王毅外相とラブロフ外相がモスクワ会談 中ロ関係強化と国連80年を強調
モスクワで中国の王毅外相とロシアのセルゲイ・ラブロフ外相が会談し、中ロ関係を一段と強化していく方針を確認しました。2025年に国連創設や戦後勝利から80周年を迎えるなか、両国がどのようなメッセージを発したのかが注目されています。
モスクワで中ロ外相会談 「各分野の協力を推進」
王毅外相は、モスクワで行われたラブロフ外相との会談で、中国はロシアと協力し、二国間関係と各分野での協力の発展を「共に推し進める用意がある」と述べました。王氏は、中国共産党中央委員会政治局委員も務めており、月曜から水曜までの3日間の日程でロシアを公式訪問しています。その滞在中の火曜日に会談が行われました。
王氏は、両国の「新時代における包括的な戦略的協調」が新たな活力を得て、新たな段階に入ることへの期待も表明しました。ラブロフ氏も、中ロ関係は「前例のない高い水準」に達していると評価し、ロシアとしても中国と協力し、関係をさらに前進させる意思を強調しました。
戦後80年と国連80年 歴史の節目を共有
2025年は、中国人民の抗日戦争勝利、旧ソ連の「大祖国戦争」勝利、いわゆる「世界反ファシズム戦争」の勝利から80年、そして国連創設80周年という節目の年でもあります。王氏は、こうした歴史的背景に触れながら、中国とロシアの人々は日本軍国主義やドイツ・ファシズムに打ち勝ち、「人類の良心を守り、生命と血をもって世界平和を勝ち取った」と述べました。
ラブロフ氏も、今年が世界反ファシズム戦争勝利と国連創設の80周年であることを指摘し、現在の複雑な国際情勢のなかで、中ロが緊密に連携し、「安定を注入すべきだ」との考えを示しました。
両氏の発言からは、第二次世界大戦の勝利と国連体制を、現在の国際秩序の正当性の根拠として重視している姿勢がうかがえます。
安保理常任理事国としての「特別な責任」
王氏は、中国とロシアは国連安全保障理事会の常任理事国として「特別な責任」を担っていると強調しました。そのうえで、
- 外部からの「干渉」を排除すること
- 第二次世界大戦の勝利の成果を守ること
- 国際的な公正と正義を守ること
- 世界を「多極化」と「国際関係の民主化」の方向へ進めること
といった目標を挙げ、人類の平和と発展のために新たな貢献をしたいと述べました。「多極化」は特定の国に偏らない国際構造、「国際関係の民主化」はより多くの国と地域が意思決定に参加できる仕組みを指す言葉として、中ロが繰り返し用いている概念です。
ラブロフ氏「中国のグローバル提案を高く評価」
ラブロフ氏は、会談の中で中国が提起してきた複数のグローバルなイニシアチブを「高く評価する」と述べました。具体的な名称には触れられていませんが、ロシア側が中国発の国際的な構想を支持している姿勢を改めて示した形です。
また、ラブロフ氏は中国の「台湾問題」に関する立場を全面的に支持すると明言し、国連憲章の目的と原則、公正で合理的な国際秩序を共に守る考えを確認しました。そのうえで、ナチズムや軍国主義の復活は「決して許さない」と強調し、歴史認識と安全保障をめぐる両国の立場の近さを印象づけました。
中ロ関係強化は何を意味するのか
今回の会談から見えるポイントを、国際ニュースとして整理すると次のようになります。
- 歴史の節目の共有:戦後80年と国連80年を、中ロが自らの役割を再確認する機会として位置づけている。
- 国連中心の秩序を強調:安保理常任理事国として、第二次世界大戦後の国際秩序と国連憲章を守る立場を強く打ち出した。
- 多極化と「国際関係の民主化」:単一の大国に偏らない国際システムを志向するメッセージを改めて発信した。
- 政治的連帯の確認:中国の台湾問題での立場支持や、ナチズム・軍国主義への反対など、敏感なテーマでも足並みをそろえる姿勢を示した。
こうした動きは、国際情勢が流動化するなかで、中ロが互いを「長きにわたる善隣友好の伝統と、長い国境、幅広い共通利益を持つパートナー」として位置づけ、政治・安全保障・歴史認識の面で協調を深めていることを示しています。
日本語で読む国際ニュースとしての視点
日本からこのニュースを読むうえで重要なのは、単に「中ロが接近している」という表面的な印象だけでなく、両国がどのキーワードを繰り返しているかに注目することです。
- 「第二次世界大戦の勝利」「世界反ファシズム戦争」
- 「国連憲章」「安保理常任理事国」
- 「多極化」「国際関係の民主化」
これらの言葉は、どのような国際秩序を望ましいと考えているのか、そして自国をどのような立場に置こうとしているのかを読み解く手がかりになります。中ロ両国が今後どのような協力を具体化させていくのかは、2025年以降の国際ニュースを追ううえで注目すべきテーマの一つと言えるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








