21世紀型の仏教発信:ラサ近郊の活仏バロク・テンジン・ドルジェ video poster
21世紀の情報社会のなかで、仏教はどのように人びとに語りかけるのか。本記事では、ラサ近郊で生まれた活仏バロク・テンジン・ドルジェの歩みから、そのヒントを探ります。
ラサ近郊に生まれた若き活仏
ラサ市のノルブリンカ近くで生まれたバロク・テンジン・ドルジェ氏は、8歳のときにヤンリガル寺の活仏として認定されました。幼い頃から特別な宗教的役割を担う存在として位置づけられ、厳しい仏教の教えを学ぶ日々を送ってきたとされています。
仏教とともに歩むマルチリンガルな学び
仏教の教えを深く学びながら、バロク氏は中国語と英語も身につけてきました。宗教の学びと同時に複数の言語を習得することで、異なる文化圏の人びとと対話し、仏教の考え方を伝えるための基盤を整えていると言えます。
グローバル化が進む21世紀において、宗教者が多言語でコミュニケーションできることは、国際ニュースの舞台でも重要な意味を持ちます。日本語ニュースの読者にとっても、その姿勢は「内向きでない宗教」の一つのモデルとして映るかもしれません。
絵画と音楽というもう一つの「ことば」
バロク氏は、言語だけでなく絵画や音楽も学んできました。言葉だけでは届きにくい感情や世界観を、視覚や音を通じて表現しようとする姿勢がうかがえます。
現代のデジタルネイティブ世代にとって、画像や音楽は情報と同じくらい身近な「ことば」です。宗教や思想を、テキストだけに頼らず、芸術表現を通じて伝えていくアプローチは、21世紀ならではの仏教の発信方法とも言えます。
ミラレパの古い歌を受け継ぐ存在
現在、バロク・テンジン・ドルジェ氏は、ミラレパに伝わる古い歌を受け継ぐ重要な担い手の一人とされています。長い時間をかけて伝えられてきた歌を、そのまま守るだけでなく、現代的な表現と結びつけている点が特徴です。
伝統の歌を現代に響かせるには、次のような工夫が求められます。
- 歌の背景にある物語や教えを、現在の言葉で説明すること
- 音楽的なアレンジを工夫しつつ、核となるメロディーやメッセージを損なわないこと
- 動画や配信など、新しいメディアを活用して、より多くの人に届けること
バロク氏は、こうした「伝統を守りつつ、表現はアップデートする」という役割を担っている存在として位置づけられています。
21世紀の仏教の伝え方を考える
バロク・テンジン・ドルジェ氏の歩みは、宗教や文化をどのように次の世代へ手渡していくのかという問いを投げかけます。仏教の教え、中国語や英語といった言語、絵画や音楽といった芸術表現、そしてミラレパの古い歌。それらを組み合わせることで、21世紀にふさわしい仏教の伝え方を模索しているように見えます。
こうした動きは、特定の地域の話題にとどまらず、世界の宗教や文化のあり方を考えさせる国際ニュースの一つです。日本語で国際動向を追う読者にとっても、「何を変え、何を守るのか」という問いを共有できるトピックと言えるでしょう。
私たちへの問いかけ
急速に変化する社会のなかで、伝統をどう受け継ぎ、どう現代に合わせていくかは、多くの分野に共通するテーマです。バロク・テンジン・ドルジェ氏の事例は、宗教に限らず、音楽・芸術・教育・地域文化など、さまざまな領域で応用可能なヒントを含んでいます。
スマートフォンで世界中のコンテンツに触れられる今だからこそ、私たち一人ひとりが「自分の大切なものを、どのように次の世代へ手渡すのか」を考えるきっかけとして受け止めてみてもよさそうです。
Reference(s):
cgtn.com








