中国の砂漠化防止が加速 2023年以降で約500万ヘクタールを保全 video poster
リード:中国の森林造成と砂漠化防止キャンペーンが、2023年以降で大きく前進しています。自然資源相が最新の成果として、約500万ヘクタールの土地が砂漠化から守られたと明らかにしました。
中国の自然資源相グアン・ジオウ(Guan Zhi'ou)氏は、第14期全国人民代表大会(全人代)第3回会議の閉幕後に行われたインタビューで、国家プロジェクトである「三北防護林」について質問を受け、2023年以降の取り組み状況を説明しました。
グアン氏によると、国務院の指導のもと、複数の地域や部門、公営・民営の企業が連携し、「過去1年余り」で7,600万ムー(約500万ヘクタール)を超える土地を砂漠化からコントロールすることに成功したといいます。これは「三北防護林」プロジェクトにとって大きな前進だと強調しました。
砂漠化防止とエネルギー開発を両立
今回の報告では、砂漠化防止の新しい手段として、太陽光発電所(光伏発電)や道路建設などのインフラ整備が重要な役割を果たしている点も示されました。砂地に太陽光パネルを設置し、周辺で植林や草地回復を進めることで、土地の保全と再生可能エネルギーの供給が同時に進んでいます。
こうした取り組みは、環境保全だけでなく、地域社会にも具体的な利益をもたらしているとされています。グアン氏は、新たな砂漠化防止策が現地の人々に社会的・経済的なメリットを生み出していると述べました。
内モンゴルで20万人超に収入機会
具体例として、北部の内モンゴル自治区では、造林や緑化に参加した地域住民に対し、15億元(約2億700万ドル)規模の対価が支払われました。この取り組みにより、20万人を超える人々が賃金を得る機会を手にしたとされています。
砂漠化防止と雇用創出を組み合わせることで、生態環境の改善と生活の安定を同時に目指すモデルが形になりつつあります。従来は環境対策と経済成長が対立する構図で語られがちでしたが、今回の事例は両立の可能性を示すものといえます。
なぜ中国の砂漠化対策が注目されるのか
砂漠化は、農地や牧草地の喪失、水資源の悪化、砂嵐の増加などを通じて、人々の暮らしに長期的な影響を及ぼす環境問題です。乾燥地帯を多く抱える国では特に重要な課題とされており、中国本土での対策強化は、周辺地域や国際社会にとっても注目の対象となっています。
国家プロジェクトの「三北防護林」は、長期にわたる森林造成・砂漠化防止の取り組みとして位置付けられてきました。今回示された数字は、そのプログラムが一つの節目を迎えつつあることを示唆しています。
これから問われる「持続可能な成果」
一方で、砂漠化防止は短期間で完了する事業ではなく、植えた木を維持し、土地の利用方法を変えていくための継続的な取り組みが不可欠です。今回の成果を長期的なものにしていけるかどうかは、今後も地域住民の参加をどう支え、安定的な収入と結びつけていけるかにかかっています。
中国本土で進む砂漠化対策とエネルギー開発の組み合わせは、環境と経済の両立を模索する他の国・地域にとっても参考になり得ます。数字の大きさだけでなく、「緑を増やしながら、人々の暮らしも豊かにする」試みとして、今後の展開を追っていく価値がありそうです。
Reference(s):
China's anti-desertification work makes significant progress: official
cgtn.com








