中国本土が「スカイネット2025」開始 国外逃亡汚職容疑者の追跡を強化
中国本土で、国外に逃亡した汚職容疑者の追跡と不正資金の回収を目的とする大規模な反腐敗キャンペーン「スカイネット2025」が始まりました。国境を越える汚職や資金移動への対策を強化するこの動きは、国際ニュースとしても注目すべき展開です。
中国本土当局は、国際的な反腐敗協力をいっそう深め、海外に逃亡した汚職容疑者に対して高い圧力を維持する方針を示しており、「スカイネット2025」はその象徴的な取り組みと位置づけられています。
「スカイネット2025」キャンペーンの概要
「スカイネット2025」は、中国本土の中央反腐敗協調グループ傘下にある逃亡犯送還・資産回収弁公室の会議で発表されたキャンペーンのコードネームです。
この作戦では、
- 国外に逃亡した汚職容疑者の所在を突き止めて本土に連れ戻すこと
- 汚職によって得られた違法な収益を回収すること
- 国境をまたぐ汚職行為そのものを抑え込むこと
が主な狙いとされています。
関係機関ごとの役割分担
会議によると、「スカイネット2025」の具体的な取り締まりは複数の機関が分担して実施します。
- 国家監察委員会:職務に関連する犯罪で得た不正収益の回収を主導し、国家財産の損失を防ぐ役割を担います。
- 中国人民銀行と公安部:オフショア企業(海外に設立された法人)や地下銀行システムを通じて海外に流出する違法資金を重点的に監視・取り締まります。
このように、人の移動だけでなく、資金の流れそのものを押さえ込む仕組みづくりが進められていることが分かります。
前回作戦「スカイネット2024」での実績
中国本土は、国外逃亡した汚職容疑者に対して長年厳しい姿勢をとってきました。最高レベルの反腐敗機関が2025年の今年まとめた報告書によると、前回の「スカイネット2024」キャンペーンでは、1,597人の汚職逃亡者が中国本土に送還されました。
さらに、182.8億元(約25.5億ドル)を超える不正資産が回収されたとされており、「スカイネット2025」はこうした実績を踏まえた継続的な取り組みとみることができます。
なぜこの国際ニュースが重要なのか
今回の「スカイネット2025」は、中国本土内部の取り締まりにとどまらず、国際社会との協力を前提とした反腐敗キャンペーンである点が特徴です。汚職で得た資金は、しばしば複数の国や地域の金融システムを経由し、実態をつかみにくい形で移動します。
そのため、どの国も自国だけでは対応しきれない側面があり、国境を越えた協力が不可欠になります。「国際協力」と「資金の流れをどう追うか」という2つのキーワードは、日本を含む多くの国に共通する課題でもあります。
オフショア企業・地下銀行とは何か
オフショア企業とは、実際の事業を行う場所とは別の国や地域に設立された法人で、税制や規制の違いを利用して資金を移動させる仕組みとして使われることがあります。
一方、「地下銀行」と呼ばれる非公式な送金ネットワークは、銀行口座や公式な送金ルートを通さずにお金を動かす手段で、資金洗浄(マネーロンダリング)や不正資金の移転に利用されるリスクが指摘されています。
中国人民銀行と公安部がこうしたルートに焦点を当てる方針を示したことは、「人の追跡」と同時に「カネの流れ」も重視する姿勢を改めて明確にしたと言えます。
各国・地域の協力が不可欠
国外逃亡した汚職容疑者の送還や不正資産の回収には、関係する国や地域の法制度や司法・警察の協力が欠かせません。今回の「スカイネット2025」は、中国本土がこうした国際協力をさらに深めようとしている動きの一つと見ることができます。
日本を含むアジア各国でも、マネーロンダリングや不正資金の流入・流出への対策は年々強化されています。企業や金融機関にとっては、国際的なコンプライアンス(法令順守)の要求が一段と厳しくなる可能性もあり、ビジネスの現場にとっても無関係ではないニュースです。
これから注目したいポイント
「スカイネット2025」の詳細はこれから明らかになっていく部分も多くあります。今後の国際ニュースとして、次のような点に注目すると全体像が追いやすくなります。
- 作戦の期間や対象範囲がどこまで広がるのか
- オフショア企業や地下銀行に対する規制や監視が、どの程度具体化していくのか
- 関係する国や地域との間で、どのような協力枠組みや手続きが実際に活用されるのか
汚職と不正資金の問題は、特定の国だけでなくグローバルに共有される課題です。「スカイネット2025」をめぐる動きは、中国本土の反腐敗戦略を理解する手がかりであると同時に、私たち自身の社会や制度のあり方を考えるきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








