中国の李強首相、穀物供給の安定を強調 2025年7億トン目標と農村振興
人口14億人超を抱える中国が、2025年の食料安全保障をどう確保しようとしているのか。李強首相が穀物など農産物の安定供給を改めて強調し、春の農業生産に向けた具体的な指示を出しました。
李強首相「穀物と主要農産物の安定供給を」
中国の李強首相(中国共産党中央政治局常務委員)は、春の農業生産に関する指示の中で、穀物をはじめとする主要農産物の供給を安定させ、年間の生産目標を確実に達成するよう呼びかけました。
李首相は、すべての地域と関係部門に対し、次のような点を求めています。
- 農業と農村の発展を引き続き最優先事項とすること
- 食料安全保障に対する責任をそれぞれが負うこと
- 穀物など主要農産物の安定生産・安定供給の能力を高めること
中国は、人口14億人超の「食」を支えるため、2025年に穀物生産量約7億トンを目指しており、今回の指示もこの目標を見据えたものとされています。
農村振興と貧困脱却の成果を土台に
李首相は、中国の農村振興を進める上で、農業を強くし、農民の利益を高め、農村を豊かにするための支援制度をさらに整備する必要があると強調しました。
あわせて、中国がこれまで進めてきた貧困脱却の成果を「固め、発展させる」ことも求めています。農村の生活基盤を強化しつつ、農業生産と農民の所得向上を両立させるという方向性です。
春の農業生産に向けた具体策とは
李首相は、特に春の農業生産の重要性を指摘し、次のような具体的な方向性を示しました。
- 穀物や油糧作物(油を採る作物)の作付面積を安定させる
- 先進的で実用性の高い農業機械・装備の導入を加速させる
- 農業科学技術の成果の大規模な実用化を進める
機械化や科学技術の活用を通じて、生産性の底上げを図る狙いがあります。
江蘇省スーチアン市で全国会議 劉国中副首相も参加
こうした方針を具体化するための全国会議が、中国東部・江蘇省のスーチアン(Suqian)市で木曜日に開かれました。春の農業生産をテーマにした会議で、劉国中副首相(中国共産党中央政治局委員)が出席しました。
劉副首相は、春の耕作に向けた準備を着実に進めるよう呼びかけるとともに、次のような課題を挙げました。
- 高水準の農地の整備を通じた耕地の質の向上
- さまざまな主体による単位面積あたり収量の引き上げ
- 自然災害の監視と緊急対応体制の強化
- 穀物市場の調整、牛肉・乳製品向け畜産への支援
- 農民の所得増加につながる政策の推進
農地の質、生産性、リスク管理、所得という複数の課題を同時並行で進める、包括的なアプローチが打ち出されています。
農業・農村・農民を最優先に 国際的な意味合い
中国は、農業・農村・農民を経済と社会発展の最優先分野と位置づけています。今回の指示や会議も、その姿勢を改めて確認した形です。
穀物生産量約7億トンという目標は、中国国内の食料安全保障だけでなく、世界の穀物市場や価格動向にも影響し得る規模です。気候変動や地政学的リスクが高まる中で、中国がどのように農業生産を安定させるのかは、日本を含む各国にとっても無視できないテーマになりつつあります。
日本の読者にとっても、中国の農業政策や食料安全保障の動きは、将来の食料価格、国際協力、サプライチェーンの議論を考える上で重要な手がかりとなりそうです。
Reference(s):
Chinese premier emphasizes need to safeguard farm produce supply
cgtn.com








