中国が高端設備の非破壊検査イノベーションセンター設立 スマート製造を後押し
中国が北京に高端設備の非破壊検査センター スマート製造を支える新拠点
中国が北京に、高端設備の非破壊検査(NDT)を専門とする国家イノベーションセンターを立ち上げました。スマート製造や航空宇宙など、先端産業の安全性と信頼性を支える基盤づくりが進んでいます。
国家市場監督当局の下で進む「知能化検査」
人民日報の報道によると、新たなセンターは中国の市場監督を担うState Administration for Market Regulation(国家市場監督管理当局)の下に設置されました。主な支援機関は、中国航天科工集団(China Aerospace Science and Industry Corporation Limited:CASIC)の防衛技術研究試験センターです。
センターは、高端設備向け非破壊検査の分野で、先端的・破壊的・共通基盤となる技術の研究を進め、国全体の検査技術の底上げを図るとされています。ここでいう非破壊検査とは、材料や設備を壊さずに内部の欠陥や劣化を調べる技術のことです。
高度化する設備と「見えないリスク」への対応
イノベーションセンターの董事長であり、CASIC防衛技術研究試験センターの主任でもある李紅民氏は、現代の高端設備の変化を次のように指摘しています。
航空宇宙製品、原子力設備、大型橋梁構造といった高端設備が急速に高度化するなかで、新素材の導入、新しい製造プロセス、そしてインテリジェント製造の広がりが、監視と評価の面で新たな課題をもたらしているということです。
こうした課題に対し、センターは高度な非破壊検査技術を開発すると同時に、検査プロセスの知能化(AIなどの活用)、情報化(データの一元管理やデジタル化)、標準化(共通の規格づくり)を進め、これまで手つかずだった分野のギャップを埋めていく方針です。
46機関が参加する産学研の共同プラットフォーム
今回の非破壊検査イノベーションセンターの特徴は、単独の研究機関ではなく、産業界・大学・研究機関を巻き込んだ共同プラットフォームとして構築されている点です。
人民日報によれば、センターには西安交通大学、ハルビン工業大学、中国特種設備検験研究院など、46の有力機関が参加し、技術ブレークスルーと業界標準の高度化をめざす連合体を形成しています。
このような体制により、現場のニーズに根ざした研究テーマの設定や、試験データ・設備の共有、人材育成などが同時並行で進めやすくなります。スマート製造の現場で求められるスピードに、研究開発と標準化をどう追いつかせるかという課題への、一つの回答といえます。
スマート製造と国際競争力への波及効果
中国はここ数年、スマート製造や高度な産業機械の分野で国際競争力を高めようとしており、高端設備の非破壊検査技術はその土台となる領域です。製品の内部まで高精度に検査できることは、安全性の確保だけでなく、不良の早期発見や生産効率の改善にも直結します。
今回の国家イノベーションセンター設立は、こうした分野での技術開発と標準づくりを加速させる動きとして位置づけられ、国際ニュースの観点からも注目の出来事です。今後、航空宇宙やエネルギー・インフラの安全運用だけでなく、世界のサプライチェーンにおける信頼性向上にもどうつながっていくのか、引き続き動向を追う必要があります。
Reference(s):
China launches innovation hub for high-end equipment testing
cgtn.com







