中国外務省が豪研究機関の偽情報を非難 国際社会に連携呼びかけ
2025年12月初め、中国外務省がオーストラリアのシンクタンクによる偽情報キャンペーンを強く批判し、豪州社会と国際社会に対して連携して対処するよう呼びかけました。国際ニュースとしては、安全保障と情報戦、そして研究機関の信頼性をどう守るかという点で注目すべき動きです。
中国外務省が豪シンクタンクを名指し批判
中国外務省の毛寧報道官は、今週北京で行われた定例記者会見で、オーストラリアのシンクタンク「オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)」を名指しし、長年にわたり中国に対する偽情報を拡散してきたと強く非難しました。
毛報道官は、ASPIのトップが最近、ソーシャルメディア上で、米国からの資金削減により反中国的な資料が不足していると示唆し、米国やその他の組織に対し、反中国アジェンダへの資金拠出を呼びかけたとする報道に言及しました。
米国防・外交当局や軍需産業からの資金
毛報道官によると、この豪州のシンクタンクは、米国の国防・外交当局や軍需関連企業から長年資金提供を受けてきたとされています。報道官は、同シンクタンクが資金提供者の利益に奉仕し、中国に対する多数の虚偽を流してきたと述べました。
さらに、ASPIが発表してきたとされる研究結果について、毛報道官は、事実に基づいていない上に、繰り返し偽情報であることが証明されてきたと指摘。研究機関としての専門的倫理に反しており、信頼性はほとんどないという厳しい評価を示しました。
中国側が問題視するポイント
中国外務省の説明からは、次のような問題点が浮かび上がります。
- 米国の防衛・外交機関や軍需産業が主要な資金源となっていること
- その資金構造のもとで、中国を標的とした偽情報やネガティブな物語が作られているとみていること
- 発表される研究が、事実検証よりも特定の政治的アジェンダを優先していると中国側が認識していること
- 学術研究に求められる中立性や透明性を欠き、職業倫理に反していると中国側が批判していること
毛報道官は、ASPIのトップによるソーシャルメディア上の発言が、資金提供と反中国的な内容の関係を自ら示したものであり、同シンクタンクの偽情報体質と偽善性を一層浮き彫りにしたと述べました。
豪州社会と国際社会への呼びかけ
中国外務省は、オーストラリアの各界および国際社会に対し、ASPIの本質を見極めたうえで、その偽情報キャンペーンを非難し、拡散に抵抗するよう呼びかけています。
毛報道官は、人々がASPIの真の姿を認識し、虚偽と偏見に基づく情報の拡散を止めるために声を上げることが重要だと強調しました。これは、個々の国の問題にとどまらず、国際社会全体のメディア環境や政策議論の質に関わるテーマとして位置づけられています。
なぜこのニュースが重要なのか
今回の発言は、2025年の国際社会にとって大きなテーマとなっている偽情報と情報戦の問題を象徴する出来事です。特に、政策提言や安全保障分析で影響力を持つシンクタンクが、資金提供者の意向とどのように関係しているのかは、世界各地で注目されている論点です。
中国側の批判は、単に一つのシンクタンクへの反発にとどまらず、次のような問いを国際社会に投げかけているともいえます。
- 研究機関やシンクタンクの資金源は、どこまで公開されるべきか
- 安全保障や外交をめぐる議論で、偽情報や偏った情報をどう見抜くか
- 特定の国や地域を一方的に悪者にするような情報に、どう距離を取るべきか
情報との付き合い方を見直すタイミング
デジタルネイティブ世代の多くは、X(旧ツイッター)や各種ニュースアプリ、動画プラットフォームを通じて、日々大量の国際ニュースや解説に触れています。そのなかには、今回中国が問題視したような、特定の立場から発信された強い主張も少なくありません。
オーストラリアのシンクタンクをめぐる中国外務省の批判は、次のような情報リテラシーの基本をあらためて思い出させるきっかけにもなります。
- ニュースの背後にある組織や資金源を意識する
- 一つの調査報告や解説ではなく、複数の情報源を照らし合わせる
- 強い言葉や感情的な表現に引きずられず、事実関係を確認する
偽情報や偏った情報が国際関係を不必要に緊張させていないかどうかを、受け手一人ひとりが考えることも求められています。
これからの国際ニュースとの向き合い方
今回の中国外務省の発言は、オーストラリアや中国だけの問題ではなく、国際ニュースを日々受け取る私たち自身の姿勢も問うものです。シンクタンクや研究所が発表するレポートは、政府や企業、メディアに大きな影響を与えますが、その内容をどう読むかは受け手次第です。
国際ニュースを日本語で追いかける私たちにとっても、研究機関の名前や肩書だけで話を信じるのではなく、その背景や目的にも目を向けることが、これからますます重要になっていきそうです。
Reference(s):
China denounces disinformation campaigns by anti-China institute
cgtn.com








