中国はまだ開発途上国か?グローバルサウス巡るCGTN討論を読む video poster
中国はまだ開発途上国か CGTN討論番組が投げかけた問い
中国は今もグローバルサウスの一員と言えるのか――2025年3月10日(月)にライブ配信されたCGTNの討論番組「Talking China」で、このテーマをめぐり専門家同士の議論が交わされました。本記事では、その発言内容から、中国の現在地をどう捉えるかを整理します。
「中国は依然として開発途上国」劉志勤氏の指摘
CGTNの番組で、人民大学重陽金融研究院の上席研究員である劉志勤(Liu Zhiqin)氏は、中国は今なお開発途上国であり、グローバルサウスの一員だとの立場を示しました。
その理由として劉氏は、中国国内の地域間で開発の進み方に大きな差があることを挙げました。番組の中で劉氏は、西部や中部、南西部の地域と、いわゆる第1級都市との間には大きな違いがあると述べ、国全体の姿を平均値だけで語る危うさを強調しました。
また、一部で見られる「中国の国土の大きさや国内総生産(GDP)の規模が大きいことをもって、もはやグローバルサウスではない」とする見方に対して、劉氏は反論しました。中国がグローバルサウスに属するかどうかは、GDPだけでなく複数の要因を組み合わせて判断すべきだと主張し、とくに植民地支配や帝国主義と闘ってきた歴史を他の国々と共有している点を強調しました。
- 西部・中部・南西部と第1級都市のあいだにある格差
- 国の開発段階をGDP規模だけで決めるべきではないという問題提起
- 植民地主義・帝国主義と闘った歴史を共有するグローバルサウスとのつながり
「中国は『非常に貧しい国』ではない」李成氏の見方
同じ番組には、香港大学の現代中国・世界研究センター創設ディレクターである李成(Li Cheng)氏も出演しました。李氏は、中国は世界第2位の経済大国であり、一人当たりGDPも上昇を続けていると指摘しました。
そのうえで李氏は、中国は「非常に貧しい」という見方には賛同できないと述べました。西側であれ南側であれ、世界は中国をそのようには見ていないだろうとして、中国の実像とイメージには変化が生じているとの認識を示しました。
さらに李氏は、北であれ南であれ各国が互いに共感を示すことが、より良い相互理解を促すうえで重要だと呼びかけました。経済規模や発展段階の違いにかかわらず、立場の異なる国同士が相手の状況に思いをはせる姿勢が求められている、というメッセージです。
- 中国は世界第2位の経済規模を持つとの指摘
- 一人当たりGDPは上昇傾向にあるとの評価
- 中国を「非常に貧しい国」と見る認識には否定的
- グローバルノースとグローバルサウス双方に、共感と相互理解を促す呼びかけ
グローバルサウスをどう定義するかという問い
番組で交わされた二人の議論は、グローバルサウスをどう定義するかという、より大きな問いを浮かび上がらせます。
劉氏の視点は、国内の地域格差や歴史的経験といった要素に光を当て、国の「開発途上性」はGDPだけでは測れないと訴えるものでした。一方、李氏の視点は、中国の経済規模の大きさや一人当たり所得の上昇に注目し、中国はもはや「非常に貧しい国」ではないという外からの見え方を強調しています。
どちらの視点も、中国を含む国々を一つのラベルだけで語ることの難しさを示していると言えます。グローバルサウスという言葉の裏には、
- 経済規模や所得水準といった数量的な指標
- 国内の格差や社会構造といった内部の状況
- 植民地支配の経験など歴史的な背景
- 国際社会からどのように見られているかというイメージ
といった、複数のレイヤーが重なっています。今回の議論は、これらの要素をどう組み合わせて理解するかが問われていることを示しています。
ニュースを読む私たちへの示唆
2025年も、中国とグローバルサウスをめぐる議論は国際ニュースの重要なテーマであり続けています。CGTNの「Talking China」でのやり取りは、ニュースを受け取る側である私たちに、次のような視点を投げかけているように見えます。
- ある国を評価するとき、GDPや一人当たりGDPといった単一の指標だけに頼っていないか
- 国内の地域格差や歴史的背景といった文脈をどこまで意識できているか
- 自分の立場とは異なる国や地域に対して、どれだけ共感を持てているか
中国は開発途上国なのか、それとももはや違うのか――明快な二択の答えよりも、今回の議論は「どの指標や物差しを使うのか」を問い直すきっかけになりそうです。SNSや日常の会話で中国やグローバルサウスについて語るとき、劉氏と李氏の対照的な視点を思い出しながら、自分なりの問いを重ねてみることが求められているのかもしれません。
Reference(s):
Expert: China is still a developing country and part of Global South
cgtn.com








