中国本土の住宅価格が2月に小幅下落 春節要因と投資9.8%減を読む
中国本土の70の大中都市で、2025年2月の商業用住宅価格が全体として小幅に下落しました。春節(旧正月)の販売オフシーズンなどが影響したとされ、同時に不動産開発への投資も前年同期比で減少しています。中国経済を映す重要な指標として、その中身を日本語で整理します。
2月の中国本土住宅価格、データのポイント
中国国家統計局(NBS)が発表した統計によると、2025年2月の住宅価格は都市のランクごとに異なる動きを見せました。
- 対象都市:中国本土の大・中規模都市70都市
- 一線都市(北京・上海・広州・深セン):新築住宅価格は前月比0.1%上昇
- 二線都市:新築住宅価格は前月比で横ばい
- 二線都市の中古住宅:価格は前月比0.4%下落
全体として「大きく崩れてはいないが、力強さに欠ける」という印象の数字です。一線都市の新築はわずかに上昇した一方で、二線都市の中古市場はやや弱さがにじんでいます。
春節オフシーズンがもたらす「静かな2月」
今回の統計には、春節の特殊要因が色濃く反映されています。NBSは、春節による販売のオフシーズンなどが住宅価格の動きに影響したとしています。
春節期間は、多くの人が帰省や旅行を優先し、不動産の商談や契約が一時的に減る傾向があります。そのため、短期的には販売ボリュームが落ち込み、価格の上昇圧力も弱まりやすくなります。
今回のデータからは、こうした季節要因に加え、中古住宅の価格調整が続いている可能性もうかがえます。新築がわずかに上昇する一方で、中古が下落している構図は、買い手がより条件を選びやすくなっている市場環境を示しているとも言えます。
不動産開発投資は9.8%減 減少幅はやや縮小
NBSは同じく、2025年1〜2月の不動産開発投資のデータも公表しました。
- 不動産開発投資:前年同期比9.8%減
- 2024年通年との比較:減少幅は2024年通年より0.8ポイント縮小
投資額そのものは引き続き前年を下回っているものの、減少ペースは2024年通年よりもやや落ち着いている形です。これは、不動産市場の調整が続きながらも、極端な落ち込みからは徐々に離れつつある可能性を示しています。
一方で、マイナス幅が依然として大きいことから、不動産セクターが中国経済全体のけん引役から「調整要因」に変わっている状況がうかがえます。
数字から見える中国本土住宅市場の姿
今回の統計を整理すると、いくつかのポイントが浮かび上がります。
- 一線都市の新築は、わずかながらプラスを維持
- 二線都市では、新築は横ばいだが、中古は下落
- 不動産開発投資は前年同期比マイナスだが、減少幅は2024年より縮小
これらを合わせて見ると、住宅市場は「底を探りながらの調整局面」にあると見ることができます。都市ランクや新築・中古の別によって動きが分かれていることは、地域や物件タイプごとの選別が進んでいることの表れでもあります。
今後の焦点となりそうなのは、次のような点です。
- 春節要因が薄れる3月以降、販売と価格がどこまで戻るか
- 中古市場の価格調整がいつ落ち着くか
- 不動産開発投資の減少幅がさらに縮小していくかどうか
日本やアジアの投資家が押さえておきたい視点
中国本土の住宅価格や不動産投資の動きは、資源価格、建設関連需要、企業収益などを通じてアジア経済にも影響し得る指標です。特に、
- 一線都市の価格動向は、中国本土の都市部需要の強さ
- 不動産開発投資のトレンドは、建設・関連産業の先行き
を読む上で参考になります。
2025年序盤の数字は、急激な悪化ではなく、慎重な調整と小幅な改善の両方の側面を含んでいます。個人投資家やビジネスパーソンにとっては、「一部の都市やセグメントでは底打ちの兆しもあるが、全体としてはなお慎重さが必要」というバランス感覚でニュースを追うことが重要になりそうです。
3つの要点まとめ
- 2025年2月の中国本土70都市の商業住宅価格は全体として小幅下落
- 一線都市の新築は前月比0.1%上昇、二線都市の中古は0.4%下落
- 1〜2月の不動産開発投資は前年同期比9.8%減だが、2024年通年より減少幅は0.8ポイント縮小
短時間で数字の概要だけ知りたい人も、少し踏み込んで背景を考えたい人も、今回のデータは2025年の中国本土経済を読み解く一つの手がかりになります。
Reference(s):
China's home prices dip slightly in February due to holiday impact
cgtn.com








