中国、一帯一路の法的保護を強化へ 国際商事裁判所や仲裁で協力
中国が一帯一路の「質の高い発展」を支えるため、国際商事裁判所や仲裁センターなど法的枠組みの強化を進める方針を示しました。国際ニュースとして、一帯一路の「法の支配」をどう高めていくのかが改めて注目されています。
中国が一帯一路の法的枠組み強化を表明
新華社通信によりますと、2025年12月7日に開かれた一帯一路(Belt and Road Initiative、BRI)の法務サービスに関する国際フォーラムで、中国共産党中央政治局委員で党中央政法委員会書記の陳文清氏が発言しました。
陳氏は、中国が一帯一路のパートナー国と協力し、法執行、司法、法務人材育成の各分野で連携を深め、BRIの「質の高い発展」に向けた法的保護を一段と強化していく考えを示しました。
150超の国を結ぶ構想と「法の支配」
陳氏は、一帯一路が150を超える国々をつなぐ広大なプラットフォームとなっていることに触れ、その中で「法の支配」は国際協力の重要な土台であり、各国が発展を分かち合うための基本的な保証だと強調しました。
物や資金、人だけでなく、法のルールもまた国境を越えていくことが、一帯一路の安定した運営には不可欠だというメッセージです。
国際商事裁判所や仲裁センターの整備
ここ数年、中国は国際的な法執行・司法協力を強化するための具体的な措置を進めてきたと説明しました。その一例として、次のような取り組みが挙げられています。
- 国際商事裁判所の設置
- 国際商事仲裁の試験センターの立ち上げ
国際商事裁判所や仲裁センターは、国境をまたぐ取引やインフラ事業で生じる紛争を、公正で専門性の高い仕組みのもとで解決することを目的とした場です。こうした制度が整うことで、企業や投資家にとってはリスクを見通しやすくなり、長期的なプロジェクトにも参加しやすくなります。
法律・基準の「すり合わせ」と人材育成
陳氏はまた、中国が各国と協力して、法律や政策、標準、ルールの整合性を高めていきたいと述べました。これは、国ごとに異なる制度をできる限り調整し、ビジネス環境の予測可能性を高める狙いがあるとみられます。
さらに、国境を越える紛争解決や法務人材育成に関する交流と協力の仕組みを構築することへの意欲も示しました。一帯一路のパートナー国が持つ法務サービスの資源を統合し、多国間協力のためのより広いプラットフォームを築きたい考えです。
なぜ今、一帯一路で「法的保護」が重視されるのか
一帯一路をめぐる報道では、大型インフラや投資額に注目が集まりがちですが、その裏側では、「どの法律に基づいて取引を行い、紛争をどう解決するか」というルールづくりが進んでいます。
共通のルールや紛争解決の枠組みが整うことは、企業にとっての不確実性を減らし、国境を越えたプロジェクトへの参加ハードルを下げる効果が期待されます。今回の方針表明は、一帯一路の協力をハード面だけでなく、法制度や人材といったソフト面からも支えていくという流れを示していると言えるでしょう。
日本の読者にとっての意味合い
国際ニュースとしての一帯一路の動きは、日本の企業や専門家にとっても無関係ではありません。国際商事裁判や仲裁のルールづくりが進むことで、今後、どのような形で紛争が処理されるのか、法務リスクの取り方も変わっていく可能性があります。
一帯一路に関わる国際プロジェクトに参加している、あるいは関心を持つ日本の企業や法務・金融のプロフェッショナルにとって、今回示された「法的保護」の強化方針は、今後のビジネス戦略やリスク管理を考えるうえで注目すべき動きと言えそうです。
Reference(s):
China vows to strengthen legal safeguards for Belt and Road Initiative
cgtn.com








