中国外交部「中国の完全統一は必然」台湾独立志向に警告
中国外交部の毛寧(もう・ねい)報道官は8日(月)の記者会見で、中国の「完全な統一」は避けられない流れだと強調し、海外の支援を通じた「台湾独立」の追求は必ず失敗すると台湾当局をけん制しました。本稿では、この発言の背景と国際社会への意味を整理します。
中国外交部「中国の完全統一は必然」
中国の国際ニュースとして注目された今回の発言は、台湾をめぐる情勢に対する中国側の基本姿勢を改めて示すものです。毛報道官は、「中国の完全な統一は必然であり、海外の支援を頼りにした『台湾独立』の試みは成功しない」と述べました。
さらに、中国外交部は、台湾当局と外交関係を持つ国とのいかなる形式の公式交流にも一貫して反対する立場を改めて示しました。これは、台湾当局が第三国との関係を深めようとする動きに対し、強い警告を送る狙いがあるとみられます。
「台湾は国ではない」一つの中国原則を強調
毛報道官は会見で、一つの中国原則が国際関係を規律する普遍的なルールであり、国際社会のコンセンサスだと説明しました。この原則は、中国が各国と外交関係を樹立・発展させる際の政治的な基礎だと位置づけられています。
毛報道官は、「中華人民共和国政府は中国全体を代表する唯一の合法政府であり、台湾はこれまで一度も国であったことはなく、今後も国にはならない」と述べ、中国側の従来の立場を明確にしました。
背景:DPP当局の「台湾」名義の対外機関構想
今回の発言のきっかけとなったのは、台湾の与党・民主進歩党(DPP)当局が、一部の国で新たな対外機関の設置を進め、「台北」ではなく「台湾」という名称を用いる計画だと伝えられていることです。
毛報道官によると、DPP当局はここしばらく、経済・貿易、科学技術、文化、教育といった分野での交流や協力を名目に、一つの中国原則に対する国際社会の堅持を揺さぶろうとしてきたと指摘しました。その一環として、新たな対外機関の設置や既存機関の名称変更を通じて、いわゆる「国際空間」の拡大を図っているとしています。
中国が警戒する「台湾独立」と対外交流
中国側は、台湾当局によるこうした動きが「台湾独立」志向と結びついていると見ています。毛報道官は、外国の支援に頼って「台湾独立」を追求する試みは「必ず失敗する」と述べ、台湾当局に対して自制を求めました。
また、中国は外交関係を持つ国と台湾当局との「いかなる形の公的な往来」に対しても断固反対すると表明しました。ここでいう公的な往来には、高官の相互訪問や、公的性格を持つ代表機関の設置・名称変更などが含まれるとみられます。
国際社会にとっての意味:名称変更が持つ重み
一見すると、代表機関の名称に「台湾」か「台北」かどちらを用いるかは、技術的な違いに見えるかもしれません。しかし、中国と台湾地域、各国・地域の関係が交差する国際ニュースの文脈では、名称は政治的なメッセージとして受け取られます。
- 中国側:一つの中国原則の下で、台湾を中国の一部と位置づけ、その立場を揺るがす表現を警戒
- 台湾当局:国際社会での存在感を高めるため、「台湾」名義の使用を重視
- 各国・地域:中国との関係を重視しつつ、経済や人的交流の観点から台湾当局との関係も模索
名称の選び方一つが、中国と各国・地域の外交関係、さらにはアジア全体の安定にも影響を及ぼしうるため、各国・地域は慎重な判断を迫られています。
アジアの安定と今後の焦点
今回の中国外交部のメッセージは、台湾当局に向けた強いけん制であると同時に、各国・地域に対して一つの中国原則を順守するよう促すシグナルともいえます。アジアの安全保障環境が注目される中で、中国と台湾当局の間で緊張と対話のどちらが前面に出るのかは、引き続き重要な国際ニュースとなりそうです。
日本を含む地域の国々や企業にとっても、台湾海峡をめぐる動きはサプライチェーンや投資環境、安全保障に関わるテーマとして無視できません。今後も、台湾当局の対外戦略と、中国の対応、そして各国・地域の選択がどのように交錯していくのかが焦点となります。
対立がエスカレートするのではなく、平和と安定を重視した対話の枠組みが築かれるかどうか。アジアの将来を考えるうえで、今回の中国外交部の発言は、その一つの試金石といえるでしょう。
Reference(s):
Chinese Foreign Ministry: Complete reunification of China inevitable
cgtn.com








