中国全人代代表が語る「農村・農業は若者のチャンスの宝庫」 video poster
農村や農業は、若者にとって大きな可能性を秘めたフィールドだ――。中国で開かれている第14期全国人民代表大会(NPC)の第3回会議で代表を務めるZhao Zhao氏が、農村と農業のポテンシャルについて強調しました。中国ニュースや国際ニュースとしてだけでなく、若者のキャリアや地方の未来を考えるうえで示唆に富む発言です。
「農村と農業はチャンスの宝庫」 第14期NPCでのメッセージ
Zhao Zhao氏は、第14期全国人民代表大会(NPC)第3回会議の団体インタビューで、若者と農村の関わり方について問いかけました。彼女は、中国中部・南陽市に拠点を置くNanyang Yamin Agriculture and Animal Husbandry Co., Ltd.の総経理(ジェネラルマネジャー)であり、現場を知る経営者でもあります。
「農村と農業は、若者にとってチャンスにあふれた分野です」と語るZhao氏。人口流出や高齢化が進みやすい農村にこそ、若い人材が活躍できる余地が大きいというのが彼女の見方です。この発言は、中国ニュース・国際ニュースの文脈を超え、各国で共通する『地方と若者』というテーマにもつながります。
都市から故郷へ 50頭から4,000頭の牧場へと成長
1984年生まれのZhao Zhao氏は、かつては都市で働いていました。しかし2008年、彼女はその仕事を離れ、中国中部の故郷・南陽市に戻る決断をします。そこで始めたのが、わずか50頭の牛を飼育するところからのスタートでした。
それから年月をかけて事業を拡大し、現在では同社が管理する牛の頭数は4,000頭を超える規模にまで成長しました。都市部の会社員から、故郷の農業・畜産を支える経営者へ――このキャリアの転換そのものが、彼女の言う「農村はチャンスの宝庫」というメッセージを体現しています。
Zhao氏は「この決断は、衝動的なものではありませんでした」と振り返ります。都市と農村を行き来する中で、生活環境や発展度合いのギャップを見続けたことが、故郷に戻る決意を固めるきっかけになったといいます。
「出ていく」のではなく「戻って変える」 大学教育世代への呼びかけ
インタビューの中でZhao氏が特に強調したのは、大学教育を受けた若い世代の役割です。彼女は次のような趣旨のメッセージを伝えました。
- 私たちの世代の目標は、「発展が遅れた故郷から逃げ出すこと」ではない。
- むしろ、故郷に戻り、その立ち遅れた部分を自らの手で変えていくことこそが大切だ。
山あいの地域から出発し、今は人民大会堂という国家の重要な舞台に立つに至った自身の歩みを振り返りながら、Zhao氏は「農村を美しいふるさとにし、農業を活力ある産業にし、農業者を魅力的で尊敬される職業にしたい」と語りました。これは、単なるビジネスの成功ではなく、「地方のあり方」そのものを変えていこうとする決意の表明とも言えます。
若者に開かれた農村の未来とは
Zhao氏が描くのは、次のような農村の未来像です。
- 暮らしたくなる「美しいふるさと」としての農村
- 技術や経営の工夫によって成長する産業としての農業
- 若い人が誇りを持って選べる、魅力的で尊敬される職業としての農業者
彼女は「これは、代表としての職務の中で、もっとも率直で切実な目標です」とも語っています。個人のキャリア選択を超え、農村社会全体の姿をどう変えていくかというビジョンが、発言の背景にあります。
都市で働くか、地方に戻るか――この問いは、日本を含む多くの国と地域で若者が直面しているテーマでもあります。Zhao氏の歩みとメッセージは、「自分のスキルや経験をどこで、どのように生かすのか」という問いを、改めて私たちに投げかけています。
あなたなら、どのような「故郷との関わり方」を選びますか。
Reference(s):
NPC deputy: Rural areas and agriculture hold great potential for youth
cgtn.com








