ICBS 2025で基礎科学生涯賞 森重文教授ら6人を顕彰
ICBS 2025で「基礎科学生涯賞」発表 森重文教授ら6人を顕彰
2025年の国際会議「International Congress of Basic Science(ICBS 2025)」で、長年にわたり基礎科学に貢献してきた研究者をたたえるBasic Science Lifetime Award(BSLA、基礎科学生涯賞)の受賞者が発表されました。清華大学で開かれた記者会見で明らかにされたもので、数学、物理学、情報科学と工学の分野から世界的に著名な6人の科学者が選ばれています。
ノーベル賞、フィールズ賞、チューリング賞級の顔ぶれ
今回のBSLA受賞者には、既に世界最高峰の賞を受けている研究者が名を連ねました。発表によると、受賞者は次の6人です。
- ノーベル物理学賞受賞者 Samuel Chao Chung Ting 氏
- ノーベル物理学賞受賞者 David Jonathan Gross 氏
- ノーベル物理学賞受賞者 Steven Chu 氏
- チューリング賞受賞者 Robert Endre Tarjan 氏
- フィールズ賞受賞者で数学者の 森重文(Shigefumi Mori)京都大学教授
- ウルフ賞受賞者 George Lusztig 氏
物理学、数学、情報科学と工学という基礎分野を代表する研究者がそろい、ICBS 2025がめざす基礎科学の長期的な価値にふさわしい顔ぶれとなっています。
数学分野のBSLAは京都大学・森重文教授に
2025年のBSLAのうち、数学分野の受賞者として選ばれたのが、京都大学の森重文教授です。森教授はフィールズ賞を受賞した数学者として国際的に知られており、今回の受賞は長年の研究と数学コミュニティへの貢献をあらためて評価する位置づけだと言えます。
基礎的な数学研究は、すぐに実用化につながらないことも多い一方で、長い時間軸で見ると情報科学や工学など他分野の発展の土台となります。数学者への生涯功労賞が国際会議で発表されたことは、その重要性を静かに示す出来事でもあります。
「生涯賞」が示す基礎科学の時間軸
Basic Science Lifetime Awardという名称が示すように、この賞は一つの成果だけでなく、数十年にわたる研究の積み重ねを評価するものです。基礎研究は、短期的な成果指標ではとらえにくい側面がありますが、BSLAのような賞は、長い時間をかけて築かれる知的インフラに光を当てます。
ノーベル賞やフィールズ賞、チューリング賞などが特定の画期的な業績に注目することが多いのに対し、BSLAは研究者人生全体の軌跡を見つめる賞として位置づけられます。ICBS 2025がこうした賞を設けたことは、基礎科学をめぐる評価軸が多様化しつつあることも示しているように見えます。
国境を超えて共有される「基礎」の価値
今回の受賞者は、それぞれ異なる地域と分野にルーツを持ちながら、数学、物理学、情報科学と工学という共通の基盤の上で成果を挙げてきました。基礎科学の知見は国境を越えて共有され、次世代の研究者や産業にも波及していきます。
オンラインで世界のニュースに日常的に触れている読者にとっても、目先のトレンドから一歩引いて、数十年単位で積み上げられる知のストックに意識を向けるきっかけになるかもしれません。ICBS 2025でのBSLA発表は、そうした長い時間軸で科学を見つめる視点をあらためて思い起こさせる出来事となりました。
Reference(s):
ICBS 2025: Six scientists honored with Basic Science Lifetime Awards
cgtn.com








