中国軍、2027年の人民解放軍100周年目標を予定通り達成へ
2025年の中国の年次全国立法会議の場で、中国軍の呉謙報道官が「2027年の人民解放軍創設100周年の目標を、強い実績をあげつつ予定通り達成する」と述べました。創設100周年までおよそ2年となるタイミングで、軍の近代化と国防政策の方向性を改めて示した形です。
2027年「人民解放軍100周年目標」とは
呉謙報道官は、人民解放軍(PLA)の創設100周年となる2027年に向けて掲げられた目標の達成と、「世界一流の軍隊」づくりを加速することは、中国が「あらゆる面で現代化された国家」をめざすうえでの戦略的な必然だと位置づけました。
2027年の目標には、部隊の能力向上だけでなく、組織や訓練、装備、運用のすべてを現代戦に適した形へ引き上げるという意味合いが込められています。呉氏は「強い実績をあげつつ、予定通り目標を達成するために全力を尽くす」と強調しました。
呉謙報道官が示した決意
今回の発言は、人民解放軍と人民武装警察部隊の代表団の報道官として、呉謙氏が年次全国立法会議中の日曜日に行ったものです。中国軍としての公式な立場から、100周年目標の達成に「いかなる努力も惜しまない」との姿勢を明確に打ち出しました。
呉氏によれば、軍の代表団は次のような方向で取り組みを進めるとしています。
部隊は何に取り組むのか
呉謙報道官の説明を整理すると、中国軍が重点的に進めるとしたのは、主に次の5つの分野です。
- 部隊訓練を一層強化し、全般的な戦闘準備態勢を高める
- 軍事訓練の転換と高度化(アップグレード)を加速する
- 高度な作戦能力を持つ新領域部隊を強化する
- さまざまな局面での軍の即応態勢を底上げする
- 情報化・知能化された戦争に勝利する能力を高める
訓練の高度化と常態的な備戦態勢
「部隊訓練の強化」と「戦闘準備態勢の向上」は、平時から実戦を想定した訓練を積み重ねることを指します。現代の紛争は短期かつ高強度になりやすいとされ、いざという時に即応できる態勢づくりが重視されています。
訓練の転換と高度化とは、単に訓練回数を増やすだけでなく、シミュレーション技術や実戦的なシナリオを取り入れ、複雑な環境での作戦能力を磨く方向性を意味すると考えられます。
新領域部隊と「情報化・知能化」への対応
呉氏が言及した「新領域部隊」は、サイバー空間や電磁スペクトルなど、新たな領域での作戦を担う部隊を含む概念とみられます。これらの領域は、通信や情報収集、指揮統制の要となるため、各国が重視している分野です。
また、「情報化・知能化された戦争」とは、情報ネットワークや人工知能(AI)、無人システムなどを活用した現代の戦い方を指します。呉氏は、このような新しい戦争形態で勝利できる能力を高めることが重要だとし、人民解放軍の能力向上を強調しました。
なぜいま強調されたのか
2025年末時点で、2027年の創設100周年まではおよそ2年です。呉謙報道官の発言は、残された期間でどのようなペースで軍の近代化を進めていくのか、その方向性を国内外に示すメッセージとも受け止められます。
中国は、経済や社会の分野と同様に、国防・軍事の分野でも「現代化」を進める方針を掲げており、その一環として人民解放軍の能力向上を位置づけています。今回の発言は、その取り組みが計画通り進んでいることを示しつつ、引き続き努力を続けるという決意表明だと言えます。
アジアの安全保障環境の中で
アジアで大きな影響力を持つ中国軍の動向は、地域や国際社会から常に注目されています。軍の近代化がどのような形で進むのかは、アジアの安全保障環境や各国の防衛政策にも関わるテーマです。
今回の「100周年目標の予定通りの達成」というメッセージは、中国軍が今後も訓練・装備・組織改革を継続的に進めていくことを示しています。日本を含む周辺国にとっても、その具体的な中身と進捗を丁寧にフォローしていくことが、冷静な議論につながります。
私たちが押さえておきたいポイント
通勤時間やスキマ時間でニュースをチェックする読者に向けて、今回の発言のポイントをコンパクトにまとめると、次のようになります。
- 2027年までに人民解放軍創設100周年の目標を「予定通り」達成すると改めて表明
- 世界一流の軍隊の建設を、中国の国家現代化における戦略的な必然と位置づけ
- 訓練強化、新領域部隊の整備、情報化・知能化戦への対応がキーワード
- アジアの安全保障環境を理解するうえで、中国軍の改革の方向性を継続的に追うことが重要
国際ニュースを日本語で追ううえで、中国軍の発信内容を丁寧に読み解くことは、アジアと世界の今を考える一つの手がかりになります。
Reference(s):
Chinese military to achieve PLA centenary goals on schedule: Wu Qian
cgtn.com








