中国全人代で立法と司法報告 2024年の成果と2025年の方針 video poster
中国の全国人民代表大会(NPC、全人代)の第14期第3回会議は、2025年3月8日に第2回全体会議を開き、2024年の立法と司法の仕事を総括しつつ、2025年の方針を示しました。本記事では、その主なポイントを日本語で整理します。
第2回全体会議の概要
今回の第2回全体会議では、全人代常務委員会、最高人民法院(SPC)、最高人民検察院(SPP)の業務報告が一括して審議されました。中国の立法と司法の「1年の決算報告」が、ここでまとめて示された形です。
会議には習近平国家主席のほか、李強国務院総理、王滬寧、蔡奇、丁薛祥、李希、韓正ら中国指導部のメンバーが出席しました。
- 全人代常務委員会の業務報告(趙楽際委員長)
- 最高人民法院の業務報告(張軍院長)
- 最高人民検察院の業務報告(応勇検察長)
全人代常務委員会: 憲法の実施と立法活動
趙楽際・全人代常務委員会委員長は、2024年の仕事を振り返り、憲法の実施を強化し、その権威と神聖さを守るために遵守状況の監督を進めたと報告しました。
立法面では、過去1年間に39件の立法案件を審議し、このうち24件を採択しました。その内訳には、新たな法律6件と、改正された法律14件が含まれます。立法件数の多さは、中国が法制度を通じて経済や社会の変化に対応しようとしていることを示しています。
また全人代は、国務院や国家監察委員会、最高人民法院、最高人民検察院からの計21本の報告を聴取・審議し、法律に基づく監督権を行使したとしています。立法だけでなく、施行状況をチェックする役割も意識的に強めていることがうかがえます。
さらに、代表(日本の国会議員にあたる立場)が法律に基づき職務を果たせるよう支援し、代表と国民とのつながりを保つ取り組みも強調されました。これは政策決定と現場の声をつなぐための仕組みづくりとも言えます。
報告ではあわせて、2025年に向けた全人代の仕事の計画も示されました。今後も憲法の実施や立法・監督活動を軸に、法制度の整備を進めていく方向性が打ち出されています。
最高人民法院: 4600万件超を受理
最高人民法院の張軍院長は、2024年に中国各級の裁判所が受理した事件は4600万件以上、終結した事件は4500万件以上で、いずれも前年とほぼ同水準だったと説明しました。膨大な事件数を処理し続けていることがわかります。
張院長は、各級裁判所が厳格かつ公正な司法の運用を通じて、国家の安全と社会の安定を守り、高品質な発展を促し、人々の生活の安定と向上を支えたと強調しました。
2025年については、法に基づく統治をあらゆる分野で推進し、より高いレベルの法に基づく社会主義国家の建設に、新たな一層大きな貢献をしていく方針が示されています。
最高人民検察院: 平安中国推進と民生の重視
最高人民検察院の応勇検察長は、過去1年間、各級検察院が平安中国の取り組みを一段と進め、人々の生活の改善などに取り組んできたと報告しました。平安中国は、社会の安定と治安、法に基づく秩序を総合的に高めることを目指す取り組みです。
2025年に向けては、検察機関の改革を一層深め、国家の発展と中華民族の偉大な復興への貢献を強めていくとしています。
日本の読者にとっての意味
全人代や最高人民法院、最高人民検察院の業務報告は、一見すると中国の内政の話に見えます。しかし、そこで示される立法や司法の方向性は、中国で事業を行う企業や、アジア全体の経済・社会の動きにも影響しうる重要なシグナルです。
- 立法のスピードとボリュームが高いこと
- 憲法の実施や法に基づく統治を強調していること
- 安全保障、経済発展、国民生活の安定を同時に追求していること
こうしたポイントを踏まえると、今後の中国の法制度やガバナンスの変化を追ううえで、全人代の年次会議は引き続き注目すべきイベントだと言えます。日本の読者にとっても、アジアの隣国でどのようなルールづくりと司法運用が進んでいるのかを知ることは、自らの視野を広げるきっかけになるでしょう。
Reference(s):
China's top legislature holds 2nd plenary meeting of annual session
cgtn.com








