中国が2025年の雇用支援を強化へ 若者と農村労働者をどう支えるか
中国の王暁萍・人力資源社会保障相は日曜日、2025年に雇用支援のための資源と資金投入を一段と拡大し、「雇用にやさしい発展モデル」の構築を進める方針を示しました。若者から農村労働者まで幅広い層の雇用をどう支えていくのかが、国際ニュースとしても注目されています。
北京で示された「雇用重視」戦略
王相は、北京で開かれている第14期全国人民代表大会(全人代)第3回会議期間中の「民生」関連記者会見で発言しました。今年の政府活動報告では、より積極的なマクロ経済政策を打ち出し、「人への投資」を重視することで、経済成長と雇用の双方を下支えする方針が示されています。
王相は、こうした政策によって財政・金融などの資源を「人」に向けて重点的に配分することで、雇用創出と雇用の安定に対する支援が一段と強まると説明しました。
ポイント整理:中国の雇用支援はどこに向かうのか
今回の発言から見える、2025年の中国の雇用政策の焦点は次のように整理できます。
- 雇用支援のための資源・資金投入を拡大し、「雇用にやさしい発展モデル」を構築
- 大学卒業予定者1,222万人や、貧困から脱した人々3,000万人超の雇用を重視
- 農村出身の出稼ぎ労働者の安定的な就業を支援
- 若者のイノベーションや起業をテコに、雇用拡大の「乗数効果」をねらう
- 高齢の農村労働者に対する職業訓練やサービス支援を強化
大学卒業生1,222万人と3,000万人超の雇用をどう支えるか
王相によると、2025年には大学卒業予定者が1,222万人に達する見通しです。これに加え、貧困から脱した人々の雇用規模を3,000万人以上に維持する必要があると指摘しました。さらに、多くの農村出身の出稼ぎ労働者についても、安定した雇用機会を確保することが課題となっています。
中国の巨大な労働市場では、こうした人々が安定した仕事に就けるかどうかが、家計の安定だけでなく、消費や地域経済の活力にも直結します。王相は、雇用支援プログラムを組織的に実施し、人材と仕事のマッチング効率を高める必要性を強調しました。
高品質な発展と「雇用にやさしい」経済モデル
王相は、中国の「高品質な発展」が着実に進むなかで、多くの新技術や新製品、新しいサービスの場面が生まれ、多様な消費ニーズが広がっていると説明しました。こうした変化は、企業や個人の起業意欲を刺激し、ビジネスの主体とイノベーション型の起業活動の活力を引き出しているとしています。
そのうえで、これらの動きが雇用を安定・拡大させるための土台になっていると述べ、今年1〜2月の統計では、雇用情勢が「良いスタート」を切ったとの認識を示しました。
起業で雇用を生む「乗数効果」に期待
王相は、雇用を増やすうえで起業の役割を重視し、「起業による雇用の乗数効果」を引き出す必要があると指摘しました。特に、次のような層を中心に支援を行うとしています。
- 若者のイノベーションやスタートアップ(新興企業)の立ち上げ
- 農村から都市に働きに出ていた労働者が帰郷して行う起業
地域に根ざした起業が増えれば、新たな雇用が地元で生まれ、若者や農村労働者が地元にとどまりながら収入を得る選択肢も広がります。王相は、こうした動きを後押しすることで、雇用拡大の効果を高めていきたい考えを示しました。
若者と高齢労働者への新たな支援策
王相は、中国が今年、新たな若者雇用支援の政策パッケージを打ち出す方針であることも明らかにしました。対象には大学卒業生を含む若者全般が想定されており、就職や起業に向けた支援が強化される見通しです。
あわせて、高齢の農村労働者に対するサービス提供や職業訓練、就業支援も強化するとしています。職業スキルを高め、安定した仕事に就く機会を広げることで、所得向上につなげるねらいです。
日本から見る中国の雇用政策の意味
中国の雇用政策は、中国国内の人々の暮らしに直結するだけでなく、日本を含む周辺国の経済にも少なからず影響します。雇用が安定し、若者や農村地域の所得が増えれば、消費市場としての存在感が高まり、国際的なビジネス機会も広がる可能性があります。
一方で、大学卒業生1,222万人という規模や、数千万人単位の人々の雇用を安定させる取り組みは、世界のどの国・地域にとっても参考になるテーマです。人への投資をどう進めるのか、起業をどう雇用につなげるのか――中国の試みは、アジアの雇用政策や人材戦略を考える上で、今後も注目されそうです。
Reference(s):
Minister: China to step up resources, funding to support employment
cgtn.com








