こうした力を身につけるために、国家レベルや省レベルの研修や養成プログラムを通じて、教員が継続的に専門性を高めていくことの重要性を呼びかけました。
待遇改善と人材確保の方向性
質の高い教育を支えるには、教員の待遇や社会的地位を高めることが欠かせません。王氏は、優秀な人材が教職を積極的に選びたくなるよう、福利厚生やキャリアパスなどの政策的な後押しが必要だと指摘しました。
中国では、すでに1891万人の専任教師が配置されているとされますが、その質をさらに高め、全国的にバランスの取れた教育を実現するには、待遇改善とともに、教員が安心して長期的に働ける環境づくりが重要だとしています。
教育資源の公平な分配と教員ローテーション
王氏はまた、教育機会の平等を実現するためには、学校間や地域間での教育資源の偏りを是正する必要があると述べました。その具体策の一つとして、教員のローテーション(一定期間ごとの異動)を挙げ、経験豊かな教師がさまざまな地域や学校で活躍できる仕組みの整備を提案しました。
全国政協の場から見える中国の教育戦略
今回の発言は、中国の最高政治諮問機関である全国政協の会合の一場面で行われました。王氏を含む委員たちは、人民大会堂のメンバーズ・コリドーでメディアの質問に答え、教育を含むさまざまな分野の課題について意見を示しました。
デジタル化やAIの進展、そして教員不足や教育格差といった課題は、日本を含む多くの国・地域が共通して直面しているテーマでもあります。中国で語られている「教育者精神」の再確認や教員の専門性向上への取り組みは、アジアの教育政策を考えるうえでも参考になる視点と言えるでしょう。
読者のみなさんは、自国や地域の学校で、どのような教師像が求められていると感じるでしょうか。今回の議論を手がかりに、デジタル時代の教育と教員の役割について、あらためて考えてみるきっかけになりそうです。
Reference(s):
CPPCC member emphasizes promoting educator spirit in the digital age
cgtn.com








