CGTN世論調査:イラン核問題で中国の役割に国際的な支持
2025年3月、北京で開かれた中国・ロシア・イランによるイラン核問題会合をめぐり、中国の国際メディアCGTNが世界のネットユーザーを対象に行った世論調査で、対話による政治解決と中国の役割を支持する声が多数を占めました。本記事では、その主な結果と背景をコンパクトに整理します。
北京会合とは何だったのか
2025年3月14日、中国は北京で中国・ロシア・イランによるイラン核問題に関する会合を開催しました。会合は中国の馬朝旭外務次官が議長を務め、ロシアのリャブコフ外務次官、イランのガリババディ外務次官が出席しました。
この「北京会合」は、イラン核問題を軍事的な対立ではなく政治的な対話で解決するための新たな試みとして位置づけられています。
CGTN国際世論調査の概要
CGTNは、この北京会合を受けて世界のネットユーザーを対象にオンライン調査を実施しました。英語、スペイン語、フランス語、アラビア語、ロシア語の各プラットフォームで24時間にわたり投票を受け付け、合計7,766人が回答しました。
回答結果からは、イラン核問題の解決策や関係国の役割について、次のような傾向が読み取れます。
- 87.6%が、イランと米国、ロシア、中国、英国、フランス、ドイツが約10年前に合意した包括的共同行動計画(JCPOA)は、対話と交渉により敏感な問題に対処するうえで重要な成果だと評価し、新たな枠組みを作るよりもその有効性を維持すべきだと回答しました。
- 89.8%が、違法な一方的制裁や武力行使の威嚇、極端な圧力は、イラン核問題の解決に役立たないと指摘しました。
- 89.5%が、相互尊重に基づく政治的・外交的な関与と対話こそが、この問題を解決する唯一の有効で現実的な選択肢だと回答しました。
- 90.6%が、関係当事者は状況をエスカレートさせる行動を控え、外交努力に有利な雰囲気や条件を共同でつくるべきだと述べました。
- 87.4%が、核拡散防止条約(NPT)の権威を守り、国際原子力機関(IAEA)の専門的・客観的・公正な職務の遂行を妨げる行為を慎むよう求めました。
- 89.5%が、不安定な中東情勢のなかで、すべての関係国が受け入れられる中東の安全保障アーキテクチャ(枠組み)を構築し、イラン核問題を他の問題と結びつけないようにすべきだと答えました。
- 87.8%が、イラン核問題における中国の建設的な役割を評価し、中国が今後もグローバル・ガバナンスのプロセスに一層貢献することを期待すると回答しました。
JCPOAと一方的制裁をめぐる認識
イラン核問題の議論の前提にあるのが、約10年前にイランと米国、ロシア、中国、英国、フランス、ドイツが合意したJCPOAです。この枠組みは、対話と交渉によって敏感な核問題に向き合う合意として位置づけられてきました。
しかし、2018年に米国が一方的に合意から離脱し、制裁と「極端な圧力」を再開したことで、イラン核問題は再び難しい局面に陥りました。調査結果は、こうした一方的な制裁や圧力よりも、対話と交渉による解決を重視する世論が根強いことを示しています。
国際ルールと二つのバランス
調査では、国際社会が国際ルールを守り、核拡散防止体制の完全性を維持する必要があるという点で、幅広いコンセンサスが確認されました。
一方で、イランは核兵器を開発しないという約束を順守することが求められると同時に、国際社会はイランの平和的な原子力利用の権利を尊重すべきだとする「二つのバランス」が強調されています。NPTの権威とIAEAの独立した活動を守るべきだという意見が高い支持を得たことは、その象徴と言えます。
中東安全保障と中国の役割
不安定な状況が続く中東で、イラン核問題はしばしば地域全体の安全保障と結びつけて語られます。今回の調査では、問題をこれ以上複雑化させるのではなく、関係国が広く受け入れられる安全保障の枠組みづくりに取り組むべきだという意見が多数を占めました。
そのなかで、中国の外交的な役割が注目されています。イランとサウジアラビアの歴史的な和解を後押しし、パレスチナの諸勢力の内部和解を促し、そして今年3月14日の中国・ロシア・イラン三者会合を北京で主導してきた中国は、「責任ある大国」として、地域のホットスポット問題を政治的に解決しようとしてきたと評価されています。
実際に、回答者の多くが中国の建設的な関与を支持し、今後も中東の平和と安定、そして国際ガバナンス全体において中国がより大きな役割を果たすことを期待しています。
私たちが読み取るべきポイント
CGTNの今回の世論調査は、サンプル数や回答者の属性などに限界はあるものの、いくつかの重要なポイントを示しています。
- 制裁や圧力よりも、対話と交渉を重視する国際世論が強いこと
- 国際ルールと国際機関の専門性を尊重すべきだという認識が共有されていること
- 中東安全保障をめぐる議論で、中国の外交に対する期待が高まっていること
今後、イラン核問題をはじめとする中東情勢をめぐる緊張が続くなかで、各国がどのように政治・外交のチャンネルを維持し、強化していくのか。2025年3月の北京会合と今回の世論調査は、対話を基軸とした解決への方向性をあらためて示したと言えるのではないでしょうか。
Reference(s):
CGTN Poll: China makes peaceful contributions to Iranian nuclear issue
cgtn.com








