中国・日本・韓国が貿易協力強化で一致 ソウルで経済閣僚会合
中国、日本、韓国の経済・貿易担当閣僚が2025年12月7日(日)にソウルで会合し、自由貿易協定(FTA)交渉の加速やサプライチェーン、デジタル・グリーン経済での協力強化に合意しました。東アジア経済にとって重要な一歩となる可能性があります。
ソウルで3カ国閣僚会合、FTA交渉加速へ
2025年12月7日、中国、日本、韓国の経済・貿易担当閣僚が韓国・ソウルで会合し、貿易協力を一段と強化することで一致しました。
会合には、中国の商務相Wang Wentao氏、韓国の産業通商資源部長官Ahn Duk-geun氏、日本の経済産業相Yoji Muto氏が出席しました。
3カ国は共同声明で、地域と世界の枠組みの中で協力を深める方針を示し、自由貿易体制を支える役割を改めて確認しました。
3カ国が合意した主なポイント
共同声明では、次のような協力強化が打ち出されています。
- 世界貿易機関(WTO)、地域的な包括的経済連携協定(RCEP)、アジア太平洋経済協力(APEC)などの枠組みの下での連携強化
- 3カ国による自由貿易協定(FTA)交渉の加速
- サプライチェーン協力と輸出管理に関する対話の実施
- デジタル経済とグリーン経済分野での協力の深化
- 地方レベルの交流促進と、企業活動にとって好ましいビジネス環境づくり
製造業やサービス産業が密接に結びつく東アジアにとって、これらの協力は、貿易の安定と企業の先行き見通しに直結するテーマです。
WTO・RCEP・APECでの協力を土台に
今回の合意では、既存の地域・多国間の枠組みを土台に3カ国の協力を進めることが強調されました。
- WTO:世界全体の貿易ルールを定める場として、多国間の貿易体制を維持する中心的な役割
- RCEP:アジア太平洋地域を広くカバーする経済連携で、関税削減や投資ルールを通じて域内貿易を促進
- APEC:アジア太平洋の経済協力を話し合うフォーラムとして、デジタルやグリーンなど新分野の議論も進む場
3カ国は、こうした枠組みの中で連携を深めることで、ルールに基づく国際貿易を支えつつ、自国経済の成長にもつなげたい考えです。
サプライチェーンとデジタル・グリーン経済が鍵
共同声明では、サプライチェーン協力と輸出管理、そしてデジタル・グリーン経済が特に強調されました。
半導体や電気自動車、再生可能エネルギー関連の部品など、3カ国は相互依存が強い分野を多く抱えています。サプライチェーンの安定化に向けた対話は、企業にとってリスク管理の観点からも重要になりそうです。
また、デジタル経済やグリーン経済に関する協力は、新しいビジネスやイノベーションの機会を広げる可能性があります。データの流通ルールづくりや脱炭素技術の普及などで、3カ国がどのような共通ルールやプロジェクトを打ち出すかが注目されます。
王商務相「自由貿易と多国間体制を守るべき」
会合で発言した中国のWang Wentao商務相は、中国、日本、韓国は地理的に近く、文化や商業面でも強く結びついており、これまでの経済・貿易協力が大きな成果を上げてきたと評価しました。
一方でWang氏は、一国主義や保護主義の広がりの影響で、世界経済には下押し圧力が強まっているとの認識も示しました。その上で、3カ国は地域と世界の重要な経済として、自由貿易と多国間の貿易体制を共同で守り、一国主義や保護主義に反対し、地域経済の一体化を進めるべきだと呼びかけました。
またWang氏は、中国は今後も質の高い発展と高水準の対外開放を進め、韓国や日本を含む各国と発展の機会を分かち合う用意があると述べました。
東アジアの読者にとっての意味
今回のソウル会合は、世界経済に不透明感が続く中で、東アジアの3カ国が対話と協力のチャンネルを維持しようとしているサインとも受け止められます。
もし3カ国のFTA交渉が前進すれば、関税の引き下げやルールの共通化を通じて、企業にとっては新たなビジネスチャンスが生まれる一方で、競争の激化も予想されます。読者一人ひとりにとっても、就職先や投資先、消費者としての選択肢など、さまざまな形で影響が及ぶ可能性があります。
中国、日本、韓国が今後どこまで実務レベルの協力を具体化できるのか。ソウルでの合意は、その行方を見極めるうえで重要な一歩と言えそうです。
Reference(s):
China, Japan, South Korea agree to promote trade cooperation
cgtn.com








