IOC新会長コベントリー氏、中国との強固な関係を強調 video poster
国際オリンピック委員会(IOC)の新会長に選出されたキルスティ・コベントリー氏が、会長選出後初の記者会見で「IOCと中国の関係は非常に強い」と語り、今後もその結びつきを一層深めていく姿勢を示しました。IOCトップの交代とともに、なぜ中国との関係がここまで重視されるのか――そのポイントを整理します。
IOC初の女性・アフリカ出身会長が誕生
コベントリー氏は、ギリシャで開かれた第144回IOC総会で、IOC第10代会長に選出されました。IOC委員100人超による秘密投票の第1回目で選出され、41歳で世界のオリンピック・ムーブメントを率いる立場に立ちました。
同氏は、IOC史上初の女性会長であると同時に、初のアフリカ出身の会長でもあります。2013年以来会長を務めてきたトーマス・バッハ氏の後任として、2025年6月23日以降に正式に会長職に就きました。
「IOCと中国の関係は非常に強い」
会見でコベントリー氏は、IOCと中国の結びつきについて問われ、「IOCと中国の関係は非常に強く、これまでもそうであり、今後もその関係を続けていきます」と強調しました。
IOCは206の国内オリンピック委員会(NOC)と多くの国際競技連盟を束ねる立場にあります。コベントリー氏は、「IOCにとって、すべての個々の関係が極めて重要です」と述べ、今後数カ月をかけて、各NOCや競技団体、IOC委員と時間をかけて向き合い、相互理解を深めていく考えを示しました。
ステークホルダーとの関係構築を最優先に
同氏は、IOCに関わるステークホルダー(利害関係者)全体を一つのグループとして捉え、その関係を強化することが、自身の重要な役割になるとしています。中国との関係強化も、その一環として位置づけられているとみられます。
中国側からも祝意と期待のメッセージ
コベントリー氏の選出を受け、中国側からはスポーツ界とメディア界のトップが相次いで祝意と期待を示しました。
中国オリンピック委員会「信頼と支持の表れ」
中国国家体育総局局長であり、中国オリンピック委員会(COC)会長を務める高志丹氏は、祝電の中で、コベントリー氏の当選は「オリンピックファミリーによる信頼と支持を十分に反映したものだ」と評価しました。
高氏はさらに、コベントリー氏のリーダーシップの下で、オリンピック・ムーブメントが新たな高みに達するとの自信を示しました。そのうえで、COCとしてIOCとの戦略的パートナーシップを一層深め、オリンピックの改革と発展に貢献していく考えを表明しました。
CMG「メディア協力と文化交流を深化」
中国メディア大手の中国メディアグループ(CMG)の慎海雄社長も、約5万人のCMG職員を代表して祝電を送りました。慎氏は、コベントリー氏が掲げるオリンピックの価値観は、CMGが目指すメディアの革新や、文化交流・相互学習の促進と深く響き合うと述べました。
慎氏は、トーマス・バッハ氏の強い支援のもとで、CMGとIOCがこれまでに築いてきた堅固な友情と実りある協力関係に触れつつ、コベントリー体制の下でも友好協力をさらに深めていきたいとしています。
CMGは、今後のミラノ・コルティナ・ダンペッツォ冬季オリンピックに向けて、放送や世界向けの映像制作(ワールドフィード)に関する準備を進めているとしています。慎氏は、世界の視聴者に壮大なオリンピックのオーディオ・ビジュアル体験を届け、オリンピック・ムーブメントとその価値の普及に貢献していくと強調しました。
IOCと中国の関係が示すもの
コベントリー氏の発言と、中国側からのメッセージを合わせて見ると、IOCと中国の関係が、スポーツだけでなく、メディアや文化交流を含む広い分野に広がっていることがうかがえます。
特に、次のような点が浮かび上がります。
- IOC新体制のもとでの「関係重視」の姿勢:コベントリー氏は、中国を名指ししつつも、すべての個々の関係が重要だと強調しました。これは、NOCや競技団体、メディアパートナーとの丁寧な対話を重視する方針の表れといえます。
- 中国オリンピック委員会との戦略的パートナーシップ:COCはIOCとの戦略的パートナーシップを一段と深める意向を示しており、オリンピック改革や大会運営のあり方をめぐって、両者の協力が今後も続いていくことが予想されます。
- グローバルなオリンピック放送におけるアジアの存在感:CMGは、ミラノ・コルティナ冬季オリンピックの世界向け映像制作にも関与し、オリンピックの姿を世界に伝える役割を担おうとしています。アジア発のメディアがオリンピックの見え方を形作る存在になりつつあることは、国際スポーツの構図にも影響を与えそうです。
これからのIOCと中国のパートナーシップ
IOCトップが交代するタイミングで、中国のスポーツ当局やメディアが相次いで協力強化への意欲を示したことは、今後のオリンピック運営や発信のあり方を考えるうえで、見逃せない動きです。
今後、コベントリー氏が各国・各地域のオリンピック委員会や競技団体との関係をどのように築き、中国とのパートナーシップをどう位置づけていくのか。ミラノ・コルティナ冬季オリンピックに向けた準備が進む中で、そのスタイルとメッセージに注目が集まりそうです。
Reference(s):
Kirsty Coventry highlights strong IOC-China ties after election
cgtn.com








