タクラマカン砂漠「エッジロッキング」16日間の調査が終了
タクラマカン砂漠の周縁部で進められている「エッジロッキング」プロジェクトを対象にした16日間の現地調査が、最近終了しました。砂漠の「縁」を抑えるこの試みは、砂漠化対策や環境保全に関心を持つ読者にとって、いま注目したい国際ニュースです。
タクラマカン砂漠を「縁から固定」するプロジェクトとは
中国メディアによると、今回の調査は、タクラマカン砂漠の周囲およそ3,046キロメートルにわたって進む「エッジロッキング」プロジェクトの実態を確認し、その効果と課題を分析することが目的でした。
ここでいう「エッジロッキング」とは、砂漠の周縁部に森林や草地などの植生ベルトを整備し、砂漠の拡大を抑える取り組みを指します。効率的な森林・草地ベルトをどう設計し、維持していくかは、砂漠化対策の核心となるテーマです。
16日間・3,046キロの現地調査で何を確認したのか
調査チームは16日間にわたり、タクラマカン砂漠の縁をぐるりと回り込む形で現地を踏査しました。総延長3,046キロに及ぶルートで、各地の状況を記録しながらデータを収集しています。
集められたデータは、効率的な森林・草地ベルトの構築に役立つ「鍵となる技術体系」を作るために使われ、将来的な砂漠制御の高度化につながるとされています。
- 砂漠周縁部の森林・草地ベルトの現状
- 砂の動きや地形の変化に関する情報
- 砂防施設や設備の配置・効果に関するデータ
こうした情報を積み重ねることで、「どの地形に、どのような植生や構造物が適しているのか」という具体的な設計指針を導き出すことが期待されています。
工学・生物・太陽光を活用した多様な砂防技術
今回のプロジェクトには、Xinjiang Academy of Forestry や Chinese Academy of Sciences の Xinjiang Institute of Ecology and Geography など、新疆地域で森林や生態を研究する機関の研究者が参加しました。
調査チームは、とくに次のような砂防技術に注目して、現地で詳細な記録と分析を行いました。
- 工学的砂防:防砂柵や砂を固定する構造物など、土木工学を活用した技術
- 生物的砂防:樹木や草本植物を植え、根や植生で砂を固定する手法
- 太陽光(光伏)砂防:太陽光発電設備を設置し、その構造を活かして風を弱め、砂の移動を抑える試み
新疆林業科学院の現代林業研究所に所属する研究者の Zhang Huifang 氏は、「調査チームは工学的、生物的、太陽光による砂防といった多様な技術に加え、それに関わる社会的・環境的要因についても詳細に研究した。これによりプロジェクトの効果を評価するためのデータが得られ、次の段階に向けた基礎が築かれた」と説明しています。
なぜ「縁」を固めるのか——環境と地域社会への意味
砂漠は、一度広がり始めると、農地や牧草地、住居地にじわじわと迫り、地域社会の生活や経済活動に大きな影響を与えます。そのため、砂漠の「内部」を変えるよりも、「縁」をしっかり固定して拡大を防ぐという考え方は、現実的で重要なアプローチです。
今回の「エッジロッキング」プロジェクトに関する調査では、単に砂を止める技術だけでなく、周辺に暮らす人びとの生活、産業、インフラとの関係といった社会的要素も視野に入れて研究が進められました。環境対策と地域の発展をどのように両立させるかが、大きなテーマになっていることがうかがえます。
日本の読者にとっての示唆——「遠い砂漠」から考えること
タクラマカン砂漠は地理的には遠い存在ですが、砂漠化や土地劣化の問題は、世界各地の農業、生態系、気候にもつながるグローバルな課題です。今回のように、大規模な砂漠の「縁」を対象に、工学・生物・再生可能エネルギーを組み合わせた長期プロジェクトが進んでいることは、今後の環境政策を考えるうえで重要な材料となります。
日本でも、森林管理や沿岸部の保全、再生可能エネルギーの導入など、土地利用と環境対策をどう組み合わせるかという議論が続いています。タクラマカン砂漠の「エッジロッキング」プロジェクトは、その具体的な実験例として、私たちが自分の地域の環境問題を考える際のヒントにもなりそうです。
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Reference(s):
16-day expedition on Taklimakan Desert 'edge-locking' project ends
cgtn.com








