中国とフランス、経済摩擦は対話で解決へ 貿易戦争に反対
要約:対話で経済摩擦を抑えたい中国とフランス
2025年末の今、世界経済の不透明感が高まるなか、中国とフランスが「経済摩擦は対話で解決する」というメッセージを発信しました。中国の王毅外相とフランスのエマニュエル・ボン大統領外交顧問が火曜日に電話会談を行い、貿易戦争や一方的な制裁に反対し、多国間主義と世界貿易機関(WTO)を軸とした国際秩序を重視する姿勢を確認しました。
会談では、中国とEU(欧州連合)の経済摩擦、ウクライナ危機、イラン核問題など、現在の国際ニュースの中核をなすテーマについても意見交換が行われています。
経済摩擦は「協議で」 中国・フランスが確認したポイント
電話会談で王毅外相は、中国とフランスが国連安全保障理事会の常任理事国であり、包括的戦略パートナーであることを踏まえ、戦略的な協調を強める必要があると強調しました。そのうえで、次のような点を挙げています。
- 高いレベルでの交流と協力を通じて、多国間主義を擁護すること
- 世界の貿易とサプライチェーン(供給網)の安定を維持すること
- 一方的な措置や経済的な威圧に反対し、貿易戦争を避けること
- 中国とEUの経済摩擦は、協議と対話を通じて解決すること
さらに王毅外相は、フランスが中国と協力し、安定した中国・EU関係の構築に貢献するよう呼びかけました。
これに対し、ボン大統領外交顧問は、フランスとして次のような立場を表明しました。
- 陣営対立と呼ばれるようなブロック化の動きに反対し、中国との緊密なコミュニケーションを維持すること
- 貿易戦争や関税障壁には反対し、経済摩擦は対話を通じて処理するべきだという姿勢
- EUと中国の貿易関係は、バランスが取れ、持続可能な形であるべきだという認識
- WTOを中心とする国際貿易の枠組みを守る必要性
互いに「対話」「協議」を繰り返し強調した点は、緊張が高まりやすい経済分野において、あくまで話し合いでの調整を優先するというメッセージとして受け止められます。
なぜ今、中国・フランスの協調が重視されるのか
中国とフランスは、ともに国連安保理の常任理事国であり、国際政治・経済のルール作りに大きな影響力を持つ存在です。今回の電話会談では、二国間関係にとどまらず、「世界の貿易体制をどう守るか」という広いテーマが語られました。
王毅外相が強調したのは、多国間主義とサプライチェーンの安定、そして一方的な経済圧力への反対です。これは、特定の国・地域が関税や制裁を武器のように使う動きに対して、中国とフランスが「国際的なルールに基づく枠組み」を重んじる姿勢を示したものといえます。
ボン氏も、WTOに基づく貿易システムを維持する重要性を指摘しており、中国とフランスが、少なくとも貿易ルールを尊重するという点で歩調を合わせている様子がうかがえます。
中国・EU関係へのメッセージ
会談の焦点の一つは、中国とEUの経済摩擦をどう扱うかでした。王毅外相は、中国とEUの間で生じている経済上の対立は、協議によって処理されるべきだとし、フランスに対しても中国と共に安定した中国・EU関係を築くよう呼びかけました。
ボン氏も、EUと中国の貿易関係は「バランスが取れ、持続可能」であるべきだと強調しています。この言い回しには、どちらか一方が過度に有利・不利になるのではなく、双方にとって納得できる形を探るべきだという考えがにじみます。
フランスがEUの主要なメンバーであることを踏まえると、今回の電話会談は、今後の中国・EU関係に向けた一つのシグナルともいえます。対立をあおるのではなく、あくまで対話と協議をベースに関係を安定させようとする姿勢は、国際ニュースとして注目する価値があります。
ウクライナ危機:対話と交渉を重視する立場
両者は、ウクライナ危機についても意見を交わしました。ボン氏はフランスの立場を説明したうえで、この問題で「公正で、長続きし、持続可能な平和」を実現するうえで、中国が果たしうる役割に言及しました。
これに対し、王毅外相は、中国が一貫して対話と交渉による紛争解決を重視していることをあらためて示しました。平和プロセスは、関係当事者の意思を尊重すべきであり、特定の一国の利益のために利用されるべきではない、と強調しています。
また、中国はヨーロッパを含むすべての関係者と協力し、和平の推進に取り組む用意があると述べました。ウクライナ危機をめぐる議論は、欧州の安全保障だけでなく、エネルギーや食料など広く世界経済にも影響を与えてきました。その中で、中国とフランスが「対話」をキーワードに協調を模索している点は、今後の動きを考えるうえで押さえておきたいポイントです。
イラン核問題でも意見交換
電話会談では、イラン核問題についても意見交換が行われました。詳細は明らかにされていませんが、中東情勢や核不拡散をめぐる議題で、中国とフランスが引き続き対話のチャンネルを維持していることを示しています。
ウクライナ危機と並び、イラン核問題も国際社会の安定に関わる重要なテーマです。今回のように、一度の電話会談で複数の国際問題が扱われていることからも、中国とフランスが単なる二国間関係にとどまらず、より広い国際秩序の課題についても協議している様子がうかがえます。
日本の読者が押さえておきたい3つの視点
今回の中国・フランス間の電話会談から、日本の読者として押さえておきたいポイントを三つに整理します。
- 中国とフランスは、貿易戦争や関税の応酬に反対し、経済摩擦は対話と協議で解決すべきだと明確に打ち出した。
- 両国は、多国間主義とWTOを軸とする国際貿易体制を重視し、世界の貿易とサプライチェーンの安定を守ろうとしている。
- ウクライナ危機やイラン核問題など、安全保障上の難題についても、軍事的な手段ではなく、対話と交渉を通じた解決を模索している。
中国・EU関係の安定は、欧州と中国の間でビジネスを行う企業だけでなく、そこにサプライチェーンを持つ日本企業や、世界市場を相手にする投資家にとっても無関係ではありません。2025年以降の国際経済と安全保障の行方を考えるうえで、中国とフランスがどのように協力し、対話を続けていくのかを見ていくことは、日本の私たちにとっても重要になっていきそうです。
Reference(s):
China, France pledge to resolve economic disputes through dialogue
cgtn.com








