中国の高齢者介護改革、目標は「すべての高齢者に基本的ケア」
中国の民政部(日本の厚生労働省に相当)の呂志源(Lu Zhiyuan)部長は、日曜日の記者会見で、高齢者介護サービスの改革・発展を進める最終的な目的は「すべての高齢者が基本的な介護サービスにアクセスできるようにすること」だと述べました。高齢化が進むなかで、どのような介護体制をつくろうとしているのか、その方向性が示された形です。
「学校」や「病院」と並ぶ社会インフラとしての介護
呂部長は「教育には学校があり、医療には病院があるように、高齢者介護にもそれに対応する機関が必要だ」と強調しました。高齢者介護サービスを、教育や医療と同じレベルの社会インフラとして整備していく方針です。
そのうえで、中国は都市と農村を含む全国で、高齢者介護のための三層構造のサービスネットワークづくりを加速させるとしています。地域差を縮めつつ、どこに住んでいても基礎的な介護を受けられる体制をめざすねらいとみられます。
在宅・コミュニティ・施設を組み合わせたサービス提供
呂部長は、高齢者介護サービスの提供体制について、次のような骨格を示しました。
- 在宅ケアを「基盤」とする
- コミュニティ(地域)ケアがそれを「支える」
- 専門的な介護施設によるケアを「下支え」とする
つまり、まずは自宅で暮らし続けられるよう支援し、必要に応じて地域のサービスや専門施設のケアを組み合わせる多層的なモデルです。また、医療と介護のサービスを組み合わせる「医療・介護連携」を進める方針も示しました。病気の治療と日常生活の支援を切れ目なく提供することで、高齢者と家族の負担軽減を図る狙いがあります。
改革を支える5つの要素
呂部長は、高齢者介護サービスの改革・発展を支える要素として、次の5点を挙げました。
- 高齢者介護の計画:中長期的な視点で介護サービスの配置や整備を進めるための計画づくり
- 財政的支援:公的な資金投入などを通じた介護サービスへの安定した財政サポート
- 人材育成:介護や医療に携わる専門人材を継続的に育てるための仕組み
- 介護ファイナンス:介護関連の保険や金融商品の整備など、資金の流れをつくる仕組み
- 介護テクノロジー:特に情報技術(IT)を活用した見守りやサービスの効率化
とくに「介護テクノロジー」では、デジタル技術や情報システムの活用が強調されました。遠隔での健康モニタリングや、オンラインでの相談・支援、高齢者データの一元管理など、ITを取り入れた介護モデルが想定されます。
アジアの高齢化に向き合う一つのモデルに
日本を含むアジア各国では、高齢化が共通の課題となっています。中国の今回の方針は、在宅・地域・施設を組み合わせ、医療と介護を連携させながら、ITも活用していくという点で、地域は違っても参考になる部分が多いといえます。
「すべての高齢者が基本的な介護サービスにアクセスできるようにする」という明確な目標を掲げた中国の動きは、今後のアジア全体の高齢者政策を考えるうえでも、注目しておきたいテーマです。
Reference(s):
China's reform of elderly care is to ensure all have access: official
cgtn.com








