中国で8,600台積み自動車運搬船が建造記録更新 200日で船体完成
中国の造船会社China State Shipbuilding Corporation(CSSC)は、最大8,600台の車両を運べる新型自動車運搬船が木曜日に引き渡され、中国本土での船体組立と調整サイクルの国内最速記録を更新したと発表しました。
8,600台積み自動車運搬船の概要
CSSCによると、この自動車運搬船は全長約200メートル、幅38メートルの大型船です。燃料油と液化天然ガス(LNG)の両方を使える二元燃料仕様で、環境負荷を抑えながら運航できる設計になっています。
船内には車両を載せるデッキが14層あり、乗用車だけでなくトラックやバスなども含めて最大8,600台を効率よく積載できるとされています。ロールオン/ロールオフ方式(車両が自走して乗り降りする方式)に対応し、大量輸送と積み降ろしのスピードを両立させています。
200日で船体組立と調整、国内最速のスピード
今回の自動車運搬船で特に注目されているのが、建造スピードです。船体の組立と調整にかかった期間はわずか200日で、中国本土で建造された自動車運搬船として最も短いサイクルだとされています。
従来は大型船の建造プロセスが長期化しがちでしたが、CSSC側は統合建造技術の導入などによって工程を大幅に効率化したと説明しています。船体ブロックの製作から組立、各種システムの調整までを一体的に進めることで、品質を保ちながら期間を短縮したとみられます。
- 統合建造技術の活用による工程の集約
- ロールオン/ロールオフシステムの設計最適化
- 多様な車種に対応できる柔軟なレイアウト
これらの取り組みにより、建造のボトルネックとなっていた部分を解消し、短期間での引き渡しを可能にしたとCSSCは強調しています。
上海外高橋造船のコメントと今後の大型船計画
CSSC傘下のShanghai Waigaoqiao Shipbuilding(上海外高橋造船)で生産を統括する李志忠氏は、統合建造技術と最適化されたロールオン/ロールオフシステムによって効率のボトルネックを克服し、この記録を達成したと説明しました。
李氏は、この自動車運搬船が高いエネルギー効率と優れた運航性能を備え、乗用車から商用車までさまざまな車両タイプに対応できる点をアピールしています。
さらにCSSCは、今回の8,600台級に続き、9,000台級の自動車運搬船や、最大10,800台を運べるモデルの建造案件も受注しているとしています。この10,800台級の船は、同社が計画する中で最大規模となる見通しです。
2025年に28隻引き渡し目標、造船ペースも加速
CSSCによると、同社は今年(2025年)に合計28隻の船舶を引き渡す目標を掲げています。現時点ではすでに7隻を納入しており、稼働日ベースでは平均して11営業日ごとに1隻を引き渡している計算です。
今回の自動車運搬船のように、大型で付加価値の高い船舶を短期間で建造できることは、同社の造船能力の向上と、世界の海運市場における存在感の強まりを示す動きともいえます。
世界の自動車物流と環境対応へのインパクト
完成車の海上輸送は、世界の自動車産業を支える重要なインフラです。輸送能力が不足すると運賃の上昇や納期の遅れにつながるため、各国の造船・海運企業は自動車運搬船の増強を進めています。
燃料油と液化天然ガスの二元燃料に対応した今回の船は、従来型の燃料油専用船に比べて温室効果ガスの排出削減につながる可能性があります。環境規制が厳しくなるなかで、こうしたエネルギー効率の高い船舶への更新が今後さらに加速していくかが注目されます。
8,600台級に続き、9,000台級、10,800台級といったより大容量の自動車運搬船が就航すれば、世界の自動車物流の勢力図がどう変わるのか。日本の自動車メーカーや物流企業にとっても、今後の動向を注視しておきたいニュースです。
Reference(s):
cgtn.com








