中国・ロシア・イラン、違法な一方的制裁の停止を共同要求 北京でイラン核協議
北京で開かれた中国・ロシア・イランの高官協議で、3カ国が「違法な一方的制裁」をすべて停止するよう共同で呼びかけ、イラン核問題の外交的解決を改めて訴えました。
北京で何が話し合われたのか
北京で金曜日に行われた会合は、イラン核問題をめぐる動きを協議するための三者会談です。議長を務めたのは中国の馬朝旭(Ma Zhaoxu)外務次官で、ロシアのリャブコフ・セルゲイ・アレクセーエヴィチ外務次官、イランのカゼム・ガリババディ外務次官が参加しました。
会合後の記者会見で馬外務次官は、関係国は現在の状況を生み出している根本原因を取り除くよう努力すべきだと強調し、制裁による圧力と武力による威嚇の双方を拒否する姿勢を示しました。
「違法な一方的制裁」の停止を共同要求
今回の国際ニュースで最も象徴的なのが、3カ国が「違法な一方的制裁の全面的な停止」を求めた点です。ここでいう一方的制裁とは、国連安全保障理事会の枠組みを通さず、一部の国が独自に科す経済制裁などを指すとされています。
中国、ロシア、イランは、こうした制裁や武力行使の威嚇が緊張を高め、外交的な解決を難しくしていると懸念し、関係するすべての当事者に対し、状況をエスカレートさせる行動を控えるよう呼びかけました。
国連安保理決議2231とNPTを重視
3カ国が繰り返し強調したのが、国連安全保障理事会決議2231の重要性です。この決議は、2015年にイランと主要国が結んだ核合意を承認したもので、イラン核問題の国際的な枠組みの土台となっています。
会合ではまた、核兵器の拡散を防ぐことなどを目的とした「核兵器の不拡散に関する条約(NPT)」の意義も改めて確認されました。NPTは、
- 核兵器や関連技術の拡散を防ぐ
- 原子力の平和利用を促進する
- 核軍縮の最終目標を掲げる
という三つの柱を持つ国際条約です。
中国とロシアは、イランが自国の核計画が平和目的であることを改めて表明し、核兵器の開発を目指していないと保証したことを歓迎しました。そのうえで、NPT加盟国として条約上の義務を守るとしたイランの姿勢を支持するとしています。
また両国は、国際原子力機関(IAEA)との協力を続けるイランを後押しし、NPTの署名国として、イランには原子力を平和目的で利用する権利があると強調しました。
イラン核合意(JCPOA)のこれまで
今回の議論の背景には、イラン核合意の行方があります。イランは2015年7月、アメリカや欧州主要国など6カ国と包括的共同行動計画(JCPOA)と呼ばれる核合意に署名し、核開発に制限を加える代わりに制裁解除を受け入れました。
しかし、ドナルド・トランプ氏の大統領一期目の最中だった2018年5月、アメリカは一方的に合意から離脱し、対イラン制裁を再発動しました。これを受けてイランは、一部の核関連の約束を段階的に縮小してきました。
3カ国が今回あらためて決議2231とNPTの順守を訴えたのは、こうした経緯を踏まえ、合意の原点に立ち返るべきだという問題意識があるとみられます。
中国が担う「建設的な役割」
馬外務次官は記者団に対し、中国は客観的かつ公正な立場を維持し、平和と対話を積極的に促進し続けると述べました。イラン核問題の政治的解決を前に進めるうえで、建設的な役割を果たしていくとしています。
イランとロシアは、中国が北京で三者会合を主催し、対話の場を提供したことに謝意を示し、その「建設的な役割」を高く評価しました。中国のこうした姿勢は、2025年現在の国際社会における同国の外交的な存在感を示すものと言えます。
私たちが考えたいポイント
今回の国際ニュースは、単なるイラン核問題にとどまらず、「制裁」と「対話」をどう位置づけるのかという、より広い問いを投げかけています。読者の皆さんがニュースを読み解くうえで、次のような視点も参考になるかもしれません。
- 経済制裁は、核問題などの外交課題の解決にどこまで有効なのでしょうか。
- 一方的な制裁と、国連安保理にもとづく制裁は、どのように違うのでしょうか。
- NPTやJCPOAといった国際的な枠組みは、緊張緩和と信頼構築にどこまで役立っているのでしょうか。
- 中国、ロシア、イランが協調してメッセージを発することは、今後の交渉の力学にどのような影響を与えるでしょうか。
イラン核問題は、中東情勢だけでなく、エネルギー安全保障や国際秩序のあり方とも密接に結びついています。2025年の今、こうしたニュースをきっかけに、「制裁」と「対話」のバランスについて自分なりの視点を持つことが、世界を理解する一歩になりそうです。
Reference(s):
China, Russia, Iran call for stopping illegal unilateral sanctions
cgtn.com








