中国とロシアの関係は「新しい大国関係のモデル」に 王毅外相がモスクワで語ったこと
中国とロシアの関係がどこへ向かうのかーー中国の王毅外相がモスクワでのインタビューで、中ロ関係を「新しい大国関係のモデル」と位置づけ、世界経済の安全と安定に貢献するため高水準の協力を進める考えを示しました。
中国とロシアは「永遠の友」 王毅外相が示した3つの特徴
王毅外相(中国共産党中央委員会政治局委員)は、モスクワでロシアのニュース専門局RT(ロシア・トゥデイ)の単独インタビューに応じ、中国とロシアの関係は「現代における新しい大国関係のモデル」だと語りました。
中国とロシアは互いに「最大の隣国」であり、いずれも国連安全保障理事会の常任理事国として世界の平和と発展に特別な責任を負っていると強調しました。
こうした二国間関係の発展は、世界の多極化や国際関係の「より大きな民主化」を後押しするものだと位置づけています。
王毅外相は、現在の中ロ関係には次の3つの特徴があると説明しました。
- 永遠に友であり、決して敵とならない関係であること
- 相互に尊重し、対等に付き合い、双方に利益をもたらす「ウィンウィン」の協力であること
- 軍事同盟を結ばず(非同盟)、正面から対立せず(非対立)、いかなる第三国も標的にしない関係であること
王毅外相は、このような「非同盟・非対立・第三国を標的にしない」関係こそが、揺れ動く国際情勢のなかで安定をもたらす重要な力だと強調しました。
貿易2448億ドル 拡大する中国とロシアの実務協力
王毅外相は、過去数十年の中ロの実務協力について、規模は「小から大へ」、協力の基盤は「弱から強へ」、分野は「狭から広へ」と発展し、豊かな成果を上げてきたと述べました。
両国の貿易額は2448億ドルに達し、ロシア産の農産物が中国の多くの家庭の食卓に並び、中国製の自動車がロシアの街を走るようになったと紹介しました。
こうした実務協力の深化と質の向上が、中ロ関係全体に活力を注入しているとも評価しています。
また、約4,300キロに及ぶ国境を共有する両国には、相互に補完し合う強みと、巨大な潜在力、広い協力の余地があると指摘しました。
今後の方向性として、王毅外相は次のような目標を掲げています。
- 協力の成長分野を新たに生み出すこと
- 産業面での統合を一段と深めること
- 中国が提唱する一帯一路構想と、ロシアが主導するユーラシア経済連合との連携をさらに推進すること
こうした高いレベルの中ロ協力を通じて、世界の産業・供給網の安全性と安定性、そして円滑な流れを確保したい考えです。
2025年は戦後80年 中国とロシアが強調する「歴史を守る」姿勢
2025年は、中国人民の抗日戦争、ソ連の大祖国戦争、そして世界反ファシスト戦争の勝利から80年にあたる節目の年です。
王毅外相は、中国とロシアがそれぞれアジアとヨーロッパの主要な戦場であり、中国とロシアの人びとが、ファシズムや軍国主義と戦う背骨のような存在になったと指摘しました。
そのうえで、百年に一度とも言われる大きな変化の時代にあって、両国は国際的な正義の側にしっかりと立ち、世界の平和を愛する人びとと協力して、血と命によって刻まれた歴史を守り、第2次世界大戦の歴史を否定・歪曲・ねつ造しようとするいかなる試みや行動にも反対しなければならないと強調しました。
多極化する世界で、中ロ接近をどう読むか
王毅外相の発言からは、中国とロシアが自らの関係を、西側中心ではない多極的な国際秩序の柱の一つとして位置づけようとしている姿が浮かび上がります。
同盟ではないが緊密なパートナーであることを強調する非同盟・非対立・第三国を標的にしないという枠組みは、従来の軍事同盟とは異なる形での安全保障協力のモデルとして提示されています。
同時に、サプライチェーン(供給網)の安定や歴史認識をキーワードに、中ロの連携を国際社会に訴えかけるメッセージであることも読み取れます。
日本やアジアの読者にとって、今回の発言は次のような論点を投げかけています。
- 国連安保理常任理事国どうしの関係が、国際ルールや安全保障の議論にどのような影響を与えるのか
- エネルギーや食料、製造業などのサプライチェーンが、中ロ協力のもとでどのように再編されていくのか
- 戦争の記憶と歴史認識をめぐるメッセージが、東アジアの外交や世論にどのような波紋を広げるのか
中ロ関係は、単なる二国間の話にとどまらず、国際秩序のあり方やサプライチェーン、自国の安全保障を考えるうえでも注目すべきテーマになっています。今後の動きにも、落ち着いて目を向けていく必要がありそうです。
Reference(s):
Wang Yi praises China-Russia ties, vows deeper bilateral cooperation
cgtn.com








