中国外相、ガザは「パレスチナの不可分の一部」 中東で正義と平和を掲げる外交 video poster
中国の王毅外相は、今年開かれた第14期全国人民代表大会(全人代)第3回会議に合わせた記者会見で、「ガザはパレスチナ人民に属し、パレスチナ領土の不可分の一部だ」と述べ、中国が中東で「正義・平和・発展」を重視する立場を改めて示しました。
ガザ情勢をめぐる議論が続くなか、中国の外交トップがこうしたメッセージを発したことは、中東問題に対する国際社会の力学にどのような意味を持つのでしょうか。本記事では、王毅外相の発言のポイントと、その背景にある中国の中東外交の考え方を整理します。
王毅外相「ガザはパレスチナ領土の不可分の一部」
記者会見で王毅外相は、ガザ地区について「ガザはパレスチナ人民に属し、パレスチナ領土の不可分の一部だ」と明言しました。この発言は、ガザの帰属をめぐる議論が続くなかで、パレスチナ側の権利と領土一体性を重視する姿勢を明確にしたものです。
中国外務省トップによるこうしたメッセージは、次のような点を示していると受け止められます。
- ガザを含むパレスチナの領土権を支持する立場の強調
- 国際社会が国連決議や国際法に基づき問題を扱うべきだというメッセージ
- 力による現状変更よりも、対話と政治的解決を優先すべきだという考え方
「正義・平和・発展」を掲げる中国の中東外交
王毅外相は同じ場で、中国は中東において「正義・平和・発展」をchampion(擁護)していると強調しました。抽象的な言葉に聞こえますが、それぞれには具体的な含意があります。
正義:パレスチナ問題での公平さ
ここでいう「正義」は、一方的な立場に与するのではなく、パレスチナ人民を含む中東の人々の正当な権利を尊重しようとする姿勢を指しています。中国は、国連憲章や関連決議に基づき、公平でバランスのとれた解決を求める立場だと繰り返し表明してきました。
平和:停戦と対話を最優先
「平和」は、武力衝突の停止と、当事者による直接対話の重視です。王毅外相の発言には、民間人への攻撃を避け、政治的・外交的な手段で緊張を和らげるべきだというメッセージが込められているといえます。
発展:紛争後を見据えた中長期的視点
「発展」は、戦闘の停止だけでなく、その後の復興や経済発展まで視野に入れたアプローチです。インフラ整備や人道支援、地域経済の連結などを通じて、安定した生活の基盤をつくることが、長期的な平和につながるという考え方です。
多極化する国際秩序の中での中国のメッセージ
今回の発言は、中東情勢が世界の安全保障やエネルギー、市場に大きな影響を与えるなかで、中国が自らの役割をどう位置づけているかを示すものでもあります。軍事力ではなく、対話と開発協力を通じて影響力を発揮しようとする姿勢は、多極化が進む国際秩序の一つの方向性とも重なります。
同時に、主要国のスタンスが分かれる中で、「どの立場が本当に現地の人々の安全と尊厳を守ることにつながるのか」という問いも、改めて突きつけられています。
日本とアジアにとっての含意
日本やアジアの国々にとっても、中東の安定はエネルギー安全保障や海上交通路、難民・人道問題などと直結しています。中国が中東で「正義・平和・発展」を掲げる中で、地域の国々はどのような形で関与し、協調や対話を進めていくのかが問われます。
- 中東和平プロセスを支える外交的な役割をどう果たすか
- 人道支援や復興支援を、政治的対立と切り離して継続できるか
- エネルギーや経済協力を通じて、地域の安定にどう貢献するか
ガザをめぐる発言を手がかりに、中国を含む各国のスタンスを丁寧に読み解くことは、今後の国際ニュースを追ううえでの重要な視点になりそうです。
Reference(s):
Chinese FM: China champions justice, peace, development in Middle East
cgtn.com








