体操種目別W杯バクーで中国若手が銀3銅1の健闘
アゼルバイジャンの首都バクーで行われた国際体操連盟(FIG)主催の「体操種目別ワールドカップ」が現地時間の日曜日に閉幕し、中国代表は銀メダル3個、銅メダル1個を獲得しました。若手中心の編成で臨んだ中国にとって、2028年ロサンゼルス五輪を見据えた一歩となる大会でした。
バクー大会で中国が4個のメダルを獲得
今大会は、種目ごと(つり輪、跳馬、平均台、床運動など)に演技を競う「種目別」ワールドカップです。中国は4人の選手を派遣し、そのうち3人がメダル獲得に成功しました。
派遣された4人のうち、大きな国際大会の経験があったのはホアン・ミンチー(Huang Mingqi)ただ1人でした。他の3人にとっては、新しい採点ルールへの対応に慣れつつ、2028年ロサンゼルス五輪を見据えて実戦経験を積む絶好の機会となりました。
若手主体の中国代表 誰がどの種目でメダルを取ったのか
今大会でメダルを獲得した中国選手は次の通りです。
- メン・ジーウェイ(Meng Zhiwei・23歳):男子つり輪 銀メダル(13.800点)
- ホアン・ミンチー(Huang Mingqi):男子跳馬 銀メダル
- チュー・イーミン(Chu Yiming・15歳):女子平均台 銀メダル(13.266点)
- チュー・イーミン(Chu Yiming):女子床運動 銅メダル(12.766点)
経験豊富なホアンに加え、20代前半と10代半ばの若手が結果を残したことで、中国代表の次世代を担う顔ぶれが見え始めた大会だったと言えます。
男子:メンがつり輪で銀 ホアンは跳馬でわずか0.05点差の惜敗
つり輪:予選4位から本番でギアを上げて銀メダル
メン・ジーウェイは男子つり輪で、予選を4番手の成績で通過しました。決勝では演技内容をさらに引き上げ、13.800点をマークして銀メダルを獲得しました。
金メダルは地元アゼルバイジャンのニキータ・シモノフ(Nikita Simonov)が14.233点で手にし、銅メダルにはアメリカのアレックス・ディアブ(Alex Diab)が入りました。予選から決勝にかけて得点を伸ばしたメンの演技は、国際舞台での対応力と集中力の高さを示す内容でした。
跳馬:トップ通過のホアンが着地に苦しみ銀
男子跳馬では、ホアン・ミンチーが予選で14.300点を出し、全体トップで決勝に進みました。しかし決勝では着地にやや乱れが出てしまい、わずか0.05点差で金メダルを逃しました。
優勝したのはウクライナのナザル・チェプルニー(Nazar Chepurnyi)。ホアンはわずかな差で2位となり、銅メダルにはベラルーシのヤホル・シャラムコウ(Yahor Sharamkou)が続きました。
「0.05点」という紙一重の差は、着地の一歩や姿勢の乱れがそのまま勝敗に直結する体操の厳しさを物語っています。同時に、ホアンが世界トップと十分に競り合える実力を持っていることも示しました。
女子:15歳チュー・イーミンが平均台銀、床で銅
平均台:難度5.7の構成で堂々の2位
15歳のチュー・イーミンは、女子平均台の決勝で難度(Dスコア)5.7という高い構成に挑戦し、13.266点をマークして銀メダルを獲得しました。
金メダルは13.433点を出した日本の中村春香(Haruka Nakamura)が手にし、ハンガリーのグレタ・マイヤー(Greta Mayer)が銅メダルでした。高い難度に挑みつつも、大きなミスなくまとめたチューの演技は、会場の観客を印象づける内容だったといえます。
平均台は「落下一つで順位が大きく変わる」と言われる難しい種目ですが、10代半ばの選手がこの舞台で安定した演技を見せたことは、中国女子体操にとって大きな収穫です。
床運動:日本勢に次ぐ3位でメダルを追加
チューはその勢いのまま女子床運動の決勝にも出場し、12.766点を挙げて銅メダルを獲得しました。金メダルは日本の岸璃奈(Rina Kishi)、銀メダルは同じく日本の徳杉歩(Ayu Tokutsugi)が手にしました。
一大会で銀と銅の2つのメダルを手にしたことで、チューは将来のエース候補として強い存在感を示しました。跳躍力や表現力を求められる床運動でも世界の上位と渡り合えたことは、今後の成長に向けた自信につながりそうです。
女子で日本勢が存在感 アジアのライバル関係にも注目
今大会の女子種目では、日本選手が平均台と床運動で金メダル2個、銀メダル1個を獲得し、アジア勢のレベルの高さを印象づけました。
平均台では日本の中村春香がチューを抑えて優勝し、床運動では岸璃奈が金、徳杉歩が銀を獲得しました。中国と日本の選手が同じ決勝でしのぎを削る構図は、今後もアジアの体操界をけん引していく組み合わせとして注目を集めそうです。
こうした地域内の競争は、お互いのレベルを押し上げる要因にもなります。国際大会のたびに、演技の難度や完成度がどう進化していくのかを追いかけることは、体操ファンにとっても大きな見どころです。
2028年ロサンゼルス五輪へ 今大会が示した課題と手応え
中国代表は今大会で金メダルこそ逃したものの、若手中心で銀3個、銅1個という結果を残しました。これは、世代交代と将来を見据えた強化が着実に進んでいることを示すものでもあります。
一方で、男子跳馬のホアンに見られたように、演技そのものの難度だけでなく、着地や細かな姿勢の安定といった「減点をどれだけ抑えられるか」という点が、今後の大きな課題として浮かび上がりました。
- 若手選手が新ルール下でどこまで安定した演技を続けられるか
- 難度と安全性、安定感のバランスをどう取っていくか
- アジアや欧米の強豪と競い合う中で、表現力や構成をどう磨くか
今回のバクー大会は、中国の若手にとって、国際舞台で自分の位置を確かめる「テストの場」となりました。2028年ロサンゼルス五輪に向けて、こうした経験をどのように積み重ねていくのか。次の国際大会での演技にも注目が集まりそうです。
Reference(s):
China get 4 medals at Artistic Gymnastics Apparatus World Cup in Baku
cgtn.com








