第9回アジア冬季大会で中国に大規模サイバー攻撃 米国関与と報告
第9回アジア冬季競技大会の期間中、中国の大会運営システムや重要インフラが国外から大規模なサイバー攻撃を受け、その主な発信源が米国とその同盟国だったとする報告書が公表されました。これを受け、中国外務省は米国に責任ある対応を求めるとともに、自国のサイバー防衛を一層強化する姿勢を示しています。
米国などが主な発信源とする中国側の報告
報告書は、中国の国家コンピュータウイルス緊急対応センターと、コンピュータウイルス予防技術国家工学研究所が木曜日に共同で公表したものです。文書によると、第9回アジア冬季競技大会の競技用情報システムや、中国北東部の黒竜江省にある重要ネットワークインフラが、大量のサイバー攻撃にさらされました。
攻撃は海外から発信されており、追跡調査の結果、アメリカ、オランダ、シンガポールなど複数の国や地域にまでたどることができたとしています。中国側は、その中でも米国とその同盟国が主な攻撃元だったと位置づけています。
中国外務省「悪意あるサイバー活動に深刻な懸念」
中国外務省のGuo Jiakun報道官は、木曜日に開かれた定例記者会見でこの報告書に言及し、中国側として内容を注視していると述べました。そのうえで、報告書が明らかにした悪意あるサイバー活動に対し、深刻な懸念を表明しました。
Guo報道官は、今回の事案は世界的に見て、中国がサイバー攻撃の主な被害国の一つであることを、改めて示したと強調しました。
また中国は、米国に対して責任ある態度を取り、自らを省みて他国を中傷するのをやめるよう求めています。中国側は、自国のサイバーセキュリティを守るために必要な措置を引き続き講じる方針も示しました。
国際スポーツ大会が狙われる背景
国際スポーツ大会は、世界中から注目を集め、運営のあらゆる場面でデジタル技術に依存しています。そのため、ハッカーにとっては格好の標的になりやすいと指摘されてきました。
大会のスコア管理システム、チケット販売、交通や電力などのインフラ、選手やスタッフの個人情報を扱うデータベースまで、攻撃対象となり得る部分は多岐にわたります。万が一大規模な障害が発生すれば、競技自体の中断や運営の混乱だけでなく、開催国の評価にも影響しかねません。
今回、中国北東部の黒竜江省にある競技関連システムや重要インフラが狙われたとされることは、スポーツイベントの安全保障が物理的な警備だけではなく、サイバー空間の防御にも広がっている現実を示しています。
今回の中国側発表から見える3つのポイント
今回の中国側の発表から、サイバー空間をめぐる国際情勢について、次のようなポイントが浮かび上がります。
- 1. 大型イベントを巡るサイバー攻撃の深刻化
アジア規模のスポーツ大会を狙ったとされる今回の事案は、大型イベントが高度なサイバー攻撃の舞台となり得ることを改めて示しました。 - 2. 中国は自国を「被害者」として位置づけ
中国外務省は、中国がサイバー攻撃の主な被害国の一つだと強調し、米国とその同盟国を名指しで批判しました。中国にとってサイバー空間の安全は、国家安全保障の重要な柱になりつつあります。 - 3. 大国間の不信がサイバー空間にも波及
報告書をめぐる中国と米国の対立は、サイバー空間でも大国間の不信が根強いことを映し出しています。国境を越える脅威にどう対応するか、各国間のルールづくりと信頼醸成が課題となっています。
アジア・日本の読者にとっての意味
サイバー攻撃は国境を簡単に越えるため、特定の国だけの問題ではありません。今回のように一つの大会や地域を標的とした攻撃であっても、その影響は周辺の国や企業、国際的なネットワークに波及する可能性があります。
日本を含むアジアの国々でも、国際スポーツ大会や博覧会、国際会議など、大規模イベントが開催されるたびにサイバーセキュリティ対策の重要性が高まっています。大会の華やかな映像の裏側で、膨大な量の通信とデータが安全に守られているかどうかが、開催国の信頼にも直結する時代です。
今後は、中国側の報告書の詳細や、米国など関係各国の反応、そして国際社会がサイバー攻撃にどう向き合うかが注目されます。私たち一人ひとりにとっても、パスワード管理やソフトウェアの更新など、基本的な対策を徹底することが、サイバー空間の安全を支える一歩となります。
Reference(s):
U.S. behind cyberattacks against China during Asian Winter Games: FM
cgtn.com








