中国の王毅外相、東京で日中関係の「健全な発展」を呼びかけ
中国の王毅外相は東京での会談で、日本側と協力して日中関係の「健全で安定した発展」を進めていきたいとの考えを示しました。今後予定されるハイレベル経済対話も見据え、政治と経済の両面で関係の立て直しを図る動きが続いています。
東京での会談:日中関係を「正しい軌道」に
土曜日に東京で行われた王毅外相と林芳正官房長官の会談では、日中両国の関係をどう安定させていくかが中心的なテーマとなりました。王毅氏は、中国として日中関係の「健全で安定した発展」を後押ししたいと強調しました。
王毅氏は、中国共産党中央委員会政治局委員も務めています。会談の中で、これまで日中間で合意されてきた「四つの政治文書」の原則と方向性を堅持することが重要だと指摘し、これらの文書が両国関係の政治的・法的な枠組みを形作っていると説明しました。
四つの政治文書と「敏感な問題」
王毅氏が言及した四つの政治文書は、日中間で積み重ねられてきた基本的な合意を指し、両国がどのように付き合うかについての「ルールブック」の役割を果たしてきました。とくに、歴史認識や台湾問題など、双方にとって敏感なテーマをどう扱うかについての指針にもなっています。
王毅氏は、日本に対し、こうした文書で確認された約束を守り、中国への見方を「正しく」持つよう求めました。そのうえで、歴史問題や台湾問題などの核心的な課題で約束を順守することが、日中関係を「正しい軌道」に乗せ続ける前提だとしています。
日本側は1972年共同コミュニケへの立場を再確認
これに対し、林官房長官は、1972年の日中共同コミュニケで示された立場を「揺るがないもの」として改めて確認しました。この共同コミュニケは、日中関係の基本線を示した文書として、現在も両国関係の土台となっています。
林氏はまた、日中両国の間で、さまざまな分野における交流と協力をさらに強めていきたいとの考えを示しました。対立点が存在するからこそ、対話のチャンネルを維持し、協力できる分野を積み上げることが重要だというメッセージといえます。
6年ぶりの日中ハイレベル経済対話に期待
林官房長官は、今後開催予定の日中ハイレベル経済対話にも言及しました。この対話はおよそ6年ぶりの再開となる見通しで、経済や産業、環境など幅広い分野について閣僚級が意見交換する場です。
林氏は、この経済対話が「実りある成果を生み出し、日中関係の持続的な発展に寄与するとともに、両国の人々の利益にもつながることを期待している」と述べました。政治的な課題を抱えつつも、経済面での協力をどう具体化していくかが今後の焦点となりそうです。
なぜ今、日中関係の「健全な発展」が重視されるのか
今回のメッセージの背景には、地域の安定と経済の不透明感という二つの大きな文脈があります。安全保障環境が変化するなかで、誤解やエスカレーションを避けるための対話はこれまで以上に重要になっています。
一方で、サプライチェーン(供給網)の見直しやエネルギー価格の変動など、経済面での不確実性も続いています。日中両国は互いに重要な貿易・投資の相手であり、関係が不安定になれば企業活動や雇用にも影響が及びます。
私たちにとっての意味:ニュースの「読みどころ」
今回の会談は、一見すると外交儀礼のやり取りにも見えますが、私たちの日常にも間接的な影響を持ちうる動きです。ポイントを三つに整理すると、次のようになります。
- 政治の土台の再確認:四つの政治文書や1972年共同コミュニケなど、過去の合意に立ち返る動きが強まっていること。
- 対立と協力の両立:歴史や台湾問題といった敏感な課題に配慮しつつ、経済や交流の分野で協力を広げようとしていること。
- 生活への波及:日中関係の安定は、ビジネス、観光、留学など、人やモノの行き来のしやすさにもつながりうること。
日中関係は、ときに緊張が報じられる一方で、現場レベルでは地道な対話や協力も続いています。今回の会談と今後のハイレベル経済対話が、そのバランスをどう変えていくのか。今後の動きを、落ち着いて追いかけていきたい局面です。
Reference(s):
China hopes to promote healthy development of China-Japan ties: FM
cgtn.com







