王毅外相「デカップリングは自らを孤立させる」米中協力の必要性を強調
中国の王毅外相は、米中関係とテクノロジー競争をめぐる国際ニュースについて、「高いフェンスと小さな庭」ではイノベーションの精神を抑え込むことはできず、デカップリング(経済の分断)やサプライチェーンの断絶は、結局は自らを孤立させるだけだと強調しました。北京で開かれた第14回全国人民代表大会(全人代)に合わせた外交記者会見で、CGTNの田薇(Tian Wei)氏の質問に答えました。本記事では、この動きを国際ニュースとして、日本語でわかりやすく整理します。
イノベーションは「高いフェンス」では止まらない
王毅外相は、技術分野での米中競争を念頭に、「高いフェンスと小さな庭」という比喩を用いて、一部の国が先端技術やサプライチェーンを囲い込もうとする動きを批判しました。イノベーションの源は開放性と交流にあり、制限や囲い込みだけでは創造の流れを止めることはできない、というメッセージです。
特に、デカップリングやサプライチェーンの分断について、王毅外相は、それが相手国だけでなく、自らにとっても「自分で自分を孤立させる」結果になりうると警告しました。グローバルなテクノロジーと経済が複雑に結びつくなか、一方的な遮断はコストもリスクも大きい、という認識がにじみます。
米中ビジネスは「双方向・互恵的」な関係
王毅外相はまた、米中のビジネス関係について、「双方向」で「互恵的」な相互作用に基づいていると指摘しました。つまり、片方だけが利益を得るのではなく、協力を通じて双方が利益を享受する関係だという立場です。
そのうえで、協力は「相互利益」と「ウィンウィン」の結果をもたらすと強調しました。米中関係が世界経済全体に与える影響を考えると、対立や分断ではなく、現実的な協力の枠組みをどう築くかが、各国と企業にとって重要なテーマになっていきます。
「中国を抑え込みつつ関係維持」は幻想だと警告
一方で王毅外相は、「中国を抑え込みながら、同時に中国との良好な関係を維持できる」と考えるべきではないとも述べました。中国に対して一方的な圧力を加えながら、表向きの関係だけを保とうとする発想には無理がある、という主張です。
王毅外相は、恣意的な圧力に対して中国は必ず対抗措置を取ると明言しました。この発言は、技術や貿易、安全保障など多くの分野で政策を検討する各国に向けて、「コストと帰結を十分に考えるべきだ」というシグナルとも受け取れます。
読者が考えたい3つのポイント
今回の発言は、米中関係や国際ニュースをフォローする私たちに、いくつかの問いを投げかけています。
- 安全保障や産業政策と、開かれたイノベーションの環境は、どこまで両立できるのか。
- サプライチェーンの「リスク分散」と「デカップリング」は、どこが違い、どこで線を引くべきなのか。
- 米中のような大国同士の競争の中で、中小国や企業、市民の利益をどう守るのか。
王毅外相のメッセージは、中国側の立場を示すと同時に、デジタル時代の国際秩序をどう設計していくのかという、より広い問いを投げかけています。米中関係をめぐる議論が続くなかで、「高いフェンス」を高くするのか、それとも相互利益を前提にした協力の余地を広げるのか。今後の動きが注目されます。
Reference(s):
cgtn.com







