エメラルド色の漁網に浮かぶ漁師の女性──中国・福建省霞浦の海辺の日常
中国福建省の沿岸部・霞浦で、エメラルド色に染まった漁網の「海」に座り、静かに網を繕う一人の女性がいます。その姿を上空から見下ろすと、まるで波打つ海面にたゆたう小さな船のように見えます。この一場面は、霞浦に根づく沿岸文化と、2025年のいまも続く海とともにある暮らしを象徴しています。
「漁網の海」にたゆたう一人の女性
舞台は、福建省霞浦の一角にある倉庫の内部です。入口から差し込むやわらかな自然光に照らされ、床一面にはターコイズブルーの漁網が広がっています。その上に座り、女性は破れた部分を一つひとつ丁寧に修復しています。
鳥の目線でこの光景をとらえると、広がる漁網は起伏のある海原に見え、女性はその上を静かに進む小舟のようです。光と色、そして人の動きが重なり合い、日常の作業でありながら、一枚の絵画のような瞬間が生まれています。
霞浦とはどんな場所か
この印象的なシーンは、霞浦という土地の背景と切り離すことができません。霞浦は、500キロメートルを超える長い海岸線を持つ沿岸地域で、海に開かれたまちとして知られています。
断片的な情報をつなぐと、霞浦の特徴として次のような姿が浮かび上がります。
- 500キロメートル以上におよぶ海岸線を持つ沿岸地域である
- 港がいくつも点在し、漁業を営むコミュニティが形成されている
- 島々や干潟が数多くあり、独特の海の景観をつくり出している
こうした地形の上に、人々の生活や仕事、文化が積み重なり、霞浦ならではの海辺の風景が形づくられています。
漁師の暮らしを支える「網を繕う」時間
漁網を修理する作業は、派手さはありませんが、漁業にとって欠かせない仕事です。破れた網をそのままにしておけば、魚は逃げてしまい、収穫にも安全にも影響が出てしまいます。
女性が漁網の中に身を沈めるようにして、ひと目ずつ糸を通していく姿は、効率優先の現代社会とは少し違う時間の流れを感じさせます。海に出る前の静かな準備の時間は、漁を支える縁の下の仕事であり、同時に技と経験が受け継がれる場でもあります。
500キロメートルの海岸線が育む沿岸文化
霞浦の長い海岸線は、単に地理的な特徴にとどまりません。数多くの港、島、干潟があることで、地域ごとに少しずつ異なる漁の方法や生活のリズムが生まれ、それらが重なり合って「霞浦らしさ」と呼べる沿岸文化を形づくっています。
干潮と満潮が描く干潟の模様、島々のあいだを行き交う船、港に並ぶ漁網や漁具──そうした日常の風景一つひとつが、外から訪れる人にとっては新鮮な光景であり、霞浦の人々にとっては当たり前の生活の一部です。
ローカルな一瞬から見えるグローバルな視点
今回のシーンは、あくまで倉庫の中で網を繕う一人の女性の姿にすぎません。それでも、その背後には、海とともに生きるコミュニティの歴史と、漁業に支えられた暮らしの積み重ねがあります。
世界各地の海辺のまちでも、漁網を直し、船を整え、海のリズムに合わせて働く人々がいます。中国福建省の霞浦で切り取られたこの一瞬は、国や地域を超えて共通する「海と暮らす」というテーマを、私たちに静かに思い起こさせます。
スクロールの向こうにある「誰かの日常」を想像する
スマートフォンの画面越しに、このエメラルド色の漁網と女性の姿を眺める私たち。2025年のいま、国際ニュースの大きな出来事に目を向ける一方で、こうした静かな日常の光景に目を留めることは、世界をもう少し立体的に理解するきっかけにもなります。
霞浦の倉庫の片隅で網を繕う一人の女性。その姿を通して、あなたはどんな海と暮らしの物語を想像するでしょうか。家族や友人との会話、SNSでのシェアを通じて、「遠くの誰かの日常」について少しだけ思いを巡らせてみるのも良さそうです。
Reference(s):
cgtn.com








