中国「両会」で生態保護が主役に 全国政協で604件の提案
中国の全国人民代表大会(全人代)と中国人民政治協商会議(全国政協)による「両会」では、今年(2025年)、生態保護や環境政策が大きな焦点となっています。全国政協委員や全人代代表からは、中国の生態保護をさらに前に進めるための提案が相次いでいます。
生態保護は依然として「ホットトピック」
生態保護は、今年の両会でも最も注目されるテーマの一つです。全国政協委員と全人代代表は、生態系の保全や環境汚染の防止などを含む「生態保護」をめぐり、多くの提言や意見を示しました。
こうした動きは、中国が経済成長と環境保護の両立を重視し、「生態文明」の構築を長期的な課題として位置づけていることを反映しているといえます。
第14期全国政協第3回会議で604件の「生態文明」提案
月曜日に閉幕した第14期全国政協第3回会議には、「生態文明」に関する提案が604件提出されました。これは、会期中に提出された全提案の12.1%を占めています。
つまり、およそ8件に1件が生態文明や生態保護に関連する内容だった計算になり、環境分野が政策議論の中心に食い込んでいることが分かります。
「生態文明」とは何か
中国で使われる「生態文明」という言葉は、単なる環境保護にとどまらず、エネルギー利用、産業構造、都市計画、生活スタイルまでを含めて、自然と共生する社会を目指す理念を指します。
今回の604件の提案も、
- 大気・水質・土壌などの環境汚染対策
- 自然保護区や生態系の保全
- 再生可能エネルギーの活用や省エネの促進
- グリーン産業の育成や地域経済との両立
といった幅広いテーマをカバーしているとみられます。
政策形成の「前線」としての両会
両会は、中国の今後1年の政策の方向性を占う重要な政治日程です。その場で、生態保護に関する提案がこれだけ多く出されたという事実は、環境分野が引き続き政策の最重要課題の一つであることを示しています。
全国政協委員や全人代代表が提出する提案は、直ちに法律や制度になるわけではありませんが、政府の政策立案や関連部門の検討の土台となることが多いとされています。604件という数字は、今後の政策議論の「厚み」を象徴するものと言えるでしょう。
生態保護をめぐる今後の注目ポイント
今回の両会で示された生態保護への関心の高まりを踏まえると、今後は次のような点が注目されます。
- 提案された生態文明関連の604件のうち、どの分野が重点的に採り上げられるのか
- 地方政府レベルでの環境対策や生態保護プロジェクトへの具体的な反映
- 環境保護と経済成長を両立させるための新たな制度設計
生態保護は、中国国内だけでなく、地球規模の気候変動や生物多様性の課題とも直結しています。両会での議論や提案がどのように具体的な政策に落とし込まれていくのかは、国際社会にとっても重要な関心事となりそうです。
日本の読者にとっての意味
日本でも、脱炭素や自然保護、循環型社会づくりが重要なテーマとなっています。中国の両会で生態保護に関する提案が多く出されていることは、アジア全体でグリーン転換が進んでいる流れの一端として捉えることができます。
今後、日中間やアジア地域での環境協力や技術連携がどのように進むのかを考える上でも、中国の両会での生態保護をめぐる動きは、日本のビジネスパーソンや学生にとっても注視すべきトピックと言えるでしょう。
Reference(s):
NPC deputies, CPPCC members advocate for ecological protection
cgtn.com








