上海ファッションウィークにヒューマノイド登場 ロボットがランウェイを歩く video poster
2025年の上海ファッションウィークで、ヒューマノイドロボットとロボット犬がランウェイに登場しました。中国のロボット企業Unitree RoboticsのG1とそのロボット犬が見せたパフォーマンスは、ファッションとテクノロジーの融合として国際ニュースでも注目されています。
ロボットが主役になったランウェイ
今回の演出は、前衛的なファッションレーベルNMTGが披露したショーの一幕です。通常のモデルたちが一通りランウェイを歩き終えた後、ステージ中央で突然ロボット犬が宙返りをし、特別にデザインされた衣装を見せました。
続いて、ヒューマノイドロボットG1が目覚めたように動き出し、青い衣装をまとったモデルと向き合います。モデルはG1と握手を交わし、シカをかたどった3Dプリントのネックレスをロボットの首元にかけました。このシカは調和と希望を象徴するモチーフとして選ばれたとされています。
ショー全体は、単なるランウェイというより、観客を巻き込む行動芸術のような雰囲気でした。ロボットと人間の距離が近づく瞬間を、観客が息をのんで見守る構成になっていました。
クリエイティブディレクターの狙い
演出を手がけたクリエイティブディレクターの徐尚曦(Xu Shangxi)氏は、UnitreeのヒューマノイドG1が春節の特別パフォーマンスで披露した伝統舞踊風のダンスに着想を得たと語っています。そのダンスは、ネット上で大きな話題を呼びました。
徐氏は自然・人間・テクノロジーの共生をテーマに掲げ、人間のモデルとロボットが同じ舞台で協調する姿を通じて、これからの社会のあり方を問いかけようとしました。Unitree、NMTG、上海ファッションウィークの三者による今回の試みについて、徐氏は「これはショーであると同時に、未来へのマニフェストだ」と位置づけています。
UnitreeのヒューマノイドG1とは
ランウェイに立ったG1は、中国のUnitree Roboticsが開発した高性能ヒューマノイドロボットです。全身の動きをAIで制御するシステムを搭載し、高い敏捷性と精密なモーションを実現しているとされています。
その特徴は、全身をしなやかに連動させる動きにあります。ダンスを踊ったり、ハンカチを器用に回したり、人間とタイミングを合わせた振り付けを行ったりと、人に近いリズム感と協調性を見せることができます。今回のようにファッションショーのステージに立つことは、単なるデモンストレーションではなく、ロボットが表現の主体として扱われ始めていることの象徴とも言えます。
なぜファッションの現場にロボットなのか
ファッションショーは、衣服だけでなく世界観を見せる場でもあります。そこにヒューマノイドロボットやロボット犬が登場することで、テクノロジーが日常や文化の中にどのような形で入り込んでくるのかを、具体的なイメージとして示すことができます。
今回の上海ファッションウィークのショーでは、ロボットは単なるガジェットではなく、人間と対話し、象徴的なアイテムであるシカのネックレスを受け取る登場人物として描かれました。そこには、ロボットが人間社会の中でどのような位置を占めていくのかという、静かな問いかけが込められているように見えます。
これからのファッションとロボットの関係
今回のニュースは、テクノロジーや国際ニュースに関心のある人だけでなく、カルチャーやアートが好きな人にとっても、いくつかの示唆を与えてくれます。
- ロボットは労働や産業だけでなく、表現や芸術の領域にも入り始めている
- ファッションショーが、テクノロジーと社会の関係を試す実験場となりつつある
- 人間とロボットの共演が当たり前になったとき、創造性や作者性をどう考えるか
ロボットがランウェイを歩く光景は、SFのようでありながら、2025年の現実としてすでに目の前にあります。私たちはこの変化を、怖れとしてではなく、新しい表現や共生の可能性としてどう受け止めていくのか。上海から届いたこの一幕は、そのことを静かに問いかけるニュースと言えるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








