第15回北京国際映画祭 映画と街が一体になった9日間
2025年4月18日から26日まで、北京で第15回北京国際映画祭(BJIFF)が開催されました。9日間にわたって映画上映やレッドカーペット、カルチャーイベントが展開され、首都全体を巻き込む「映画の祭典」として再び存在感を示しました。
中国映画界を牽引する国際映画祭
第15回北京国際映画祭は、中国の映画行政機関であるChina Film Administrationの指導のもと、China Media Group(CMG)と北京市政府が主催しました。映画関係者や業界リーダー、映画ファンが集まり、作品上映だけでなく映画産業全体を見据えた交流の場となりました。
レッドカーペットや映画上映、授賞式といった「定番」のプログラムに加えて、15回目となる今回は、それらを土台にした新たな試みが打ち出されています。
「北京フィルムライフフェスティバル」で街と映画をつなぐ
今年の大きな特徴が、新設された「北京フィルムライフフェスティバル」です。この企画は、映画をきっかけに文化、商業、観光、スポーツを有機的に結びつけることを狙いとしています。
映画館の中だけで完結しない「映画消費」の形をつくり、街全体を一つのシネマパークのように変えていく──そんなイメージのもと、来場者が日常の買い物や観光と映画体験をシームレスに行き来できる仕組みが用意されました。
Ne Zhaテーマの展示や文創マーケット
映画祭期間中、組織委員会はCMGの北京ステーションと連携し、「Ne Zha」をテーマにした展示や、映画に関連した文化・クリエイティブ商品のマーケットなど、体験型のイベントを多数展開しました。これらは、来場者が作品の世界観をより深く楽しみながら、関連グッズやコンテンツに触れられる場になっています。
さらに、北京市内の主要な商業エリアや観光スポットも映画祭と連動しました。BJIFFの映画チケットを提示すると、買い物や飲食、宿泊、駐車料金などで割引を受けられるキャンペーンが実施され、映画祭を軸にした消費の活性化が図られました。
映画作品の鑑賞と都市の経済活動を結びつけるこうした仕組みは、映画祭を「業界のイベント」にとどめず、市民や観光客が参加する都市規模のカーニバルへと広げる試みといえます。
万華鏡に映る「万春亭」 公式ポスターが示す世界観
今回のプレスブリーフィングでは、第15回北京国際映画祭の公式ポスターも披露されました。ポスターは万華鏡をモチーフにした華やかなデザインで、映画が人生の美しさを切り取り、映し出す力を持つというメッセージを込めています。
万華鏡の内部に描かれた繊細なパターンは、紫禁城内にある万春亭の屋根装飾から着想を得たものです。歴史ある建築意匠と、映画という現代の視覚芸術がポスターの中で重なり合い、中国の文化遺産と映像文化を結びつける象徴的なビジュアルになりました。
映画祭が映す「都市と文化」のこれから
第15回北京国際映画祭の取り組みからは、国際映画祭が単なる作品発表の場から、都市のブランドづくりや消費の活性化を担う総合的なプラットフォームへと変化しつつある姿がうかがえます。
映画と日常生活、歴史的景観と現代デザイン、スクリーンの中と街の現場。そのあいだをどう行き来させるかは、アジア各地の都市に共通するテーマでもあります。北京が打ち出した「フィルムライフ」というコンセプトが、今後どのように定着し、発展していくのか。来年以降の動きにも静かに注目が集まりそうです。
Reference(s):
Fifteenth Beijing International Film Festival set for a grand opening
cgtn.com








