中国で住宅コミュニティ28万カ所改修 都市更新はどこまで進んだ?
2019年以降、中国で28万カ所の住宅コミュニティが改修されたことが、住宅・都市農村建設相のニ・ホン氏の発表で明らかになりました。都市更新プロジェクトは、どこまで進んでいるのでしょうか。
2019年からの都市更新で28万カ所を改修
中国の住宅・都市農村建設省によると、2019年以降、中国各地で合計28万の住宅コミュニティが改修されました。ニ・ホン氏は、日曜日に開かれた記者会見でこの数字を示しました。
ここでいう住宅コミュニティとは、団地や集合住宅エリアなど、住民がまとまって暮らす生活空間を指します。老朽化した建物やインフラをまとめて更新することで、暮らしの質を底上げする狙いがあります。
「住みやすく・スマートで・強い都市」に
ニ・ホン氏は、都市更新プロジェクトの目的は、都市をより住みやすく、スマートで、レジリエントなものにすることだと説明しました。レジリエントとは、災害や感染症、経済のショックなどに対してしなやかに立ち直れる強さを意味します。
具体的には、古い設備の更新だけでなく、デジタル技術を活用した管理システムの導入や、防災・減災を意識した設計などを通じて、都市全体の質を高めることが目標とされています。
住民の「切実なニーズ」をどう捉えるか
ニ・ホン氏は、各地の住宅団地やコミュニティで、住民が今まさに困っていること、将来に向けた不安を丁寧に拾い上げる必要があると強調しました。同時に、持続可能な都市づくりの「弱点」を見つけ出し、重点的に補強していくことも課題だとしています。
高齢化の進行や自動車の増加、共働き世帯の一般化など、生活スタイルの変化によって、必要とされるインフラやサービスは大きく変わります。上から一律のメニューを当てはめるのではなく、地域ごとの事情に合わせた都市更新が求められています。
エレベーター、駐車場、高齢者・子ども向け施設を拡充
こうしたニーズに対応するため、今後の都市更新では、次のような設備の拡充が重点になると説明されています。
- エレベーターの新設・増設
- 駐車スペースの拡大
- 高齢者向けのサービス施設
- 子どもの預かりや遊び場などの保育関連施設
特に階段のみの中層住宅では、高齢者にとってエレベーターの有無が生活のしやすさを大きく左右します。また、自動車の保有台数が増える中で、駐車スペース不足は多くの都市で共通の悩みとなっています。子どもや高齢者を支える施設の整備も、コミュニティの持続可能性を高めるうえで欠かせません。
2025年にさらに5万カ所を改修へ
ニ・ホン氏は、2025年には5万カ所の老朽化した住宅団地を改修する計画も示しました。これにより、2019年以降続いてきた都市更新の動きが、今年も引き続き加速することになります。
老朽住宅の改修は、単に見た目を新しくするだけではなく、エネルギー効率の向上やバリアフリー化、防災性能の強化などを通じて、長期的なコスト削減と安全性の向上にもつながると期待されています。
日本の読者にとっての気づき
中国の都市更新は、規模こそ違いますが、高齢化やインフラの老朽化といった課題に向き合うという点で、日本とも共通するテーマを多く含んでいます。
どのようにして住民の声を政策に反映させるのか。エレベーターや駐車場といった身近な設備から、都市全体のレジリエンスまで、どこに優先的に投資を行うのか。今後の動きは、日本の都市政策や地域再生を考えるうえでも、比較や参考の材料になりそうです。
国際ニュースとしての数字のインパクトに注目するだけでなく、「自分が暮らす街では何が足りていないのか」という問いを投げかけてくれる事例としても、今回の都市更新プロジェクトを見ていくことができそうです。
Reference(s):
280,000 residential communities revamped in China since 2019: ministry
cgtn.com








