BYDが1メガワット急速充電バッテリー発表 5分で407キロ走行分
中国の自動車大手BYDは2025年12月8日、新しい電気自動車向け超急速充電バッテリーを発表しました。最大出力1メガワットで、5分間の充電で最大407キロメートルの走行が可能だと説明しており、ガソリン車の給油時間に迫るスピードが注目されています。
- 最大出力1メガワット、最大電圧1キロボルト、最大電流1,000アンペア
- 理論上、1秒あたり2キロメートル走行分を充電できる速度
- 5分の充電で最大407キロメートルの航続距離
- 中国全土で4,000カ所超の超急速充電ステーション整備を計画
1メガワット、2キロ毎秒というスペック
BYDの新バッテリーは、最大充電電力が1メガワットに達するとされています。これは100万ワットに相当する規模で、電気自動車の充電としては非常に大きな出力です。
王伝福会長によると、このバッテリーは最大1キロボルトの電圧と1,000アンペアの電流に対応し、ピーク充電倍率は10Cとされています。理論上、1秒ごとに2キロメートル走行分の電力量を車両に供給できる速度であり、短時間で一気に電力を流し込む設計だといえます。
また、5分間の充電で最大407キロメートルの走行が可能だと説明しており、長距離ドライブや高速道路での使用を想定した性能を強く打ち出しています。
給油並みの時間へ オイル・エレクトリック・パリティという発想
王伝福会長は、電気自動車の普及を妨げている大きな要因として、充電時間への不安を挙げています。ガソリン車は数分で給油が終わる一方、多くの電気自動車では依然として充電に時間がかかる場面があるためです。
こうした課題に対し、王会長は、給油とほぼ同じ時間で電気自動車を充電できる状態を目指す構想をオイル・エレクトリック・パリティ(oil-electric parity)と表現しました。今回の1メガワット級バッテリーは、そのコンセプトを実現するための中核技術と位置づけられています。
中国全土に4,000カ所超の超急速充電網を整備へ
BYDは同時に、中国全土で4,000カ所を超える超急速充電ステーションを整備する計画も明らかにしました。新バッテリーの性能を生かすには、高出力に対応した充電インフラが不可欠であり、車両とインフラの双方を一体で展開する狙いがあるとみられます。
都市部だけでなく、幹線道路や地方都市にも高出力の充電拠点が整備されれば、長距離移動時の充電できるかどうかという不安を和らげる効果が期待されます。通勤や営業車として電気自動車を使う利用者にとっても、短時間での充電が可能になれば、日々の運用の自由度が高まります。
EVユーザーと市場にとっての意味
今回の発表は、電気自動車の課題として繰り返し指摘されてきた充電時間を正面から短縮しようとする動きです。特に次のような点で影響が出てくる可能性があります。
- 高速道路サービスエリアや都市部での充電待ち時間の大幅な短縮
- 営業車や配達車両など、1日の走行距離が長い用途での電気自動車利用の拡大
- ガソリン車から電気自動車への乗り換えをためらう理由の一つである充電の手間への心理的ハードルの低下
一方で、1メガワットという大出力に対応するためには、送電設備や変電設備などインフラ側への負荷やコストも伴います。今後は、安全性や電力系統への影響、料金体系などをどのように設計していくのかも重要な論点となりそうです。
給油並みの充電が当たり前になる日は来るか
2025年は世界各地で電気自動車シフトが進む一方、充電インフラや利用者体験をめぐる議論も続いています。BYDが打ち出した1メガワット級バッテリーと4,000カ所超の超急速充電ステーション計画は、電気自動車の使い勝手を大きく変える可能性を示す一つの事例といえます。
今後、他の自動車メーカーやエネルギー企業、各国・各地域の政策がどのように追随し、あるいは異なる方向性を打ち出していくのか。電気自動車をめぐる議論は、技術とインフラ、そして日常生活の変化を同時に見ていくフェーズに入っています。
Reference(s):
BYD unveils 1 MW fast-charging battery with 2 km/s charging speed
cgtn.com








