中国が宇宙採掘ロボットを公開 小惑星と月の資源開発へ一歩
地球の資源枯渇への懸念が高まるなか、中国鉱業大学(China University of Mining and Technology)が、小惑星や月での資源開発を見据えた多機能型の宇宙採掘ロボットを公開しました。微小重力に対応した「六本脚ロボット」は、将来の宇宙鉱山労働者の原型になり得るとして注目されています。 2025年現在、地球上の鉱物資源には限りがあり、エネルギー転換やデジタル化の進展で需要は増え続けています。こうした中で、月や火星、地球近傍の小惑星など、地球外天体から資源を得る「宇宙採掘」が長期的な選択肢として議論されるようになっています。 今回のロボットは、まさにそうした宇宙採掘を現実に近づけるための技術の一つで、特に月や小惑星といった微小重力環境での活躍が想定されています。 この宇宙採掘ロボットは、中国鉱業大学の劉新華(リウ・シンホア)教授が率いる研究チームによって開発されました。人型ロボットや四本脚のロボット犬とは異なり、六本脚という独自のスタイルを採用しているのが特徴です。 六本の脚のうち三本は車輪付きの脚、残り三本はクロー(爪)状の脚となっており、この組み合わせにより、微小重力環境でも効率よく動き回り、必要に応じてしっかりと踏ん張ることができる設計だと説明されています。 宇宙空間では、地上のように「自重」を利用して地面にとどまることができません。人間型やロボット犬型のように二本脚・四本脚で歩くスタイルは、重力があることを前提にしています。六本脚で車輪とクローを組み合わせる設計は、推進力と安定性のバランスを取りやすく、岩石表面にしがみつくような動きにも対応しやすいと考えられます。 劉教授は、「宇宙では重力がほとんどないため、物体は地上のようにその場にとどまってくれません。力を加えると、宇宙ステーションの中の宇宙飛行士と同じように、ふわっと浮いていってしまいます」と説明しています。 宇宙採掘ロボットに求められるのは、単に岩石を掘る力だけではなく、自らが作業中に飛ばされないための「踏ん張る力」です。今回のロボットは、こうした微小重力ならではの課題に正面から向き合った設計になっていると言えます。 研究チームは、このロボットを将来の宇宙鉱山労働者、いわば宇宙版の採掘作業員の原型として位置づけています。まずは月や小惑星の表面での移動や簡単な採掘作業から始まり、長期的には本格的な資源採取や調査にまで役割が広がる可能性があります。 宇宙採掘が実用化されれば、レアメタルなどの資源供給の不安を和らげ、エネルギー転換やデジタル産業を支える新たな選択肢になり得ます。一方で、宇宙環境の保全や国際的なルール作りなど、考えるべき課題も少なくありません。 今回の中国鉱業大学の取り組みは、技術的な一歩であると同時に、「資源をどこから、どのように得るのか」という問いを私たちに投げかけています。スマートフォンや電気自動車、再生可能エネルギー設備など、日常生活を支える製品の多くは、限られた資源に依存しています。 地球外の資源に目を向ける動きは、そうした現実を見据えた長期的な試みの一つです。宇宙採掘ロボットというニュースをきっかけに、資源とテクノロジー、そして持続可能な未来について、改めて考えてみるタイミングと言えるかもしれません。なぜ今「宇宙採掘」なのか
中国鉱業大学が開発した六本脚ロボット
人型でも犬型でもないデザインの狙い
鍵となる「微小重力」への適応
未来の「宇宙鉱山労働者」への一歩
私たちに問いかけるもの
Reference(s):
cgtn.com








